トランプ時代の日米同盟はどこへ向かうか
少し前になるが10月27日に開催された第14回日経・CSIS共催シンポジウム「トランプ時代の日米同盟」に筆者は参加。そこで語られたことを、少し紹介したい。
このシンポジウムは以下の参加者とプログラムで開催された。
●基調講演:ゲイリー・ラフヘッド 元米海軍作戦部長/フーバー研究所特別軍事研究員
●パネル討論
司会:マイケル・グリーン(CSIS上級副所長/元大統領補佐官/元国家安全保障会議アジア担当上級部長
パネラー:ジェームズ・スタインバーグ(元国務副長官/シラキュース大学教授)・エイミー・シーライト(元国防副次官補/CSIS上級アドバイザー)・北岡伸一(東京大学名誉教授)・国文良成(防衛大学校長)・森本敏(防衛大臣政策参与/元防衛大臣/拓殖大学総長
●特別講演「憲法と日米同盟」:高村正彦(元外務大臣/元防衛大臣)
●「アーミテージ・ナイ白熱討論会」:リチャード・アーミテージ(元国務副長官)・ジョセフ・ナイ(元国防次官補)・春原剛(司会/日経新聞常務執行役員)
日経新聞とCSISの共同開催。またオバマ時代に政権中枢にいたアミテージ氏やナイ氏やグリーン氏をメインに置いたシンポジウムなので、内容は凡その見当がつくのだが、彼らの生の声を聞くことで衆院選後の安倍政権と、トランプやホワイトハウスの立ち位置や、今後の追求ポイントも見えてきた。
◆このシンポジウムは旧勢力によるもの
・日本のマスコミは、今なおCIA・ネオコン・軍産複合体といった旧勢力の支配を受けている。アーミテージやナイは旧勢力のエージェントとして長らく日本に影響力を及ぼしている。彼らと歩調を合わせる日経新聞も同じ。安倍政権の続投も決まったことを受け、このシンポジウムを通じて、旧勢力による日本支配を強固にしていこうとするもの。
・その骨子は、北朝鮮ではなく中国を強大な仮想敵国とした上で、日米同盟をより強固にしていく必要がある、というもの。
◆旧勢力は中国脅威論に立ち、アメリカの覇権奪回を目論む
・アメリカは北朝鮮を脅威として見ていない。むしろ中国。
・共産党大会における習近平の演説を受け、中国の独裁的色彩を帯びた国家体制と現状を危険視。
・中国の南シナ海における軍事開発や、一帯一路政策を通じて中国が覇権を狙っている。
・もし中国がOne-China政策のもと台湾へ侵攻した場合、アメリカは動くだろう。その時は日本もアメリカと行動を共にするだろう。
・中国を封じるためにも日米同盟はより強力にしていく必要がある。
◆そのための日本の属国を強化し、憲法改正に向かわせる
・安倍とトランプは仲が良い。安倍政権の成果だ。
・日米は超党派でサポートし合える。
・ホワイトハウスではトランプは時期選挙でも勝ち8年任期を勤めると噂されているが、4年で終わるだろう。彼は何をするか分からない。
・今日、防衛だけでは国家を守ることは出来ない。その遡上で日米同盟を強固にし、再びアメリカの覇権を実現していく必要がある。
◆シンポジウムでの彼らの発言から見えるもの
・衆院選では選挙前は安倍劣勢かと囁かれ、小池も登場するなど、遡れば森友・加計スキャンダルで安倍おろしを目論んでいた旧勢力だったが、ここに来て衆院選では安倍勝利、そして加計学園も認可がおりるなど、旧勢力と安倍との関係が大きく変化した。
・これは安倍と旧勢力との間で何らかの取引がなされた可能性が高い。安倍は旧勢力に完全に取り込まれたか。
・一方でトランプがホワイトハウス内で劣勢なのは事実。任期は4年と言い切っている。アメリカ本国では旧勢力が優勢か。
・実はその逆で、旧勢力が新勢力に取り込まれつつあると言えるか。その上で中国脅威論→日本に武器売りつけという軍産の商売を許容している?
・日本を取り巻く状況も刻一刻と変化している。世界全体の流れを念頭に置き、情勢を見極めていく必要がある。
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