【世界の力を読み解く】~ひとつになれないヨーロッパ2/欧州の力の基盤~
前回の記事(リンク)ではヨーロッパについて、コロナの対応、エネルギー問題など、EU設立以降も一体になれていない、それどころか分裂の兆しがあることに触れました。
そして、西洋諸国の歴史的特徴である「取引関係」だけでは決して一つになれないことも、見えてきました。
今回は、そんなヨーロッパが世界を支配してきた力の基盤は何だったのか?に迫ります。
ヨーロッパの力の基盤
ヨーロッパ発で世界に広まっていたものとして思いつくものには何があるでしょうか?
大きいものとしてはやはり「金融商品」でしょう。中央銀行という制度、金貸しの仕組みもヨーロッパが発祥です。(中央銀行制度)
特に金融の世界で力を強めたのはイギリスです。イギリスは小国ながら、国債で大量の戦費を調達し世界に植民地を増やしていきました。
例えば、日本人が大好きな保険もその一つ。世界に広まったのは大航海時代の海上保険です。※1 リンク
要は資源を生かしてものづくりをするのではなく、『無から有を生み出し、稼ぐ』。
それが、最大の力の基盤だと言えます。
最近では、脱炭素ビジネスもその一つ。誰がCO2という大気に当たり前にあるもの・見えないものを元手に稼ごうとしたでしょう。
ワクチンビジネスも同様。全世界の人間が接種するような仕組みをつくり、稼ぐ。
この発想力、なんとしても稼ぐ・欲しいものは奪ってでも手に入れる。その執念には凄まじいものを感じますね。
言い換えると、「土俵をつくる」「世界のスタンダードをつくる」「稼げる仕組みをつくる」とも言えそうです。
そしてその力は、縄文体質(良くも悪くも受け入れ体質)の日本人には、なかなか発想できなかった世界なのかもしれません。
資源ゼロで市場を生み出す。無から有を生み出す。
ある種騙しともいえる方法で世界の市場を作り上げてきた欧州ですが、先も述べたようにこれまで通りにはいかなくなっています。
一つの要因として、情報社会の発展により、万人がこれまで考えようともしなかった・言いように騙されてきた情報に触れ、「何かがおかしい」と気づき出したのだと思います。
万人が追求に向かえる世界・自ら考え出す世界。そんな世界になると、これまでの「騙し」の力で稼ぐという仕組みは通用しなくなっていきます。
世界はすでに、実力主義・実物経済へ向かっています。世界の中央銀行も、ドルから金へ(リンク)
そんな世界で金貸し・奥の院などの資本勢力はどうなっていくのか。
今後も追求を深めていきます。
※1>保険の起源は諸説ありますが、紀元前2250年頃のバビロン王ハムラビの時代に隊商(キャラバン)の間に保険と似たような取り決めがあったようです。その内容は「資金を借りて出発した対商が災害に遭ったり盗賊に襲われて荷を失った場合、損害は資金を貸した者が負う」というものでした。これが保険の考え方の始まりだと言われます。
その後、海上貿易が発展してきた古代ギリシャでは、嵐や海賊などの海難事故に遭遇した場合、「荷主と船主で損害を分担し負担する」という習慣、いわゆる「海上保険」が生まれました。損害保険は海上から始まりました。
15世紀半ばから17世紀半ばの大航海時代に入り、航海が失敗したときは金融業者が積荷の代金を支払い、航海が成功したときには金融業者に手数料を支払うという仕組みが生み出されました。個人間で行われていた保険が組織的に行われるようになり、海上貿易とともに損害保険も発展していくようになります。
>海上保険だけだった損害保険が、火災による被害まで補償するようになったのは1666年9月のロンドンの大火がきっかけでした。パン屋のかまどから燃え広がったといわれる炎は4日間にわたって燃え続け、ロンドン市内の家屋のおよそ85%が焼失するという世界三大大火(ローマ大火、明暦の大火)と言われるほど大規模なものでした。この事件をきっかけに1681年に世界初の火災保険会社「ファイア・オフィス」がニコラス・バーボンにより創業され、その後、イギリスでは次々と火災保険会社が誕生しました。
==引用終わり==
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