2009年11月13日

アメリカ:闇の支配構造と略奪戦争~アメリカに食い尽くされる日本

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岸信介とアイゼンハワー(画像はこちらから)  
 
本シリーズでは米国の日本の支配構造を年次改革要望書や、郵政民営化を題材に紹介してきました。今回は、郵政民営化の張本人、小泉純一郎に繋がる日本政治の系譜に照らして考えてみたいと思います。
「アメリカに食い尽くされる日本」を読んで① を紹介します。

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アメリカに食い尽くされる日本
・・・小泉政治の粉飾決算を暴く・・・
森田実・副島孝彦共著/日本文芸社刊
 
は、渾身の対論集である。その内容を、いくつかを紹介したい。
>> アメリカは岸政権を徹底的に支援し、親米反共路線を確立させることに全力を注いだ。
 
●小泉政治を解くポイントは岸信介と中曽根人脈
 
その岸内閣のもとで2人の若手代議士が抜擢されたが、それは田中角栄と中曽根康弘だった。岸信介とアイゼンハワー大統領(共和党)、中曽根康弘とレーガン大統領(共和党)という関係のなかで、日本の共和党人脈の総帥が推移し、中曽根はアメリカ共和党の意向を受けて亀井静香下ろしを図り、小泉支持に動いたので、2001年4月に小泉純一郎が自民党総裁に選ばれた。
 
2001年6月29日に通常国会が終わるや、小泉はワシントンに飛び、ブッシュと初めての首脳会談を行った。その会談はごく短時間で終わったというが、内容は、去る3月19日のブッシュ・森会談で森前首相が約束した「不良債権処理」という名目の金融改革(実は日本金融の対米奴隷化)を半年でやるということと、加えて、自由貿易・自由経済の実施の確約であったといわれる。
 
この時点で、小泉の従米路線は刻印された。
 
●「年次改革要望書」と小泉首相の郵政改革の狙い
 
小泉氏は非常に感情的で報復的情念の強い人物で、初出馬した選挙のライバルを特定郵便局長会が支持したので落選したことを恨んでいたという見方もある。
 
少なくとも、総理の座をめぐる1972年の角福戦争の時、福田派は田中派の牙城の郵政省の勢力を瓦解させたいという願望があった。そして、郵貯の膨張に脅威を感じた銀行業界と大蔵省銀行局は、陰で郵政民営化を要求して揺さぶりをかけていた。小泉氏は忠実な大蔵族でもあった。福田派の幹部は田中派に妥協的であったが、一匹狼的な小泉氏だけは、銀行業界の意向を受けて「郵政民営化」を提唱していた。
 
それを、郵政民営化を狙っていたアメリカ政府が利用した。
 
1985年のプラザ合意によって、日本の巨額の貯蓄を吸い上げる道を付けたレーガン政権の後を受けて、クリントンは日本の郵政資金をアメリカ政府のために活用しようと考え、1995年の「年次改革要望書」にその要望を盛り込んだ。そして、ブッシュ・ジュニアも350兆円の郵政資金を狙い、郵政民営化を小泉にやらせた。
 
小泉政権誕生の裏には、そのようなアメリカの狙いがあった。
アメリカの意向に従順な小泉は、今や、岸信介→中曽根康弘→小泉純一郎と引き継がれた日本の共和党人脈の中心に座っている。
 
●2004年に作られたアメリカ政府のレポート『2020年の世界』
 
1981年に「強いアメリカの復活」を掲げて大統領になったレーガンは、ソ連崩壊をさせるために大軍拡政策をとり、膨大な軍事費を投入した。また、アメリカ国民の支持を得るために、大減税を行った。そんなことをすれば、財政は大赤字で国家財政は破綻するのは当然。
 
そこでレーガン政権が取った方策が、70年代に経済的に成功した日本の金を為替レートの変更で吸い上げるというもの。それこそが1985年のプラザ合意。高くなった円でドルを買わせ、そのドルで米国債を買わせることで、日本マネーをアメリカに流し込み、アメリカ財政を支えた。それ以降ずっと、アメリカ政府も大資本も日本マネーを吸い取ってきた。
 
しかし最近では、アメリカの日本経済研究者の間では「2015年くらいまでは、日本の金を使ってアメリカの繁栄を支える。2015年になれば日本の金は尽きてしまう。その時は中国とインドをアメリカ財政の補給源にする。」という見方が強くなっている。
 
2004年作成の『2020年の世界』という政府レポートには、「2020年にはアメリカのパートナーは中国とインドだ」と書かれているし、著名な大学教授や有力な経済人も、同趣旨の発言をしているそうだから、
 
日本はアメリカによって使い捨てにされようとしている。

 
ここで日本の政治家内の米国共和党人脈として語られている、岸―中曽根―小泉についてはこれまでも当ブログで語られてきました。今一度、自民党の派閥の系譜を見てみると、
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岸から小泉にいたる清和会の系譜がここでの共和党人脈に当たります。しかし、この系譜では中曽根は更にその傍流に位置しています。中曽根を岸に近づけたのは、岸と同じくA級戦犯指名から一転解放されてCIAの傘下に入った正力松太郎の子分である渡邊恒雄です。中曽根は結局清和会に属することは有りませんでしたが、岸と同じくCIAを通して米国と繋がっています。
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ロンとヤス(画像はこちら
 
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ブッシュと小泉(画像はこちら
一方清和会とはべつの保守本流である経世会の系譜から小沢一郎率いる現在の民主党が位置しています。しかし、この系譜に属する自民党の主要な政治家は全て汚職で挙げられ、命さえもまっとう出来ません。
旧田中派(経世会)潰しを続ける東京地検特捜部(=CIA日本支部)
戦後日本政治史の怪:清和会は無事で経世会系の政治家は不審死する
現在の日本の政権は、この潰され続けた田中角栄の系譜に繋がる民主党政権です。彼らは小泉郵政を見直し、米国との距離を置こうとしていますが、これに対してこれまで権勢を振るったCIA勢力は、米国本国で起こった金融破綻によって勢力を失っています。見方によっては米国が衰退したから民主党政権が誕生した、とも言えるでしょう。事実小沢は東京地検特捜部の疑惑を振り切って衆院選に勝利しています。
こうした政治の浮き沈みは、これまで米国主導の工作によるものでした。そして米国勢力が衰退している今こそが、日本独自の政治体制を確立するに不可欠な状況だとも言えるでしょう。
中曽根はかつては同じ親米勢力であった小泉による定年制で引退させられました。その際中曽根は
「断じて了承できない。政治的テロだ」
と怒りを爆発させたそうですが、彼自身が受けた屈辱は彼ら自身がかつて標榜した「自由主義という私益の優先」だったのですから、只の自業自得です。しかし、彼ら政治家の私益追求の結果危機にさらされるのは、他ならぬ我々国民なのです。そして現在は、こうしたことがマスコミ(同じく米国に支配された)に頼る事無く、情報として入手できるようになり、国民の意見として発信できるようにもなりました。
私益にしか反応しない危険で馬鹿馬鹿しい政治ごっこから、戦後始めて脱却できる時代に漸くなったと思います。

List    投稿者 saito | 2009-11-13 | Posted in 02.アメリカに食い尽される日本1 Comment » 

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