2012年11月19日

検察と並ぶ法制支配の中核=司法組織全体を支配する最高裁事務総局

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画像はウィキペディアからお借りしました。

最高裁事務総局の機能は、大日本帝国憲法の時代に日本国内の全ての裁判所と裁判官を支配・統制していた司法省から受け継がれたものである。
そもそも、最高裁判所事務総局を最初に設立したのは、日本国憲法施行後に最高裁判所の内部へ移籍した司法省の官僚たちであり、事務総局の組織自体も司法省を参考に編成された。
このため、最高裁判所事務総局は「司法省の戦後の再編成版」とも呼ばれ、現在も大日本帝国憲法下の司法省と同等の強大な権力を持つ司法行政の中枢機関となっている。

「検察・裁判所・弁護士がグルになってる司法の世界(小沢に対する起訴議決→強制起訴)」では、次のことを明らかにしました。
【1】今回の小沢一郎起訴は、それほどの強権を持つ検察でさえ不起訴にしたにもかかわらず、最高裁(=検察審査会事務局)が起訴議決を行い、ムリヤリ強制起訴に持ち込んだというトンデモない起訴事件であること。
【2】裁判制度では検察が告訴し、弁護士が弁護し、裁判官が中立の裁定者として判決を下すという一見は中立公正な制度だが、それは建前にすぎず、実態は、検察・裁判所・弁護士がグルになって、金貸し支配に都合の悪い人物をムリヤリ起訴する仕組みである。例えば、それが検察審査会による起訴議決→強制起訴であること。

この検察審査会を管理しているのは、検察ではなく最高裁事務総局です。
それに止まらず、司法組織全体を支配しているのが、この最高裁事務総局です。
今回は、その仕組みを明らかにします。
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『山崎行太郎政治ブログ 毒蛇山荘日記』「小沢裁判と最高裁スキャンダル再考」から引用する。

「最高裁事務総局」が日本を支配する!!!という現実を直視せよ。
『最高裁の罠』問題追求の過程で明らかになった重大な事実がある。
それは、「最高裁事務総局」が最高裁、高裁、地裁という司法組織全体の司令塔であり、黒幕(司法権力の総本山)であるという事実である。
「最高裁事務総局」は、裁判官などの「人事権」を掌握しており、裁判官たちは、「最高裁事務総局」の支配下にある。
言い換えれば、「最高裁事務総局」が日本を支配しているということである。
(2012年10月29日)

日本の司法、裁判に君臨している「司令塔」のような秘密組織がある。
「守秘義務」「非公開」の原則のもとに、その実態は、闇に包まれている。
実は、今、話題の「検察審査会」を管轄しているのも、この組織「最高裁事務総局」である。
「検察審査会」は、検察の管理下ではなく、「最高裁事務総局」の管理下にある。したがって、「検察審査会スキャンダル」は、正確には「最高裁スキャンダル」と呼ぶべきなのである。では、「最高裁事務総局」とは何か。
早くから「最高裁事務総局の正体」を厳しく追求してきた西島博之は、こう書いている。

最高裁には二つの゛顔゛がある。
最高裁長官および14人の最高裁判事によって、上告それた事件などの裁判を行う「裁判部門」の顔と、全国の裁判官や裁判所職員の人事や給与、予算の切り盛り、施設管理などを行なう、いわゆる「司法行政」としての顔である。(西島博之「日本の司法をダメにする最高裁事務総局の正体」「週刊プレイボーイ」2009.10.19)

 
「裁判部門」と「司法行政」。我々が問題にするのは、最高裁の二つの顔のうち、後者、つまり「司法行政」としての顔の方である。これが、いわゆる「最高裁事務総局」である。そして、「最高裁事務総局」の役割については、こう書いている。

最高裁の司法行政は本来、最高裁長官が総括する「櫻裁判官会議」が意志決定機関であり、ここの議決によって進められることになっている。だが、その実務は庶務担当の「事務総局」が取り仕切っており、原案を事務総局が作成、裁判官会議はただそれを承認するだけといわれている。(同上)

では、この「最高裁事務総局」の何が問題なのか。
実は、この「最高裁事務総局」が、全国の地裁や高裁に配置されている裁判官を支配し、コントロールしているからである。
したがって、裁判官たちは「裁判官の独立」を建前としながらも、実質的には、最高裁事務総局の顔色をうかがいながら判決を下すという、いわゆる「ヒラメ裁判官」となる。
では、最高裁事務総局は、何故、支配、コントロールが可能なのか。
それは、最高裁事務総局が、裁判官の人事、予算、給与、転勤・・・などの実権を握っているからだ。

最高裁事務総局の意向に逆らった判決を下すような裁判官は、最高裁事務総局に睨まれ、人事や給与で、仕返しされることになる。
多くの裁判官は、最高裁事務総局の顔色を伺い、最高裁事務総局の意向を先取りするかのような判決を下し続けることになる。

さらに、この最高裁事務総局には、エリート裁判官が勤務し、彼らが最高裁長官などに「出世」していくことになっている。地裁から地裁へ、転々と転勤を繰り返すような裁判官が、最高裁判事や最高裁長官に出世することはない。
最高裁判事や最高裁長官のポストに上り詰めるのは、東京地裁など大都市の地裁勤務を経て、「最高裁事務総局」に「司法官僚」として勤務し、つまり裁判を行わない裁判官たちである。
「最高裁事務総局」に勤務する司法官僚たちは、裁判を行うことよりも、全国に散らばる地裁、高裁勤務の裁判官たちを管理、監督し、支配、コントロールするのが仕事である。
我妻栄も、新藤宗幸の『司法官僚』によると、こう言っていたそうである。

最高裁事務総局につとめる人が出世する。これは厳然たる事実だ。
私は、いろいろなところでいったが、それは司法省が裁判官の選任や任地の決定権を持っていた戦前の時代にも、陸上勤務と海上勤務というものがあった。司法省につとめているものが陸上勤務。そして裁判所から裁判所へと流れ歩いているものは、海上勤務。そして陸上勤務は出世して、海上勤務は出世しない。

(2012年11月6日)

「最高裁が原発訴訟をことごとく敗訴させたから原発が54基もできた」にあるように、各地の原発訴訟で、原告側が勝訴しても、最高裁はそれらをことごとく覆しているが、山崎行太郎氏によると、これも最高裁事務総局の差し金らしい。

「最高裁事務総局」も「原子力ムラ」の一員だった?!。
3・11以前に、各地で原発周辺住民の主導によって、多くの「原発訴訟」「原発裁判」が行われて来た。しかし、ごくわずかの例外を除いて、「住民側敗訴」「国側勝訴」の判決が下されて来たが、これらの「住民側敗訴」「国側勝訴」の判決に、「最高裁事務総局」は無縁だったのか。
むろん、そうとは言えない。むしろ、「最高裁事務総局」主導・誘導の元に、「住民側敗訴」「国側勝訴」の判決が下されて来たと言っていい。「住民側勝訴」の判決を下した裁判官もいなかったわけではないが、彼らは、その後、人事移動、予算配分などの方法で、「最高裁事務総局」によって排除、追放、弾圧されて来た。つまり、「最高裁事務総局」も「原子力ムラ」の一員だったということだ。
(2012年11月4日)

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山崎行太郎は、最高裁事務総局という司法組織の頂点に君臨する権力機構について、次のようにまとめている。

1.最高裁の中に、強力な権力を持った秘密組織「最高裁事務総局」が存在する。
2.「最高裁事務総局」が裁判官・裁判所事務官等の人事、予算などを握り、「司法行政」を支配している。
3.「最高裁事務総局」が上記の権限を利用し、裁判官を支配し、個別の判決にも影響を与えている。 「鈴木宗男裁判」「陸山会裁判」「原発訴訟」などしかりだ。
4.「最高裁事務総局」は巨額の裏金作りを元裁判官から訴えられ、裁判が行われている。
5.「最高裁事務総局」が、昔から「官製談合」を行っている。
6.「最高裁事務総局」が、昭和23年検察審査会制度発足以来、「検察審査会事務局」の人事、予算、計画、会計などの全ての権限を持ち、支配してきた。
7.「2度の起訴議決により強制的に起訴がなされる」よう法改正がなされ、最高裁は「市民に起訴権を持たせた」と言っているが、実質的に「最高裁事務総局」が起訴権を持った。
8.小沢検審では、検察審査員を選ばず、審査会議を開かず、起訴議決書を創作したことが確定的だ。

(2012年11月6日)

『るいネット』にも「元裁判官が語る最高裁事務総局に支配されている日本の裁判官の実態!②」という証言もある。
裁判官は職権行使の独立を保障するために、行政府の圧力から独立して裁判を行えるよう強力な身分保障がされているが、この「裁判官の独立」というのは建前に過ぎない。実際は、最高裁事務総局という司法行政の権力機構に支配されているのである。
従って、この最高裁事務総局を押えれば司法組織全体を支配することができる。
すなわち、最高裁事務総局こそ(検察と並ぶ)金貸しの法制支配の中核機構ではないか。
金貸しは国家・社会を支配する仕組みが法制支配と観念支配であり、金貸しは支配機構の頂点を押えることによって末端まで支配してきた。
実際、ルネサンス以来、金貸しは数万人に1人の才能を発掘しては芸術家や学者や政治家として育て、また他方では諜報機関や大学や広宣機関(マスコミ)を作ってきた。今日では、諜報機関や司法機関をはじめとする官僚機構や議会、あるいは中央銀行や大学やマスコミの中枢は、そのような金貸しの手先たち=私権エリートによって占拠されている。そして、彼らは一貫して、金貸しに都合の良い観念群を作り出し、学校とマスコミを通じて発信し続けている。
とりわけ法制支配の中核が司法であるが、金貸しは司法組織の頂点である最高裁事務総局(=司法界のトップエリート)を押えているはずである。そこで裁判官の人事をはじめとする司法行政を牛耳ることによって、司法界を末端まで支配しているのであろう。

それにしても、検察・裁判所・弁護士がグルになったにもかかわらず、今回の小沢裁判控訴審で無罪判決が出たのは何故か?
その背景については次回、扱います。

List    投稿者 staff | 2012-11-19 | Posted in 04.日本の政治構造No Comments » 

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