2014年06月24日

ビットコインとは何か?(3):中央銀行制度に変わるこれからの通貨と運営主体は?

先回、「仮想通貨であるビットコインは金貸し勢力による一つの社会実験である」という、藤井氏の説を紹介しました。

 しかし、残念ながら中央銀行制度を超える可能性を持つと言われながら、市場を支える貨幣という役割を脱する様相は見えません。

また現在、ビットコイン以外にも電子マネーや地域通貨など、様々な通貨が登場していますが、これからの通貨とは?を考えないと今後の方向性がどうも見えて来ません。

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■どうにでも変化する貨幣の形

 現在の市場において、物やサービスの交換には、貨幣はなくてはならないもので有ることは疑いの余地はないでしょう。

 衣食住を始め、様々なサービスなどの生産活動を他者に依存する現代社会では、実体経済下における媒体としての貨幣の必要は依然として残り続けます。

 歴史的に見れば、市場が登場して以来、貨幣としての機能は信用の元に「金」→「これに裏付けられた紙幣」(金本位)→「なんの裏付けもない紙幣」(単なる紙切れ)→電子マネー(単なるコンピューター上の数字)と変化して来ました。

 これは単なる紙切れである現在の紙幣でさえ、市場の住人が貨幣として信用し、共認していれば、どこでも売買に使用できるという事であり、実際、貨幣はこれまで様々に姿を変えてきました。

 ビットコインも、グローバル経済下で食い物にされ、国家としての信用を失ったキプロスなどの地域で使用されることが多く、旧貨幣が信用を失ったので、電子マネーであるビットコインに信用が移ったのです。

 つまり、金融経済は崩壊しても、実態経済下における媒体としての貨幣の必要は依然として残るが、貨幣の形は人々の信用次第でどうにもなるのということです。

 

■中央銀行制度に変わるこれからの通貨と運営主体

 現在の国家財政破綻や、市場崩壊の危機の発端は、金貸しの作った中央銀行制度にある事は間違いありません。

 一方、現在は金貸しがプロパガンダするグローバル化幻想はその支持者を失い、むしろロシアなどの新興国を初め、ドイツなどの先進国でさえ右翼政党が支持を集めつつあり、国家民族主義的な動きが加速しています。

 この本源的な世界潮流は、崩壊しつつある金融グローバル市場からの脱却に他ならず、必然的にドルやユーロなどの国家を超えた基軸通貨などもその力を弱めることに他なりません。

 

この様な不安定な状況下で、通貨の形はどうなるのでしょう。

 1920年代の恐慌時は、国家に金がなく、スイスを初め地域通貨などのコミュニティー通貨が労働者の生活を助けました。(金主のお膝元のスイスではなぜか現在まで引き継がれています)

 その後、ロスチャイルドなどの金貸しの意向により、中央銀行発行券(法定通貨)以外は政府により禁止されてしまいましたが、近年世界で数千、日本では100を超えるコミュニティー通貨が生まれています。

 地域通貨

 

 


 

これらは、新たな集団意識の芽生えとも言えるもので、最も注目すべきはその運営が市民によって行われているというところにあります。そして、地域通貨は法定通貨に兌換出来ず、利子も付かない事などの特徴を持つが故に、地域経済下から資本が流出する事もなく、まだまだ規模は小さいものの地域経済の下支えとなっています。

 (こうしてみると、ビットコインの可能性は、国家や中央銀行など特定の管理者が存在せず、その取引も市民が採掘と呼ばれる方法で行われていること、になるのでしょう。)


結局、これからの通貨は、まず金貸しが作った中央銀行制度の制度の外で、その影響を受けないシステムを維持する事が重要で、自主運営地域通貨など規模が小さいうちは、中央銀行が発行する法定通貨とは兌換出来ないことがポイントでしょう。(ビットコインの失敗はここで、法定通貨に兌換できるので、投機対象となってしまいました。)

現在増えつつある、ボランティアや高齢者の活躍の場に地域通貨を使い、役に立つ活動の有料化を地域通貨で行うなど、これらの規模が徐々に大きくなれば、いつ破綻するか分からない不安定な中央銀行発行券より、市民の信認に基づく地域通貨が地域→地方→国家へと広げていく事は十分可能で、市民による自主運営の延長上に、全国レベルの通貨統合が必要になれば、中央銀行を介しない国家直接管理、国家紙幣の発行に行き着けば良いのです。

 

List    投稿者 mamoru | 2014-06-24 | Posted in 01.どうする?マスコミ支配No Comments » 

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