史上初めてメディアに公開されたビルダーバーグ会議開会スピーチを読む2
前回に続いて初公開されたビルダーバーグ会議の開会スピーチについて扱います。ここで注目すべきは、一方で欧州を直撃したアメリカ発金融恐慌が批判されるのと同時にオバマケアと呼ばれる福祉政策も批判されていることです。確かに世界 秩序の根幹たる基軸通貨を危うくさせているのは、ひとつには金融破綻をつくろう為の大規模な金融緩和=貨幣のバラマキ、ですが、同時に福祉政策によるバラ マキも世界秩序を危うくさせているもうひとつの大きな原因である。ビルダーバーグは、資本主義延命のためのこの2大政策がいずれも大きな壁にぶつかってい るという認識は共有しているといえます。
今回のビルダーバーグ会議の議題は世界統一政府です。
7年前、ヨーロッパ経済は崩壊寸前でした。それはヨーロッパ経済が弱かったからではありません。不安定な銀行システムを持つアメリカの問題がヨーロッパを直撃したのです。
2006年にピークを迎えたアメリカの住宅バブルが崩壊すると、アメリカの不動産関連有価証券が急落し、国債だけでなく、世界中の金融機関に影響を与えたのです。アメリカの住宅バブル崩壊により世界経済が崩壊したのでしょうか。それとも、アメリカ人の暴食癖のせい?それとも世界経済はアメリカ経済を当てにする必要があるのでしょうか。
アメリカで実施されたもう1つの重要な政策は、社会福祉の普遍的な原理に基づく政策です。しかし社会福祉とは、役立たずの怠け者が、失業給付金を受け取りながら、ソファーに座ってピザを食べ、ビールによだれをたらしながらテレビを見ることを言っているのではありません。人類或いは政府が存在する目的を平均的な人々に訊いてみてください。人類の未来の世代に社会福祉を提供するためと答えてもらいたいですか。私はそうは思いません。
人々は国民や帝国という存在が欲しいのです。彼らが欲しいのはグローバリゼーションだということを教えてあげてください。帝国を持つためには、お金が必要です。しかしお金は富をもたらすものではありません。経済はお金を基に成り立っているのではなく、生産とイノベーションで成り立っているのです。お金で世界経済をうまく循環させることはできません。お金には価値がありません。家族が自家製の野菜をや果物を収穫しているときに、大きな価値と本当のお金を得ることができるのです。
しかし問題はそれに対する突破口が「世界政府」であり「グローバリゼーション」であり、それを「人々が求めているものとして教育しないといけない」と考えているところでしょう。この(上から目線の)啓蒙主義こそがイルミナティのイルミナティたる所以であり、私たち日本人には理解にくるしむところですが、白人のエリート主義というものの本質がここにあるとみるべきでしょう。
人間のマインドコントロールについて、人間のマインドは地球に影響を与えています。つまり人類の魂は永遠に存在するということです。我々は宇宙の原理を享受することができます。宇宙の原理は、自然と人類との関係についてイノベートさせてくれますし、その関係に信頼を置き協調させることができます。人類は生活水準を高めたいという欲求を満たすために、意図的に自分達の生活を破壊しているのです。人類は負債に追い詰められ自分達の墓を掘っているのです。
人類がこれまでの姿勢を変えない限り、世界の人口の35%が消滅するでしょう。彼らは理由もなく彼らの創作力を破壊しているのです。世界中の人々は不況を非難しています。2008年の不況時でも、世界中の資本主義者は消滅しませんでした。
当時の不況は、世界中の人々が日々の生活の中で、貪欲になっていたり、怠けていないかを気づかせる良いチャンスでした。彼らは貧困の光景に直面せざるを得ませんでした。彼らは銀行、政府、そして我々全員を非難しました。
彼らが欲しいものを与えましょう。
彼らに、世界経済、社会福祉、戦争ゲーム、未来のイノベーションにおける支配権を与えましょう。
続いて、「マインドコントロール」についてバン・ドゥインは語っている。「ローマクラブの成長の限界論」「CO2温暖化説」の延長線で、「このままでは人類の35%は滅亡する」と破局論を展開しますが、これまでのイルミナティのイメージである「人類家畜化計画」のような発言はひかえ「彼らに、世界経済、社会福祉、戦争ゲーム、未来のイノベーションにおける支配権を与えましょう」と語りかけている。
欧州支配階級のエリート主義的世界観がここではほころびをみせ、なるようになれ、とでもいうような開き直った意識も見られます。もっというならば、「エリート意識」と「反金貸し運動の広がりに対する恐れ」の中で精神分裂病に陥っているかのような支離滅裂さを感じます。ビルダーバーガーは今や分裂病に陥っているのではないか?という懸念は、続きを読むとますますそう思えてきます。
ギリシャ人は、返済不可能な負債によりヨーロッパのシステムを破壊しています。フランス人は、フランスの愛国心を守るために国民戦線党に票を投じました。イタリア人はイタリア人です。あまり感情的にならないようにお願いします。我々はスペイン人ではありませんから。私は、東欧、ロシア、或いはアジアの方向にも進みたいとは思っていません。
そしてブリュッセルと欧州共同体については、彼ら全員に火を放ちましょう。彼らは、おしゃれな会議室に座っているだけの恐ろしいほどの役立たずです。
ヘルマン・バン・ロンパイ(欧州理事会議長)は追放だ(ごめん、オンパイ)。彼は役立たずだ。
ブリュッセルはイルミナティに支配された悪の世界都市です。
ワシントンは、濡れぞうきんどもの集まりです。アメリカでは、レーニンに従った社会主義思想のバカな民主党と、銃の所持とゴスペルを信じる間抜けな共和党が争っています。偏見に満ちた田舎者の守旧派が集まる共和党議員に次の質問をしてください。 社会主義とファシズムの違いは何かを。また、民主党議員には銃とゴスペルに関して質問をしてください。政府は国民が必要としているものを知っているのですか。彼らは、中流階級の人々が貧困であることを知っているのですか。
国民に教育が足りないことを知っているのですか。健康保険システムの醜態の裏に隠れている真実を知っているのですか。 我々はアメリカ国民のためにアメリカの問題を解決しなければなりません。アメリカが強くなれば、我々は世界経済を人道目的で正しい方向に持って行くことができるでしょう。
我々はアジア市場をより深く理解することができるでしょう。銃、ゴスペル、社会主義は彼らの役には立ちません。
アメリカ人一人ひとりが自分でやらなければなりません。
「ギリシャ人は、返済不可能な負債によりヨーロッパのシステムを破壊しています。フランス人は、フランスの愛国心を守るために国民戦線党に票を投じました。イタリア人はイタリア人です。あまり感情的にならないようにお願いします。我々はスペイン人ではありませんから。私は、東欧、ロシア、或いはアジアの方向にも進みたいとは思っていません。」とほとんど大衆へ許しを請うているような弱腰をみせたかと思えば「ブリュッセルはイルミナティに支配された悪の世界都市」「ワシントンは、濡れぞうきんどもの集まり」と自己否定すら口にしています。
そして「もはや世界は壊れゆくだけではないのかという」不安や自信のなさにさいなまれながら「友愛」という彼らの中心的な「価値観念」によってかろうじて意識を統合しようとします。
世界人類は人類の利益のために世界を完璧に統治することができるでしょう。私は道徳について語っているのです。科学的な問題や経済的な問題について語っているのではありません。人々は10年後の未来について語っているのでしょうか。50年後はどのような未来があるのでしょうか。彼らは夢を見る権利がありますか。世界で悪者と呼ばれる者は誰ですか。私は、全ての人類が救われるべきだと自分に言い聞かせました。
しかしそんなことが現実に可能なのでしょうか。人間の中にある残忍さとは、勇敢で良識ある人物が国の概念を達成するのを待つことです。 私は世界の国々が友愛で結ばれるのを信じています。しかし今のところ、各国政府は、企業の利益に影響を受けながら、個人的な政治アジェンダを実行しながら国を統治しているだけです。
世界人類の安全を守るために各国政府の全ての活動を統制するのがイルミナティの役割なのです。従って、我々は各国の法律を作り、各国の政策を決定しています。ビルダーバーグは経済的要因を正しい方向に持って行き、世界人類にお互いの信頼感を築かせる必要があります。私は我々が決定した事項を秘密にはしたくありません。なぜ、我々はいつまでも閉ざされた中で、世界のシステムを支配し続けなければならないのでしょうか。なぜ、我々は世界人類に鏡を突き付け、覚醒せよ、と言えないのでしょうか。
ビルダーバーグ会議はイルミナティのツールです。イルミナティのために運営されています。ビルダーバーグは最も強固で最もパワフルな組織であり、完璧な概念で、世界秩序を保もち良好な経済を維持していくことができます。我々は重要な時代における人類の創始者なのです。私は今回のビルダーバーグ会議が、未来の世代のためにも、初めて世界人類に開放的になることを望んでいます。I来年にはポジティブな結果を出すことで、我々が邪悪な存在でないことを世界に示すことができるでしょう。なぜなら、人類は我々なしでは自分達を救うことができないからです。ポジティブな多様性のみが、人類の未来を補償し、進化を遂げることを証明するのです。
もはや人類家畜化計画ではなく「イルミナティ」という言葉の持つ本質ともいえる「啓蒙主義」を前面に押し出しています。「人類は我々なしでは自分達を救うことができない」ということばには白人的エリート主義がみてとれますが、同時に「ポジティブな多様性」ということばの背後には「頼むからギロチンだけは許してくれ、共存共栄でいこうじゃないか」という彼らの本音がかいまみれます。
以上、全体を通しての感想をまとめると
①ビルダ-バーガーはブッシュ、オバマがつくりだした、アメリカの衰退とドル危機、そしてその飛び火によるEU危機と、それに伴う欧米における反イルミナティ運動を前に、ブッシュ、オバマ、EU首脳を切り捨てることで、責任逃れをしようとしている。
②白人的エリート主義にもとづく支配観念をよりどころとしてきたビルダーバーガーももはや自信喪失に陥っており、いわば今回の開会スピーチの公開はイルミナティの白旗宣言であり、強まる欧米社会における反金貸し、反イルミナティに対する命乞いである。
③彼らは友愛観念にすがってアジアや民族主義者たちとの共存共栄を願い出ているが、彼らの中心観念たる世界統一政府構想やグローバリズム思想は捨てようとしていない。
④今回の声明を受け取った欧米のイルミナティ研究家たちはキリスト教原理主義の負け組みであり、中には抱き込まれる連中も出てくるだろう。しかし、世界的な本源潮流は彼らを許容するだろうか。共存共栄(世界の無極化)と、啓蒙主義・グローバリズム・世界統一政府(世界の一極化)はそのままでは両立するとは思えない。欧米がグローバリズムにこだわり自信喪失に陥る一方で、世界的な本源潮流を背景に台頭する欧米の民族主義運動や愛国主義の軍人たち、そしてプーチンら新勢力が彼らの命運を握っているだろう。
私たちも欧米の没落が確定した以上、可能性探索の方に軸足を移していく必要がある。今後とも、みなさんといっしょに、金貸し支配、官僚支配、メディア支配のその先を追求していきたいと思います。
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