戦争の起源と歴史
北朝鮮のミサイル発射、アメリカの空母機動部隊が東シナ海に展開、といった報道をうけ、「いよいよ開戦か!?」と世間では緊張感が漂っています。
確かに目の前で進行する事象は看過できませんが、マスコミ報道や世界情勢を冷静に検証し事実を掴む為にも、
まず「戦争とは何なのか」「人類はなぜ戦争をするのか」といった根幹部分を抑える必要があります。
そこで、先日4月29日の実現塾で追求した内容を、今回は紹介したいと思います。
題して、
『戦争の起源と歴史』 です。
●概要
テーマ:戦争の起源と歴史
★9.11以降テロとの戦いが世界で蔓延したのは何で?
|⇒★テロとの戦争とそれ以前の戦争の違い~WWⅠ以降の戦争の変遷から掴む
↓→●世界の平和共認△で戦争は実現困難になっていく
★そもそもどうして戦争は起きたのか~戦争の構造を解明
|→★戦争は人類の本性?~同類闘争はサル・人類の大きな活力源
|→★人はどうして殺し合うようになったのか~飢えの圧力×集団自我
↓→●十字軍遠征は覇権争いから金儲けの戦争への大転換
- ’70豊かさの実現以来戦争の基盤は崩れた。戦争の消滅は近い。
***
★9.11以降テロとの戦いが世界で蔓延したのは何で?
まずは9.11以前の戦争をどう定義するか、グループ追求では国家間闘争との比較が目立っていたが、根底にあるのは【民族闘争】。
底流に民族闘争があって、表向きは国家間闘争というのが一般的な戦争のかたち。
◆WWⅠくらいから戦争の歴史を振り返ったときに注目すべきは
・【国家連合】を組んでいるということ。
ドイツだけが飛び抜けて強い。それに対して周辺国が連合を組んで実際に倒してしまった。
・当時世界の最先端をいっていたヨーロッパのほとんど全土が廃墟と化した。
遠く離れたアメリカは当然無傷。バンバン武器を輸出して儲け、火事場泥棒のような形で国力を上げることができた。
◆WWⅡ~日独伊VSその他 と言うかたちで最初から連合国同士の闘い。
・もはや一国では勝てない。特に世界の覇権を争うような闘いは、世界中を巻き込んだ連合力によってしか勝てない。人類の戦争はそういう段階にまで来ている。
・WWⅠと同じような構造で、戦場はまたもやヨーロッパ・アジア→アメリカは無傷。
- WWⅠ・Ⅱを通じて世界の覇権がイギリスからアメリカにうつった。
この経験を通じて、アメリカは軍産複合体=軍需産業の力が政治においても何においても極めて大きい。
→産業構造的に見ても軍需産業抜きにしては経済が成立しないという構造になっている。
◆大戦後の戦争は東西冷戦
→西側と東側の代理戦争として「朝鮮戦争」が引き起こされる。
これまでは【大戦】というくらい本格的な世界中を巻き込んでの覇権争い。
朝鮮戦争は覇権争いではあるが非常に小さいエリアの【代理戦争】しかできなくなっている。
◆ベトナム戦争~絶対的超大国アメリカが弱小国を一方的に侵略するという【侵略戦争】
世界中がびっくりしたのは【アメリカが負けた】
→その後世界中でも嘘をでっちあげて、世界中を騙して侵略するということは行われてきた。
しかし表向き勝ったような雰囲気は出ていても、何も得られず実質敗北し続けている。(ex.南米、イラク、シリアなど)
★アメリカはどうしてベトナムに負けたのか?
・米兵のやる気がなかったのでは?
・それに対してベトナムは命がけで国民を上げて徹底抗戦→ゲリラ戦
・枯葉剤とか侵略のためにひどいことをする→世界からの批判→勝ちムードが悪者ムードになった
ゲリラ戦に手を焼いて潰せなかったのは確か。
★その局面で簡単に突破する方法である【原爆】をアメリカは落とせなかったのはなぜか?
→マスコミの力△で戦争の実状を大衆が知れるようになった。→国民の反戦共認で支持を得られない。
そもそも二次大戦で日本が降伏しているのに原爆を2発も落としたことに対する言い訳に苦労しているが、もしあそこで原爆を使えば、世界中から叩かれる。
●世界中の反戦共認で原爆を使えないというところまで’70時点で来ている。
一方、最初から負けるつもりではなかったにせよ、
たとえアメリカっが負けても軍産複合体はボロ儲けできるということに気づいた。
ベトナム戦争以降は一貫して一方的な【侵略戦争】
ベトナム戦争のときには東西冷戦・民主主義を守るという一種の「大義名分」があったが、イラク戦争の段階になってくると、大義名分がないので嘘の理由をでっち上げて戦争を作り出す。
その皮切りになったのがイラク戦争。その中間にあったのが【9.11】
なんで【テロとの闘い】といい出したかという理由は
①世界の反戦・平和共認がどんどん強くなってきている
→敗戦国の日独伊は当然反戦共認強い
→ついでフランス、カナダ、アジア
その後も豊かになっていくについれてどんどん広がっていく
②戦争における人的被害によってアメリカにおける反戦共認△
→徴兵制が維持できず志願兵制に切り替わっている
じりじりと世界中の反戦共認の水位△→覇権争いとか弱い者いじめの侵略戦争すらも嘘の理由でもでっち上げない限りできなくなっていく
=戦争がほぼ不可能になっている
→武器弾薬が消費されず、軍産複合体が成立しない⇒新しいスタイルの戦争を作る→ 【テロとの闘い】
世界中の世論を一気に従来の民族闘争からテロとの戦いに一気に転換するためにアメリカ自身が自作自演で仕組んだのが【9.11】
ISも自分で作ったテロリスト集団に世界中で紛争を起こさせて、それを成敗するといって兵を派遣するという完全な【マッチポンプ】
これを約20年間やってきたのが軍産勢力=ネオコン=ブッシュ・クリントン
WWⅠ・Ⅱからの戦争の歴史を見てみると、いよいよ世界中で戦争が不可能になる日はどうやら近い。
その平和共認△を受けてか、小学生から「何で戦争するの?」という素朴な疑問が続出してきた。
この小学生の感覚は同じ反戦という言葉を使ったとしても、議長の世代の感覚とは全然違うものだと思われる。
ではそもそも人類はどうして戦争を始めたのか?
次回は戦争の構造の歴史的解明に入ってゆきます。
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