朝日が扇動する、露骨な反中プロパガンダの狙いは?
ブログ『世に倦む日日』が、テレビ朝日による露骨な反中プロパガンダが行われていると警告している。
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「中国非難へ急旋回した国内世論 – マスコミも国際圧力に歩調」
昨日(4/11)一日で日本の世論が大きく変わり、流れが中国非難の方向へ一気にシフトした。国論になったと言ってもいい。マスコミの論調が一斉に変わった。人権問題で中国を非難し、中国にダライ・ラマ14世と対話せよと要求する主張を鮮明に示すようになった。これまでは「政治のスポーツへの介入」に眉を顰める慎重な配慮を見せていたが、昨日の報道でそれは完全に消え、チベット=正義、中国=悪の図式が完全に固まった。聖火リレーの妨害行為を批判する態度も消えてなくなり、動機や心情の政治的正当性から妨害行為そのものまで容認される気配となった。
「五輪が政治に不当に利用されている」という認識や感覚が報道から消え、「国内でチベット人の人権を蹂躙している中国は五輪開催の資格はなく、北京五輪はボイコットされても当然」という論調に世論が固められた。現在の状況を正しく言えば、政治はすでにチベット問題ではなくオリンピック問題になっている。人権を切り口にしてEUと西側のプレスが中国のレジームチェンジを要求し、北京五輪をめぐって攻勢をかける政治状況が現出している。EUが中国に対して自由主義世界とコンパチビリティのあるオープンな社会体制に「改革」するように迫っている。チベット問題は一つの政治的口実で、中国のレジームチェンジこそが主眼であるようにすら見える。
「古館伊知郎の右翼発言 – 北京五輪潰し扇動する反中プロパガンダ」
昨夜(4/24)の「報道ステーション」で、古館伊知郎が「中国はチベットから手を引いて初めてオリンピックを開催する資格がある」と言い、北京五輪を成功させたければチベットを独立させろと中国に要求した。国内のチベット関連報道では最も反中国的な論調が際立っていた古館伊知郎だが、ここまで極端に過激な右翼的主張を発したのは初めてである。生放送のスタジオで安倍晋三との蜜月の関係を憚らず見せ、3年前の総選挙の際は郵政民営化と小泉改革に反対する論者の発言を乱暴に封殺してきた古館伊知郎の本性顕現の瞬間だった。
朝日新聞の子会社であるテレビ朝日が、看板報道番組のメインキャスターに安倍晋三の子分格の古館伊知郎を抜擢したのは、実に意外で異常な出来事だったが、その不愉快と不道理を納得できる解は「電通」の一語でしかない。
「張景子への青山繁晴の罵倒と恫喝 - 朝日新聞の産経新聞化」
朝日新聞は「北京五輪百日前」と題した特集を聖火リレー翌日の4/27から4/29まで3日間組み、1面と3面の二面を使って連日大きく報道した。その報道が、紙面の使い方と言い、記事の内容と言い、実に産経新聞そっくりで、これが朝日新聞かと目を疑うものだった。
朝日新聞が小泉改革以来、徐々に新自由主義路線の方向へ舵を切り、日経新聞との対立軸を喪失していた状況は気づいていたが、まさかこのような、産経新聞と瓜二つの反中記事が紙面構成される日が来るとは思わなかった。記事は中国に対する露骨な敵意と警戒心が基調になっている。
私は前の記事で、古館伊知郎の過激な反中プロパガンダについて、それを裏で指図しているのは電通だろうと睨んでいたが、どうやら親会社の朝日新聞が直々に指令して中国バッシングを煽っている疑いが強い。
今回のチベット問題では、産経新聞も真っ青のハッスルぶりで、中国攻撃の最先鋒に立って日本の反中世論を喚起している。前に触れたが、論説主幹の若宮啓文が筑紫哲也との対談で語っていた言葉を思い出す。積極的に右に陣地を広げて右の読者を獲得する機会があればそうしたい。今がその機会なのだろう。新聞社としての事業の生き残りを賭けた右寄り作戦なのだ。
4/28のテレビ朝日の「TVタックル」では、青山繁晴と金美齢と大谷昭宏と長島昭久の四人が、張景子と王曙光の二人の中国人に罵声を浴びせて詰り倒す見苦しい映像が放送されていた。番組での張景子の議論は整理された理性的なもので、中国の少数民族政策や人権問題について中国の立場で分かりやすく事実と状況を説明し説得していたが、右翼側の連中はそれを最後まで聞こうとせず、説明が半分も終わらないうちに次々と汚い罵声を投げつけて発言を暴力的に遮っていた。
「田原総一朗の中国バッシング - 朱建栄に対する狡猾な言論妨害」
4/27の「サンデープロジェクト」では、米戦略国際問題研究所の渡部恒雄と田原総一朗と3人の討論だったが、例によってと言うべきか、本来は司会で中立であるべき田原総一朗が、なりふり構わず獰猛に朱建栄に襲いかかり、朱建栄が論理的な説明で反論するのを声を荒げて途中で遮り、自分だけが討論の進行を独占して反中プロパガンダを吠えていた。渡部恒雄は田原総一朗の横に寄り添い、田原総一朗に庇護してもらう格好で、喋るときもまともに朱建栄の方を見ず、専ら保護者の田原総一朗に向かって何かブツブツと垂れていた。米戦略国際問題研究所とは一体何なのだ。親の七光りと田原総一朗のコネ以上に、米資と電通の差し向けなのだろう。
田原総一朗の手法は狡猾で、「チベットは独立していた」という田原総一朗の発言に対して朱建栄が歴史的根拠を提示して反論すると、「もう昔の話はいいから大事なのは今の話で」と喚いて朱建栄の反論を強引に中断させ、(中略)朱建栄にはまともな説明をさせないのだ。させる気がないのだ。朱建栄を叩くという田原総一朗のシナリオがあるだけなのだ。討論を偽装した中国バッシングであり、視聴者を反中へ誘導するのが番組の目的なのだ。
「反中プロパガンダ゙に狂奔するテレビ朝日とユネスコ憲章の警告」
現在のテレビ朝日の中国報道は、イラク戦争開戦当時のCNNと同じほど極端に偏向した内容になっている。連日の胡錦濤主席訪日関係の報道は、まるで北朝鮮から来た外交使節を監視しているようであり、あからさまに敵視して、胡錦濤主席の一挙手一投足を悪辣に貶めて歪める報道姿勢に徹している。
昨夜(5/8)の「報道ステーション」では、中国のこの間のチベット問題と北京五輪問題への対応を評して、「第一の敗北」と「第二の敗北」という表現を使い、国際政治の情報戦における中国の「敗北」を強調して伝えていた。フジテレビや産経新聞と同じかそれを上回る過激で露骨な反中報道に驚愕する。
私は、この「敗北」報道は著しく偏向した反中プロパガンダであり、中国国民の反日感情をさらに高め、日本の平和にとって危険な影響を齎すものであると思う。
プロパガンダが政治の常識になる。郵政民営化の小泉劇場も同じだった。古館伊知郎によるプロパガンダのシャワーで洗脳された人間にとっては、郵政民営化は正義の政策であり、小泉改革は無謬の国民的選択であり、一票入れる先は自民党以外になかった。郵政民営化に反対する抵抗勢力は悪であり国民の敵だった。国民の敵だから、生放送のスタジオで反論を無理やり妨害して遮断してもよかった。今まさに、あのときの「抵抗勢力」と同じく中国が「国民の敵」に仕立て上げられている。古館伊知郎を筆頭とする日本のマスコミの反中プロパガンダは、中国を敵性国として決めつけ、中国への反感と憎悪を煽るもので、一般視聴者の内面に中国に対する不信と嫌悪を醸成させるものである。
郵政民営化の時と同じような反中プロパガンダがマスコミによって行われている。それを先導しているのは産経ではなく、親中と言われてきた朝日である。マスコミだけではなくネット界でも反中キャンペーーンが張られ、「胡錦濤主席を門前払いせよ」という扇動がなされた。
「胡錦濤訪日を妨害する右翼 - 東シナ海ガス田問題と靖国問題」
長野で敗北した日本右翼の胡錦濤主席訪日妨害活動の勢いは凄まじい。2ちゃんねる掲示板では、ありとあらゆるスレッドに唐招提寺と法隆寺の電話番号がコピペされ、電話で抗議するようにネット右翼が扇動している。電話抗議の問答マニュアルまで用意され、唐招提寺と法隆寺に胡錦濤主席の訪問行事を辞退させるように圧力をかけている。長野の善光寺に圧力をかけて転向させた「成功」で味をしめた右翼が、寺は組みやすしと唐招提寺と法隆寺に狙いを絞って攻撃をかけているのである。
郵政民営化の時と全く同じ、反中ファシズムとも呼ぶべき様相を呈している。
何かおかしい。
そもそも、このような反中プロパガンダがテレビ朝日を先頭に行われるのはなぜなのか? その狙いは何なのか?
(本郷猛)
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コメント7件
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