2017年05月16日

拡大する中国圏~東南アジア・南シナ海は既に勢力下に~

14、15日に北京で開催された【一帯一路サミット】は、29ヶ国の首脳が参加、閣僚級レベルを入れれば90ヶ国が参加となりました。

首脳が参加する国は29ヶ国となり、

<イタリア>(先進国としては唯一)、スペイン、スイス、ロシア、トルコ、ギリシャ、ハンガリー、ポーランド、チェコ、ベラルーシ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム、カンボジア、ミャンマー、ラオス、パキスタン、モンゴル、セルビア、スリランカ、キルギス、チリ、アルゼンチン、カザフスタン、ウズベキスタン、ケニア、エチオピア、フィジー、

これに、国連事務総長、世銀総裁、IMF専務理事が出席という、今まで見たこともない国際会議と言えます。

また、中国は首脳が参加する国には今後5年間で最大1500億ドル(約17兆円)を投資、更には全参加国からは今後2兆ドルもの輸入をするとしており、中国のプロック経済圏構想の全貌が明らかになって来ています。

一方で、中国が東南アジアを傘下にいれつつあることは、あまり知られていません。

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◆東南アジアと南シナ海は中国の勢力下に入った

すでにカンボジア、ベトナム、ラオス、マレーシア、、フィリピンは事実上、中国の傘下に入っており、そこにタイが最近になって中国と軍事同盟を結んでおり、これでタイも中国の傘下に入ったことになります。つまり、ASEANが事実上、中国傘下になったことになります。

さらに南沙諸島では中国の対艦ミサイルの設置が着々と進んでおり、南シナ海は中国の軍事的勢力下に置かれたことになります。対中国の抑止力として南沙諸島附近のシーレーンを防衛しようと動いていたアメリカ軍は、身動きが取れなくなっています。

一方、ロシアはシリア・トルコ・イラン等中東諸国との関係を強化、中国とロシアは夫々に勢力拡大を進めています。

 

◆米中首脳会談をものともしない中国

先の米中首脳会談では、AIIB加盟が議論されたはずですが、公にはなっていません。中国がアメリカの加盟申請を断ったのではないかと囁かれているからです。アメリカ側からは南沙諸島問題、AIIB加盟申請、北朝鮮問題が、中国側からは、一つの中国政策、アジアは中国に任せる、THAADミサイル配備問題などが、提起されたはずです。

すでにASANを傘下に入れ、アジア・太平洋・中近東を中心に100カ国をまとめる勢いの中国にしてみれば、アメリカ側からの提起など受け入れる必要がないほど、覇権を確立していると言えます。一つの中国政策(台湾)に対しても、アメリカは何も言うことが出来なくなっているのが実態です。

 

◆沈黙を続けるインドはどう動く?

地理的に中国とインドに挟まれているネパールは、先のサミットで中国が提唱する「一帯一路」参加に関する覚書に署名し、代表団を派遣。これでインドを刺激するのは必至で、インドと中国が対峙することは避けられない事態になったと言えます。

東南アジア(ASEAN)は中国がほぼ支配をしましたが、南西アジアやアフリカはまだ両国とも覇権の確立には至っていません。今後は陣取り合戦になる可能性が高く、いずれこれら地域のパワーバランスが変って行くことが予想されます。

 

(by  ken)

List    投稿者 nihon | 2017-05-16 | Posted in 01.どうする?マスコミ支配, 09.国際政治情勢の分析No Comments » 

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