2023年02月21日

●集団の再生が地域の再生に繋がる〜シェア金沢を例に〜

長年日本では、大都市への産業や人口の過度な集中が進む一方、地方の衰退に歯止めがかからない状況です。
これらの原因については1950年代から1970年代までの「高度経済成長」により、地方から都市へ若者が流出した亊や、「少子高齢化」による人口減が大きいと考えられています。この話は、多くの人がご存知ではないかと思います。

そんな中、今後の地域再生に繋がる面白い事例を見つけたので紹介したいと思います。

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■シェア金沢
http://share-kanazawa.com/index.html

「私が作る街」
もともと国立病院機構若松病院があった跡地を利用し、自治会や町民と一緒に構想し、子供、学生、大人、老人、障害のある人達など色んな人達が集まって暮らせる街作りを目指して作られました。

これまでの福祉の政策では、老人や障害のある人達を老人ホームや介護施設など、現実社会と隔離された空間でおこなわれました。これでは、人類の「生きる力(活力)」に繋がっていなかったのではないでしょうか。

そんな中シェア金沢という街は、「ごちゃ混ぜの街」という表現で老人や障害のある人も含め色々な人達が集まり自分達の生きる場所を自分達で作っています。

どの様な場所なのかを調べて見ると「活力ある集団づくり」そのものになっている事に気がつきました。

「活力ある集団づくり」とは


1. 世界観の共有
集団には必ず世界観が不可欠です。
例えば、文武両道を掲げる学校や、社会貢献を理念とする企業など、集団には統合軸となる考え方があります。

シェア金沢で言えば、前述でも述べましたが、「色々な人達が集まり自分達の生きる場所を自分達で作っている」と言う事です。

2. 課題と役割
当然ですが、課題と役割がないところには活力など生まれるはずがありません。

シェア金沢では、絵の勉強をしたい学生にはアトリエ付きの寮を提供しています。福祉を学びたい学生には、家賃を安くする代わりに30時間のボランティアを行っています。介護施設だけでなく天然温泉や道路掃除などのボランティア活動も行っています。老人の方も、自分の得意分野で活躍しています。更には子供達の自然学校のお手伝いや、菜園や庭の手入れ、公園のお掃除など「健康」であり続けるためのボランティア活動を行っています。障害のある方も、場でをアルパカの散歩をさせるという仕事に従事しています。働き手である大人達は多くの施設の維持や、イベント・祭りなどのも催しも企画運営しています。

この様に、ここに暮らす人達の特性をいかした役割を担う事で活力を生み出しています。

3. 心と身体の安定
共有された世界観の元いくら課題や役割があったとしてもそればかりでは疲れてしまします。そこで集団に必要なのが、みんなの心身を安定させるための活動や場です。

人々の「心と身体の安定」に向けた取り組みとして、天然温泉・全天候型グラウンドやアルパカ牧場などを作り、地域住民だけでなく、地域外からの人も集めて誰でも安心して暮らせる街を目指しています。

■地域再生のカギは、、、
住んでいる人達全員が仕事(役割)がある事がみんなの生きる力に繋がっているではないでしょうか。「何か面白いことをしたい」「みんなの役に立ちたい」と考えている人達が惹かれ集まってくるのは、みんなが人の役に立ちたいとういう想いが、同じ想いの人達を惹きつけるのではないだろうか。

これが「活力ある集団づくり」そのものなのではないでしょうか。この様に、人が集まりみんなが役割を持って暮らす場所こそが「地域の再生」に繋がっているのではないでしょうか。

List    投稿者 nakamura-a | 2023-02-21 | Posted in 01.どうする?マスコミ支配No Comments » 

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