2010年01月23日

法制度をどう改造するか? ~司法官僚による裁判官支配~

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本シリーズの記事「裁判官はなぜ誤るのか」で、裁判官とは、現実の圧力から隔離された存在であり、それゆえに現実とズレた判断に至る問題が指摘された。
 
現実の圧力から隔離される一方で、「ヒラメ裁判官」という言葉があるように、“上”の意向を気にする裁判官が少なくない。
では、その裁判官たちが気にする“上”とは何なのか?

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それは、我々がメディア等でよく見聞きする「裁判部門」とは別の、裁判官の人事権や裁判所の予算決定などの「司法行政部門」を握る「最高裁判所事務総局」と、その幹部である「司法官僚」たちである。
 
本記事では、「司法官僚 裁判所の権力者たち(新藤宗幸著)」を参考に、事務総局の設立・機能から司法官僚と言う存在、それらによる司法支配の問題について考えていく。
 
※以降の「■」印の項は上述の資料をベースに記述
 
■最高裁判所事務総局の設立
 
戦後の1947年、最高裁判所が発足した当時に司法行政を担ったのは、事務総長-事務次長以下の7課(秘書課・人事課・会計課・渉外課・民事課・刑事課・法務課)で構成される事務局であった。
 
しかし、司法府とGHQ、内閣、国会との政治的緊張関係が高まり、それらの権力に対抗する為に、1948年12月に、事務局を廃止して、司法行政を拡充した事務総局を設立した。
 
 ※政治的緊張関係の事例
ex.1)平野農林相の公職追放無効判決
1948年1月、片山哲内閣において社会党内対立によって平野農林相が罷免・公職追放されたが、東京地裁が公職追放無効の判決を下したため、GHQや内閣は判決に異議を提起。
 
ex.2)「裁判官の刑事事件不当処理等に関する調査」
1948年5月、参議院司法委員会が国政調査権にもとづいて「裁判官の刑事事件不当処理等に関する調査」を決議し、確定判決の出ていない5事件について調査を開始したため、最高裁は“司法介入”と強く反発。
 
 
■事務総局の機能=権力
 
事務総局の機能は大きくは以下の6つが挙げられる。
 (1)最高裁の規則・規約の作成
 (2)法律・政令の制定に関する法務省との交渉・調整
 (3)裁判官の指名、任命、報酬の決定や裁判官以外の事務官の任命給与決める人事機能
 (4)予算編成機能
 (5)裁判官会同・協議会の実施(制度運用や法令解釈を裁判官に徹底する会議)
 (6)調査研究、資料の収集
 
事務総局が、人事権を掌握し裁判官たちの処遇に関する決定権をもったことで、事務総局の意向が裁判官たちにとって、非常に大きな意味を持つようになっている。
 
また、裁判業務を受け持たずに、調査研究の専門チームを組むことができ、実務に負われる現場の裁判官よりも、“観念的説得力”に富んだ見解を提示することが可能となり、現場裁判官たちに“畏敬の念”を抱かせている。
 
事務総局の設立によって司法行政を掌握することで、司法府は外部からの圧力を排除できる力を持つとともに、司法府内部に対して事務総局が絶大な権限を持つようになったのである。
 
 
■司法行政の独占→司法官僚支配
事務総局がもつ各裁判官に対する絶大な権限を行使している司法官僚とはどのような存在なのだろうか?
 
彼らは、事務総局によって候補生として選別(基準は不透明)され、事務局付という肩書きを得る。
司法官僚の中でも、裁判の分野別に制定された事件局(民事局、刑事局、行政局、家庭局)よりも、機構内部の業務を担う官房系部局(総務局、人事局、経理局)に配属される者たちが中核への道を歩んでいる。
 
官房系部局の要職を経験していく者は、他の者と比べて、司法行政機構外への勤務は少ない。
 
☆事務総長は事件局での要職をほとんど経験せずに就任
☆事務総長経験者はほぼすべてが最高裁判事に就任
 
つまり、司法官僚として“純粋培養”されて、司法行政の中心に座することになる。
 
このように、現実の圧力から完全に隔離されて司法行政機構の内部で純粋培養され、自分たちが司法行政を独占できる状態にあるのが司法官僚である。
これでは、社会をよくしていくことは二の次になり、自分たちの権益をいかに保持・行使するかという歪んだ目的意識ばかりが増大していくのは必然である。
 
 
★司法をどう改造するか?
 
事務総局およびその構成員である司法官僚による司法の独占(≠司法の独立)が、現在の司法の大きな問題点であることは見えてきた。
では、この問題にどう対処していけばよいのだろうか。
 
事務総局を解体することは現実には必要だが、その解体が根本解決になるとは言えない。(∵おそらくいずれ似たような体制が構築される)
 
司法府は事務総局の設立によって司法行政を掌握することで、外部からの圧力を排除できる力を持った。
しかし、司法府内部に対して事務総局が絶大な権限を持ったことで、裁判官たちは内部圧力に強く反応し、結局はまっとうな判断を下すことができていない。
 
そもそも、「外部圧力を排除して独立を保持することでまっとうな判断ができる」という前提が、根本的に間違っているのではないだろうか。
 
裁判官は人間である。人間は集団動物・共認動物であり、同類他者との間で生まれる関係圧力を最大の活力源および羅針盤として生きてきた。
この生命源を遮断することは、自然の摂理に反する行為である。
 
であれば、圧力を除去するのではなく、みんなの評価による圧力を作り出し、その圧力の中に身を置くことで、初めてまともな判断が下せると考えられる。
 
「裁判官はなぜ誤るのか」で提起されていたように、司法の専門家である裁判官は、自身が下した判断に対する評価を庶民に求めることからスタートするべきだろう。
 
そして、あまりにも現実からズレていることが明らかになれば、その事実を受けて、裁判官を専任制ではなく、期間を定めた半専任制への移行を進めていくことが必要となる。
 
もし、半専任制では法体系の理解が困難というのであれば、(専任制を継続するのではなく)法体系の見直しが、今の司法にとって必要な重要課題であると認識すべきだろう。
 
最後まで読んでくれてありがとうございます。
応援よろしくお願いします。
 
 
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written by G線上のアリア

List    投稿者 lived104 | 2010-01-23 | Posted in 04.日本の政治構造11 Comments » 

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コメント11件

 あーさん | 2010.08.29 13:03

日本が国内の金6800トンを本気で回収したら、彼らの金本位制移行プランはかなり影響されるでしょうね。
大量のドル資産を保有する日本だけど、(回収出来れば)金保有量でも世界一。
これじゃ、ヨーロッパ貴族の構想は日本が積極的に参加しない限り実現は無理っぽい。
彼らの構想が実現してもやっぱり欧州優位の世界秩序はやってこないんじゃないかな?

 member | 2010.08.29 19:38

あーさん様、 いつもコメントありがとうございます。
>ヨーロッパ貴族の構想は日本が積極的に参加しない限り実現は無理っぽい。
確かに彼らの戦略は日本支配を前提にしなければ成立しないのでしょう。だからこそ小沢のバックに欧州勢がついているのだと思います。しかし、その戦略にはどこか穴があるような気がします。
>大量のドル資産を保有する日本だけど、(回収出来れば)金保有量でも世界一。
日本の国内に金が6800トンあるということですが、どこにそんなにあるんでしょうね? ご存知であればお教えいただければ幸いです。

 もえおじ | 2010.08.29 21:40

日本国内に金が6800トン(他にも、銀が6万トン、ニッケルが140万トン…)あるというのは、 都市鉱山の国内蓄積量の話です。 都市鉱山と呼ばれるのは、不用になった携帯電話や小型ゲーム機などの小型電子機器に、金や銀、ニッケル、及び、コバルト、タングステンなどの希少金属が含まれるからです。 これらの回収・再利用技術は確立されつつありますが、今後は、コスト面の問題を解決するための効率的に「発掘」する技術が期待されています。  http://www.yamaguchi.net/archives/005384.html

 小島明宏 | 2010.08.30 17:43

ブログ主宰者様
中学3年生、小島明宏です。
今回も大変勉強させて頂きまして、有難うございます。
このブログは書籍化するべきです。
さて金塊の件ですが、下記の船井幸雄さんのサイトでも掲載されていますが、今、世界中に偽の金塊が大量に流通してしまっているようです。
http://www.funaiyukio.com/funa_ima/index.asp?dno=201008008
ロスチャイルドが金取引から手を引いたのも、この偽金塊がやがて発覚するのを見越していたものとも、言われます。
この偽金塊の情報は、ベンジャミンフルフォードさんも、随分前からリークされていました。
これが真実ならば、金の暴落はこういった角度からも必至です。
主宰者様は、この辺りをどう捉えておいでですか?

 member | 2010.08.30 19:42

小島明宏様、いつもコメントありがとうございます。
最終的に王侯貴族が退蔵している金を担保にした新通貨制度に移行するという仮説が間違っていなければ、これまで退蔵されてきた金が市場に登場するわけですから、一見、金価格は下落するように考えがちです。
ところが、それ以外の通貨は軒並み金以上に暴落しますから、「最も信用できるのは金」という相対関係は変わらないと思います。例えば、ドルが暴落すれば、ドル換算では金価格は間違いなく上昇します。円や元換算でもさほど変わらないでしょう。
偽の金塊問題には私も注目しております。
焦点は、王侯貴族たちが退蔵している金とどういう関係があるのかということです。
この金(ゴールド)の信用を貶める動きをしているのは一体誰なのでしょうね? 反欧州勢が金の信用を貶めようとしているのか? それとも欧州勢が一旦金を下落させた上で金価格を上昇させ、それで利を得ようとしているのか?

 member | 2010.08.30 19:47

もえおじ様、情報提供ありがとうございます。
資源問題として、都市鉱山資源の活用は日本にとって必要不可欠な課題です。
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=196628
↑によると、割と単純な技術で高含有比率の粉砕物を取り出すことが可能だそうですね。

 あーさん | 2010.08.30 21:39

もえおじさん、補足ありがとう。
鉱産資源は地下資源ばかりでなく、地上資源も考える時代になりましたのでね。
金だけじゃなく、もえおじさんがしてきしたとおり、銀もニッケルも各種有力レアメタルも日本が世界最大級の埋蔵国なんだってさ。
ヨーロッパの支配層が金本位制への移行を企ても、彼らの思惑とは異なり日本経済が強化されちゃうので、必ずしも彼らに主導権が戻るとは限らないわけだ。
逆に、ヨーロッパ貴族のふんどしで秀吉時代の夢が復活しちゃうかも。
>国家破産法
こいつのテキストがほしいですね。

 member | 2010.08.30 23:25

>国家破産法 こいつのテキストがほしいですね。
これは私も欲しいです。
近いうちにネット上に出てくるのを期待しています。

 終極痩身 | 2010.09.02 17:29

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 hermes bags chocolate | 2014.02.02 15:32

hermes bags 30 000 日本を守るのに右も左もない | 欧州勢力の目論みは?(2)~大量の隠し金(ゴールド)を担保にした新通貨制度?

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