2009年12月22日

試験制度の勝者に社会を支配する資格はない

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民主党小沢幹事長と検察との間で、国家の支配権を巡り闘いが続いているようだ。
以下、【佐藤優の眼光紙背】「特捜検察と小沢一郎」からの引用。

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特捜検察と小沢一郎民主党幹事長の間で、面白いゲームが展開されている。テーマは、「誰が日本国家を支配するか」ということだ。
特捜検察は、国家公務員試験、司法試験などの資格試験に合格した官僚が国家を支配すべきと考えている。明治憲法下の「天皇の官吏」という発想の延長線上の権力観を検察官僚は(恐らく無自覚的に)もっている。
これに対して、小沢氏は、国民の選挙によって選ばれた政治家が国家を支配すべきと考えている。その意味で、小沢氏は、現行憲法の民主主義をより徹底することを考えている。民主主義は最終的に数の多い者の意思が採択される。そうなると8月30日の衆議院議員選挙(総選挙)で圧勝した民主党に権力の実体があるいうことになる。
特捜検察は「きれいな社会」をつくることが自らの使命と考えている。特捜検察から見るならば、元公設第一秘書が政治資金規正法違反容疑で逮捕、起訴されている小沢氏に権力が集中することが、職業的良心として許せない。国家の主人は官僚だと考える検察官僚にとって、民主主義的手続きによって選ばれた政治家であっても、官僚が定めたゲームのルールに反する者はすべて権力の簒奪者である。簒奪者から、権力を取り返すことは正義の闘いだ。こういう発想は昔からある。1936年に二・二六事件を起こした陸軍青年将校たちも、財閥、政党政治家たちが簒奪している権力を取り戻そうと、真面目に考え、命がけで行動した。筆者は、特捜検察を21世紀の青年将校と見ている。検察官僚は、主観的には実に真面目に日本の将来を考えている(そこに少しだけ、出世への野心が含まれている)。
筆者の見立てでは、現在、検察は2つの突破口を考えている。一つは鳩山由紀夫総理の「故人献金」問題だ。もう一つは、小沢氏に関する事件だ。小沢氏に関する事件は、是非とも「サンズイ」(贈収賄などの汚職事件)を考えているのだと思う。
ここに大きな川がある。疑惑情報を流すことで、世論を刺激し、川の水量が上がってくる。いずれ、両岸のどちらかの堤が決壊する。堤が決壊した側の村は洪水で全滅する。現在、「鳩山堤」と「小沢堤」がある。「故人献金」問題で、「鳩山堤」が決壊するかと思ったが、思ったよりも頑強で壊れない。そこで、今度は「小沢堤」の決壊を狙う。そこで、石川知裕衆議院議員(民主党、北海道11区)絡みの疑惑報道が最近たくさん出ているのだと思う。石川氏は、小沢氏の秘書をつとめていた。8月の総選挙では、自民党の中川昭一元財務省(故人)を破って当選した民主党の星である。この人物を叩き潰すことができれば、民主党に与える打撃も大きい。
司法記者は、「検察が『石川は階段だ』と言っています」と筆者に伝えてくる。要するに石川氏という階段を通じて、小沢幹事長にからむ事件をつくっていくという思惑なのだろう。これは筆者にとってとても懐かしいメロディだ。もう7年半前のことだが、2002年6月に鈴木宗男衆議院議員が逮捕される過程において、「外務省のラスプーチン」こと筆者が「階段」として位置づけられていたからだ。
マルクスは、「歴史は繰り返される。一度目は悲劇として。二度目は喜劇として」(『ルイ・ボナパルトの18日』)と述べている。当面は、石川知裕氏を巡る状況が、今後も政局の流れを決めるポイントになると思う。

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特捜検察をはじめとして官僚たちが「国家公務員試験、司法試験などの資格試験に合格した官僚が国家を支配すべきと考えている」のは事実であろう。試験制度の勝者が社会を支配すべきという発想は、マスコミ人も持っているに違いない。
しかし、彼らに社会を支配する資格があるのか?
そもそも、試験では予め設問も答えが用意されている。その設問に疑問を挟むこともなく、用意された答えを再現する試験の勝者は、定型課題の処理能力に長けているにすぎない。未明課題・非定型課題だらけの現実の世界で求められる答えを出せるはずがないだろう。
実際、『るいネット』 「勝ち組ほど、阿呆になる時代」「日本をダメにする官僚機構」「潮流5:失われた40年」「潮流7:暴走する社会(特権階級の暴走と下層階級の暴走)」にあるように、その無能(アホ)ぶりは枚挙に暇がない。それどころか今や検察官僚たちはその暴走によって社会秩序の破壊者と化している。
佐藤優氏は「検察官僚は、主観的には実に真面目に日本の将来を考えている(そこに少しだけ、出世への野心が含まれている)」と述べているが、己の無能さを省みることなく、試験制度の勝者であることを唯一の根拠にして、官僚が国家を支配すべきと考えている時点で既に、狂っているとしか言いようがない。そして、その狂った思考は官僚の特権維持の正当化のイデオロギーそのものでもある。「少しだけ出世への野心が含まれている」といった可愛いものではない。官僚たちがその狂った思考で「真面目に」日本の将来を考えれば考えるほど、社会秩序は破壊されていくのだ。
そもそも、国家(行政組織)も試験制度の勝者である官僚たちが集まった単一の集団でしかない。ところが、集団は自己収束(自己閉鎖)性が強く、彼ら官僚は自集団の利益が第一になってしまう。各集団を超えた次元にある社会を統合する組織が、実は単一の集団でしかないというのでは、社会を統合することなどできるはずがない。官僚集団の利益第一となる方向に、社会は歪められてゆく。しかも彼らは国民に選ばれたわけでもなく試験制度に合格することで官僚という専任特権を獲得したにすぎない。
それに比べれば、選挙によって民意の洗礼を受ける政治家が国家を支配すべきと考える小沢幹事長の発想の方が、まだましである。
しかし、本当に民主主義を実現するのなら、国家や社会を、大衆が自分たちで動かすことのできる共認統合体に作り変えるのが、本当ではないのか。そういう意味で、『るいネット』「官僚制の突破口は半専任・半事業の社会統合ネットワーク」という提起に同感である。
「共同体社会の実現政策」でも述べたが、万人が属している社会を統合する仕事は、万人によって担われなければならない。そのためには、公務員も専任ではなく、半専任化すべきである。つまり、誰もが専業を営んでいるわけだが、一定の期間は公務(社会統合の課題)を担い、一定期間が過ぎれば専業に戻るという参勤交代制である(当然、公務期間中の収入は保証されなければならない)。これが、今や社会秩序の破壊物と化した官僚制度を超える突破口ではないか。
いつも応援ありがとうございます。
(本郷猛)
るいネット
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List    投稿者 hongou | 2009-12-22 | Posted in 04.日本の政治構造6 Comments » 

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コメント6件

 ピピ | 2010.07.27 20:38

>自民党と同じように、驕る菅/仙谷政権がなぜ簡単に見限られたのか
政権誕生して2ヶ月にも満たないのに、すでに「見限られた」となぎ倒す慧眼、サスガです。
にもかかわらず、ああでもない、こうでもないと現政権を持ち上げる風のマスコミは、どうしようもないですね。
政治家、官僚、そしてマスコミ。
早期退場を願いたいものです。

 hihi | 2010.07.27 20:43

既存政治家への絶望も、新しい潮流への実現期待もあります。
しかし、現状の制度中で、全く異なる統合階級が出現できるのでしょうか?

 読者 | 2010.07.27 21:13

hihiさん心配無用です。
これから10年、自分発からみんな発へと、日本人の意識潮流は若い世代から先陣を切って大きく変わっていきます。 プロの政治家はことごとくその活力源は自分発ですが、みんな発の潮流は現状の制度など意に介しない変革の活力を産み出します。

 日本人 | 2010.07.27 21:32

ピピさん、政治家/官僚/マスコミは何れも米国の産軍複合体の力を傘にきて、日本を牛耳っているだけなのです。GHQに由来する米国の力も賞味期限切れです。にわかゴマすりに早代わりの菅も、もう賞味期限切れです。

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