2018年10月30日

世界はドル崩壊→民族収束に向けて軸足を切っている

ここ最近のドルの乱高下は気がかりだが、これはグローバリズム崩壊が秒読み段階にあることを示している。それを後押しするかのように、世界では民族自決主義の動きが活発化してきている。

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◆ブラジルではボルソナ氏が大統領選に勝利

極右と称されるボルソナ氏が勝利した。氏は2019年1月1日、大統領に宣誓就任する。

氏が掲げている主要な公約としては、ブラジル国民の安全性向上、銃の所有・所持に関する法律の緩和。経済政策では政府の経済への介入を減らすこととしている。

2015年に結ばれたパリ条約については、アマゾン地域に対するブラジルの主権と衝突するとして、離脱を示唆、さらに、ブラジルの汚職政治家達の撲滅を掲げ、大政党の大物政治家が次々と投獄される汚職の横行にうんざりしているブラジル国民から大きな支持を得ている。

極右と称されるのは、国民第一の政治を執ろうとしているからであり、汚職の撲滅は、かつて中国の習近平が行った粛清にも似ている。これはグローバリズムに立脚する金貸し勢力を、国政から追放しようとしていることの証左であり、南米の大国が民族収束へ大きく舵を切った。

 

◆メルケルの引退発表

EUを主導してきたドイツのメルケルは、難民政策で寛容な姿勢をとってきたのだが、そのために国内治安は悪化。地方議会選挙で受け入れに反対する右派政党の躍進を許し、政権基盤は弱体化していた。

そのような状況下、ヘッセン州での議会選挙では、得票率を前回13年から11ポイント減の27%に落とし敗北。ドイツでは、中東などから大量流入した難民による犯罪が発生し、国内治安は悪化。

これが政権批判につながったのだが、この動きは民族主義に立つ「五つ星運動」の躍進が目覚しいイタリアの情勢を後追いしているかのようだ。いずれドイツも民族自決主義へと舵を切っていく。それはEUの解体を意味している。

 

◆躍進するイタリアの五つ星運動

これはイタリアの政党運動で、2009年10月4日に人気コメディアンのベッペ・グリッロ(ジュゼッペ・ピエーロ・グリッロ)と、企業家・政治運動家のジャンロベルト・カザレッジョによって結党、大衆の不満に率直な賛同を示しており、国民の中流・下流層から急速に支持を集めている。

シンボルでもある五つの星とは、【社会が守り抜くべき概念(発展・水資源・持続可能性のある交通・環境主義・インターネット社会)】を意味しており、非常に庶民目線で、雇用制度の安定化、政界構造への反対、環境主義を取っている。

筆者は今年の8月にイタリアのトスカーナを訪れたが、イタリアでも移民の受け入れによる若者の失業率増加や治安への不満は高まっており、そうした民意が五つ星運動の支持基盤となっていることが実感として読み取れた。

 

◆アメリカ、ロシア、中国、イギリス、フランスが核兵器禁止条約に反対

見出しだけ見ていると物騒だが、これは明らかに従来の各国パワーバランスの均衡が崩れ始めていることによる各国の自衛意識の高まりを示している。

今日ではロシア・中国の軍事力がアメリカを凌駕。中東ではNATOの基地があるトルコもロシア等新勢力へ軸足を切っている。それはやがてNATOの解体を意味しており、フランスやイギリスはその未来を予測していると考えられる。ネオコオンによる欧州中東支配は終焉に向かっている。

 

◆安倍と中国の急接近

従米路線まっしぐらと考えられてきた日本が中国に歩み寄ったのは大き情勢の変化と考えられる。これは日本の裏勢力も、ドル崩壊に向けた準備に入ったのではないかと考えられる。

今日のバブルを膨張させてきた原因は、中央銀行によるQE(金融緩和)。しかし連邦銀行幹部は、株価が急落した10月25日“今後さらに株安や米国債金利高が続いても、連銀は利上げと資産圧縮をやめない”と宣言した。米国債の買い手(外国勢)がいなくなっており、金利がさらに上昇していく恐れ。債券金利が上がると、いくら規制緩和しても資金調達のコストが上がり、バブル膨張を維持しにくくなる。IMFは最近「大恐慌が再来するかもしれない。QEで余力を使い果たした当局は、次の金融危機を防ぐ力がないので危険だ」と警告している。

今は、上記のような状況下にある。重要なのは中央銀行が、余力なしの状態で引き締めに入っていること。日中の接近は、緊急時の通貨スワップを合意しているとの見方もあり、金融崩壊に向けて急展開を示しているように思われる。

List    投稿者 nihon | 2018-10-30 | Posted in 01.どうする?マスコミ支配No Comments » 

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