2016年11月09日

経済拡大を続ける中国の行方

中国の経済力は今もなお拡大をしています。

中国が主導するアジアインフラ投資銀行は、今や100カ国近い参加国となっています。またBRICS格付け会社も設立が決まっており、その初代のトップはインド人との情報があります。TPP協議が長期化している現在、アメリカと日本を除く協議中の10カ国は、BRICSの経済共同体に入ってもよいと思っており、この【アジアインフラ投資銀行】と【BRICS経済共同体】と【BRICS格付け会社】が揃えば文字通りTPP不要となります。

経済面で圧倒的存在を見せる中国は、着実にアジアや中東その先に勢力を伸ばしています。

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以下、中国とアジア中東諸国との関わりです。

 

・カンボジア

習近平は10月に初めてカンボジアに訪問しセン首相と会談。そこで2億3,700万ドル(240億円)の借款や8,900万ドル(89億円)の債務免除を発表しています。さらにそこで「中国に力の及び限り、カンボジアの国家建設を支援する」との声明を発表しています。

・フィリピン

先月、ドゥテルテ大統領は訪日する前に急遽中国を「公式訪問」しました。この訪中で南シナ海における共同開発やルソン島のスービック国際空港とクラーク国際空港を結ぶ80キロの高速鉄道建設を中国が担うと発表しています。訪中の場でのアメリカとの決別宣言は、中国からの強い支援が背景にあると見てよいでしょう。ドゥテルテ大統領は「中国こそが我々を助けてくれる」というコメントも残してます。

 

・バングラディシュ

習近平は中国の国家主席として30年ぶりの訪問を行い、ハシナ首相と会談しています。そこで240億ドル(2兆4,000億円)の借款を行うと発表。更にバングラディシュ商工会議所連合会と中国国際貿易促進委員会は総額で136億ドル(1兆3,600億円)の投資貿易協定にも調印しています。こうした経済的結びつきを通じて、バングラディシュを中国の傘下に入れようとしていると考えられます。

 

・パキスタン

現在進められている戦略拠点となるグワダル港の建設工事は、この地域に大きな影響を与えることになります。中国は7.82億ドルの費用のほとんどを負担しているだけでなく、運営権も中国が握ることになります。この港が完成すると貿易・軍事面で中国が事実上、中東の海を勢力下に置くことが出来ます。また中国はグワダル港に巨大コンビナート設備を建設する計画も持っており、ここからパイプラインを建設し、中東からの原油をパキスタン・グワダル港経由で中国まで運ぶ計画も進めているようです。

 

・南沙諸島

今、中国が支配権を確立しようとしている南沙諸島は、上記グワダル港からのパイプランが実現すると原油輸送上は意味を成さなくなります。従って中国は経済的事由ではなく政治的・軍事的な事由でここを勢力下に置こうとしていることがわかります。具体的には日本や韓国に向けての原油・天然ガス輸送の経済的妨害だと考えられます。南沙諸島を通らず遠回りすれは輸送コストは上がります。また、その海域には中国軍が軍事演習をしきりに行っているため海運上の制約も発生すれば資源のコストはさらに上がることになります。

 

・カザフスタン

世界第9位(アジア3位)の国土面積を有するカザフスタンは、人口の20%以上がロシア系でロシアとの結びつきが強いだけでなく、中国とも西側とも日本とも緊密な関係を構築しており全方位外交を標榜している国家です。この立場を使ってナザルバエフ大統領は世界中から資金を集めており、経済成長を遂げています。おそらく次はカザフスタンへも接近してくでしょう。

 

◆今後について習近平は、GDP成長をこれまでの10%から5%以下にしても構わないといういスタンスで経済政策に取り組んでいます。9月の貿易統計ではドルベースの輸出は前年同月比で10%減少(6ヶ月連続減少)、輸入も1.9%減少しており、貿易総額は6.6%の減少です。国内においては、ある程度モノが行き渡り都市住民と農村住民との格差も徐々にではありますが確実に縮まってきていることの顕れでしょう。また最大の輸出先のアメリカでさえもモノが売れなくなった状況を受けてのことと考えられます。内需が飽和に近づいてきた中国は、アジア、中東に触手を拡げ、さらにはアフリカへと拡大しようとしています。

◆アメリカが日毎に衰退していくに比して、中国の経済力が目に見えて拡大しています。間違いなく世界経済を今後牽引していく国家となっていくでしょう。しかし、世界の意識潮流は脱経済至上主義、脱お金第一です。すでに日本がそうであるように、またお金第一だったアメリカでさえもこの潮流は顕著になっています。さらにはロシアに見られるように民族収束(脱グローバリズム)の潮流も次第に顕在化してきています。大局的に観れば、中国の経済力拡大は、いずれはこれら潮流の世界的な顕在化によって、自身の首を絞めることになるでしょう。

◆このような事態が来た時、中国共産党はどう動くのか。すでにロシアは手を打っています(参考)。日本は現在、ロシアの企業と様々な協定に合意を結ぶ準備をしています。ここにおいて日本から莫大な融資がロシアになされますが、それを未来の自立の礎と出来るかが問われています。

 

(by  ken)

 

 

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