2009年04月20日

日本支配の構造26~資源獲得と支配構造

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前回の「日本支配の構造25」では、日本の傀儡政権国内において流通した銀行券軍票について紹介しました。
国家的に必要な資源財(鉄鉱石や農産物)を安定的に調達する為に発行されましたが、その資源財とは何だったのでしょうか?もう少し詳しく調べてみたいと思います。
そして、それら資源獲得と共栄圏樹立とは、にどう言った関係にあったのでしょうか?
この日本独自の経済圏樹立についても明らかにして行きたいと思います。
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「大東亜共栄圏」の実態–日本軍占領下のアジア
3)資源の獲得と軍票
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軍政の最大の目的は重要資源の獲得のためであったが、開戦直後の12月12日に関係大臣会議で決定された「南方経済対策要綱」では「開発ノ重点ヲ石油ニ置」き、さらにニッケル、ボーキサイト、クロム、マンガン、雲母、燐鉱石、その他の特殊鋼原鉱、非鉄金属などの開発を進めること、そのために「極力在来企業ヲ利導協力」させることとしている。「一地点ノ資源開発ハ努メテ一企業者ノ専任トスルコト」などの原則のもとに担当企業が選定された。これにより三井・三菱・住友などの財閥系企業や戦前からこれらの地域に進出していた石原産業などの企業が軍と結びついて進出していった。
日本が取得することを期待した資源は、大本営陸軍部が作成した「南方作戦ニ伴フ占領地統治要綱」(1941年11月25日)によると、フィリピンからマンガン、クロム、銅、鉄鉱、マニラ麻、コプラ、英領マラヤからボーキサイト、マンガン、鉄鉱、スズ、生ゴム、コプラ、タンニン材料、英領ボルネオから石油、蘭印から石油、ニッケル、ボーキサイト、マンガン、スズ、生ゴム、キナ皮、キニーネ、ヒマシ、タンイン材料、コプラ、パーム油、工業塩、とうもろこしとなっている。
最も重要視されていた石油について見ると、北ボルネオのミリ、スマトラのパレンバンなどの油田を占領後ただちに復旧し、原油生産は1942年2594バレル、43年4963バレルと拡大した。日本への輸送も42年167万キロリットル(生産量の40パーセント)、43年230万キロリットル(29パーセント)となった。しかし43年になると米潜水艦による船舶の喪失が急増し、船舶不足が深刻になった。そのため44年の内地還送量は約80万キロリットルに激減した。また連合軍による空襲により生産にも支障をきたすようになった。ほかの鉱物資源の開発も同様の状況であった。
日本軍は占領地に軍票を流通させた。日本軍は開戦前から現地通貨表示の軍票(蘭印ではギルダー、マラヤではドル、フィリピンではペソなど)を準備し、占領とともに現地通貨と等価で流通させた。当初の計画では、軍政が順調にいけば軍票を回収し現地通貨のみに戻す予定だったが、実際には軍票の発行が急増していった。
1942年3月に占領地の資源開発、為替管理、敵産管理などを目的とする南方開発金庫が設立された。1943年1月南方開発金庫に発券機能が付加され、4月より南方開発金庫券(南発券)を発行しはじめた。これは軍票ではないが実際には軍票と同じようなものだったので、一般には軍票と思われていた。外部との交易関係が断たれ、物が不足するなかで、物資を調達するために南発券が乱発された。
発行高は1942年12月に4億6326万円だったのが、44年末には106億2296万円、45年8月には194億6822万円と急増していった。日本が中国で発券した儲備券の場合は1941年末の2.4億元から44年末には1397億元、45年8月には2兆6972億元にも達した。この結果、すさまじいインフレが引き起こされた。シンガポールの物価指数は開戦時の1941年12月を100とすると翌年12月には352、44年12月には1万0766、45年8月には3万5000と350倍になっている。特に米は開戦時、60キロが5ドルだったのが、45年6月には5000ドルと一千倍にもなっている。
日本軍の軍政を財政的に支えた一つが阿片だった。イギリスなど旧宗主国も阿片を植民地支配のために利用していたが、日本軍はそれを一層拡大した。太平洋戦争の勃発によりインドからの阿片の輸入が途絶えたため、日本のかいらい政権のあった中国の蒙疆を阿片の生産地として「大東亜共栄圏」の阿片供給をはかった。シンガポールは阿片の精製と包装をおこなって周辺地域に阿片を供給する役割をはたした。日本軍は阿片の専売制をとり、第25軍の1942年度の第一、第二四半期の予算では全経常部歳入の50パーセント以上が阿片収入によることになっていた。 阿片は主に華僑の苦力(クーリー)によって使用されていたが、こうした阿片政策は「大東亜共栄圏」の一面を示していた。

日中戦争勃発以降、南方石油や資源獲得の足がかりを得ようとして、1941年日本軍は東南アジアへの進駐を開始した。これをきっかけに、英米は日本に対して貿易制限を強化することを宣言したが、日本はこれを無視して進駐強行を行わざるを得なかった。
この結果として、英米は、在日本資産の凍結、日英通商条約の廃棄そして米の対日石油禁輸など日本側の予想を上回る措置を発動した。
そして日本は、ついに太平洋戦争へと突入して行った。
この日本の南方進出は、英米のブロック経済=貿易ストップ前から、アジア全体での独自の経済圏の拡大であったことが分かります。
では、日本の経済圏拡大の構造を見て行きたい。
戦前・戦時期日本の対インドシナ経済侵略について

日本の南方進出のための特殊会社にはすでに台湾銀行があったが、第一次世界大戦および満洲事変を契機として、特殊会社の「乱立」が生じている。まず、1914年10月に海軍がドイツ領南洋諸島を占領したあと、西村拓殖株式会社・南洋殖産株式会社の両社が設立されてサイパン島に甘蔗作農民の移民事業を行なったが、1920年恐慌によって破綻し入植農民が飢餓状態に陥ったことから、1921年11月に東洋拓殖会社が両社への救済投資を行ない、さらに両社をもとに東洋拓殖の子会社として南東興発株式会社(1921年10月、南洋会社要覧によれば1919年11月)が設立された。
 次いで、満洲事変から華北へ侵略を拡大しつつも中国国民党政府の間で経済提携の動きも見られ始めた1935年秋、台湾総督府は、10月19日から23日にかけて熱帯産業調査会を開催し、台湾開発とともに「外南洋」=東南アジア進出も任務とする台湾拓殖会社の設立の方針を固めた。
1936年5月21日には台湾拓殖株式会社法が成立し、11月に同社は設立された。
他方、同年7月27日に、南洋拓殖株式会社法も公布され、11月には設立された。
 すでに、南方経済進出機関としては東洋拓殖・南洋興発もあり、特殊会社の乱立が問題とされている。しかし、南方進出の方針はますます明確にされ、1936年8月の五相会議で決定された「国策の基準」には南方進出が明記された。

このことから、日本の南方進出の目的は、新たな資源獲得ではあるが、満州建国から中国侵略一環して政府と軍部と民間企業とが手を結び独自の会社や銀行など国策企業を設立しかつ銀行券や軍票と言った独自の紙幣を発行しての資源獲得がひとつ特徴的です。
戦後日本の高度成長期において護送船団方式が象徴する様に、政府、企業、国民がひとつになって、いわば国ぐるみでの豊かさ追及であった。
これは、欧米諸国がして来たように一民間金貸し達による資源の収奪や支配構造とは少し異なる。
日本は、欧米諸国から近代都市国家や市場化経済を学ぶが、その拡大路線は国家ぐるみ(国策)と言う独自の拡大路線を敷いている。大東亜共栄圏の「共栄圏」とは、何を意味していたのか?
日本の国策と西洋の民間主導との違いについて、更なる分析が必要です。

List    投稿者 nakamura | 2009-04-20 | Posted in 04.日本の政治構造4 Comments » 

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コメント4件

 s | 2009.08.08 20:31

ドルは相対的に弱くなり、米国債金利が上昇していくことは確実だと思いますが、一気に破裂し「暴落」するのか、読めないところです。
いずれにしろ、この1年の内に明らかになるのでしょうが、仮設思考で先行きを予測することが非常に重要だと感じます。

 SHIMPEI ITAKURA | 2009.09.12 9:09

米国債デフォルトの話は単なる頭の体操。全世界の貿易量の半分が米ドル建てである現在、各国とも米国債・米ドルを買い支えざるを得ない。中国のドル離れれの動きも単なるジェスチャーに過ぎない。次の基軸通貨が固まるまで米ドルの価値は一定水準に保持されるだろう。

 kimisuketarou | 2012.04.29 9:09

徹底した中国の属化政策の根幹を知っていますか?その内に日本がチベット,ウイグル地区の様に先ず尖閣沖縄琉球列島,韓国が中国に歩調を合わせて竹島対馬壱岐の島占領する内々の計画を,,これはアメリカが沖縄から撤退する2022年問題として今既に機関銃等で武装した漁船が日本の巡視船に尖閣でやっている行為なのです,中国でよく言われている中国の拡張主義なのです,そればかりでは有りません,先日中国とロシアが共同で軍事演習をした様にロシアの拡張主義が日本の無脳の憲法,尻尾振り外交(小沢)を狙っている共存等全く感じられない今日の状況です

 hermes danmark | 2014.02.02 15:32

hermes login 日本を守るのに右も左もない | 米国債暴落を予測するブログの紹介

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