2014年06月23日

お上は国民の健康を守ってくれない~儲かる薬と儲からない薬

「グローバル製薬企業が日本市場に仕掛けた、うつ病捏造キャンペーン」で紹介した論点は、次の通りです。

「うつ病はこころの風邪」「うつ病は薬で治る!」というキャッチフレーズとともに、グローバル製薬企業各社は、2000年から「うつ病キャンペーン」、「精神医療に対する意識改革キャンペーン」を大々的に開始した。とりわけ、SSRIと呼ばれる新世代の抗うつ薬が1999年に国内で販売が開始されるや、うつ病に関する情報がマスメディアを通じて一気に普及されるようになった。メディアに登場する精神科医によって、副作用がほとんどない画期的な新薬としてSSRIが紹介され、いまだ証明されていない仮説(脳内の伝達物質の不均衡)をあたかも事実であるかのように説明し、薬を飲めば必ず治るかのような印象を植え付けていった。精神科医は精神科の早期受診・早期治療を呼びかけ、精神科医のアドバイスを受けた製薬会社は、うつ病啓発の様々なツールを開発し、政府を巻き込みながらキャンペーンを促進してきた。

ところが、精神病の治癒率はわずか0.06%にすぎない。統合失調症やうつ病をはじめとする精神病が「捏造された新市場」に他ならない。

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「日本語では知らされない精神医学の嘘」(戸崎貴裕©2011-2014 Takahiro Tosaki. All Rights Reserved.)から紹介する。

12【 儲かる薬 、勝ち組、負け組 】

ここで少し、日本市場に対するグローバル製薬企業のキャンペーンが開始される直前まで、アメリカの医薬品市場でなにが起こっていたかについて、Marcia Angell医学博士による出典6:「The Truth About the Drug Companies: How They Deceive Us and What to Do About It」(Marcia Angell, 2004, ISBN)から、簡単にまとめてみます。

アメリカの話ですので、社会的なシステム、例えば法令や薬品の認可といったシステムの異なる部分は多々ありますが、これを“勝ち組”、“負け組”という2者択一の概念を与えられた人間の愚かな行動としてとらえると、医療問題のみならず、1990年代から現在にかけて日本で起こっているさまざまな社会現象の本質、もしくは根源が見え隠れしている、そう思えるかもしれません。

1)     レーガン政権(1981-1989)から始まり、1990年代を経て、“勝ち組”(winners)、“負け組”(losers)という考え方がアメリカに浸透した。

2)     産学連携の名のもと、“勝ち組”になりたい大学などの研究機関と巨大製薬企業が手を組むようになり、医薬品の特許から得られる利益を両者が独占する仕組みが出来上がった。なお、製薬企業が独占販売を行っている医薬品の基礎研究には、国家機関の出資(税金)によって行われた事業による成果も多い。

3)     産学連携、それから、臨床試験を自らの影響下にある研究機関へ外注することなどにより、巨大製薬企業は、その活動の多くの部分を、研究開発ではなく、特許ビジネスを守り拡大するため、政治的ロビー活動による臨床試験の簡略化や特許期間延長手段の確保、教育や啓蒙活動と称した、医学界や医療現場(薬品を処方する医師)へのロビー活動、弁護士団の結成と特許期間延長のための訴訟、そしてDTC広告に費やすようになった。(アメリカの医薬品市場では、医療用医薬品(市販の薬品ではなく医療機関で医師が処方する薬品)について、一般消費者に向けた広告が許されている。それがdirect to customer広告、DTC広告)。

4)     特に主力薬品においては、特許期間が切れることが利益に悪影響を及ぼすため、巨大製薬企業は、既存の医薬品の類似品(“me-too” drugs:有効成分が同一で実質的に既存品と同じ薬。)を新薬として認可を取得し、もしくは、用途、処方量や薬剤の色を変えて認可を取得し、実質的に同じ薬品の特許期間を延ばしたうえで、新薬としてのマーケティングを大々的に行うことが多くなった。

5)     これが行えるのは、FDA(米国食品医薬品局)の行う医薬品の認可手続きにおける臨床試験において、類似薬の効果は偽薬(プラシーボ)との比較において結果の出た報告があればよく、有効成分の同じ既存の薬品との比較は行われず、かつ、試験の際の投与(服用)量が一定である必要のないこと、臨床試験を行う試験機関が巨大製薬企業の影響下にあること、製薬企業側にはすべての結果を発表する義務はなく、都合のよい結果が出るまで何度も試験を行い、都合の良い結果だけを発表できること等の理由がある。つまり、本来客観的な立場で行われるべき臨床試験や結果発表において、科学的な客観性や公平性よりもスポンサーの都合が優先される仕組みが出来上がっている(FDAの予算は製薬企業に依存しています。)。

6)     FDAの認可手続きにおける試験方法及び結果データについては、公的機関の記録であるため、情報開示請求によって都合の悪いデータの隠ぺいが明らかにされたり、また、非営利機関が追跡試験を行った結果、新薬として認可された類似薬が、既存の薬よりも効果が低いことが判明したり、試験期間が短いために発見されなかった副作用が発見されたりしているが、こういった情報は、巨大製薬企業のマーケティングの陰に隠れてしまっている。

7)     類似薬のマーケティングには、DTC広告、例えばCMや、スポーツイベントのスポンサー契約などのほかに、多くの“権威”が最終的に依存する医学情報誌への都合の良い結果のみの発表、テレビ番組等での仕込みや草の根の活動を偽装した多くの種類の団体の創設による消費者の取り込みといった隠れたマーケティングも発覚している。

8)     このように利益の追求に傾いた結果、必要な薬という概念は軽視され、“儲かる薬”と“儲からない薬”との間に、マーケティングや供給量に大きな格差が生じ、儲かる薬の価格はさらに上昇し、儲からない薬に属する薬品が足りないという状況さえ生まれた。

儲かる薬:

★特許期間内である主力製品に対し、特許期間延長のために新たに投入される類似薬

★患者数の多い薬

★長期間、できれば一生の使用が見込める薬

★長期間の使用を強要できるシステム(例えば、精神医療)のある薬

儲からない薬:

★特許期間外である薬(ジェネリック薬品)

★患者数の少ない薬

★患者が貧困層である薬

★短期間の使用しか見込めない薬(例えば、患者がすぐによくなり、再発しない薬、患者の死亡する確率が高い疾病用の薬など。)

9)   2000年頃から、医療用薬品の価格高騰に対するアメリカ国民(特に高齢者)と多くの州政府の反発が表面化しはじめた。例えば、カナダからの薬品の輸入、もしくはカナダに赴いての薬品の調達などが始まった。そういった反発に対し、巨大製薬企業は、カナダからの薬品の輸入、調達などを規制するためのロビー活動を始めた。

あくまで簡単にまとめてしまいましたが、日本市場に対するキャンペーンが始まるまでのアメリカ医薬品市場において、どのようなことがおこっていたのか、概略はお分かりになったと思います。

さて、ここで精神医学の嘘がどう活躍したか、おわかりになりますか?答えは、類似品(“me-too” drugs)の種類、つまり、認可の種類の拡張です。精神科の病名やその解釈が増えれば増えるほど、これが増えるわけです。もちろん、対象となる“患者”の数も増えるわけです。

本項の最後に、出典1「Psychiatry – THE SCIENCE OF LIES」(日本語にすれば「精神医学 – 嘘で固めた科学」)から、Thomas Szász医学博士の言葉です。

「いまだかつてなく、精神医学の流儀は(正統な)医学からかけ離れ、そして、いまだかつてなく、医学の流儀が精神医学のやり方に類似してきている。」

 

そして、アメリカは精神病の国に成り果てたのである。

『光の旅人』「国民総精神病化~アメリカ国民を抗精神病薬漬けにした大手製薬企業の手口」より紹介する。

 
アメリカは精神病者の国になってしまったのか。抗精神病薬の使用量がどれだけ爆発的に増加したかを見れば、誰でもそう考えることだろう。2008年、米国で140億ドルを売り上げた抗精神病薬は、高コレステロールや胃酸の逆流を防ぐ治療薬を凌ぎ、処方薬部門の1位であった。 

かつて、抗精神病薬と言えば、主に統合失調症 (精神分裂症) や双極性障害 (躁鬱病) など、重い精神疾患の症状である妄想や幻覚、あるいは思考障害の治療薬として用いられたもの。しかし今や誰もが抗精神病薬を服用しているようだ。親たちは、子どもが手に負えないのは実は双極性障害が原因なのだから抗精神病薬が必要だと言われ、ボケのある老人も、かつては精神分裂症患者にしか使われなかった薬を、それも大量に処方されている。今やアメリカ人は慢性的なうつ症状から不安や不眠の症状に至るまで抗精神病薬を処方され、その割合はもはや精神病国家と言えるだろう。 

こうした抗精神病薬の爆発的な使用の増加が”非定型抗精神病薬”として知られる製薬企業の新しい薬の登場と一致しているのは、決して偶然ではない。1990年代のジプレキサ (Zyprexa) 、リスパダール (Risperdal) 、セロクエル (Seroquel) に始まり、2000年代の初めにはアビリファイ (Abilify) が発売。これらの薬はハルドール (Haldol) やソラジン (Thorazine) など、従来の抗精神病薬に比べて効果が高いと大いに宣伝され、さらに重要なことに、従来の薬よりも有害な副作用、特に振戦、その他運動障害が出ないとされたのである。 

価格が高く、震えやよだれを垂らすこともなく、感情や行動を改善させる特許のとれる薬物として非定型抗精神病薬は、製薬業界の向精神薬リストの中でもトップに位置する期待の大型新人となった。売り上げは順調に伸び、2009年を迎えるころには、セロクエルとアビリファイが製薬企業の年間総売り上げで5位と6位に入り、非定型抗精神病薬トップ・スリーの処方数は、合計2000万件に達した。抗精神病薬は、突如としてもはや精神病だけの薬ではなくなったのである。 

List    投稿者 nihon | 2014-06-23 | Posted in 01.どうする?マスコミ支配No Comments » 

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