2019年01月22日

既存の世界経済は縮小→今後は中国の市場支配でどうなる

先日、日本電産の永守会長が緊急会見を開いた。内容は(電産・永守会長「尋常でない変化」)を参照願いたい。

上記リンクのニュースによれば、「尋常でない変化が起きた」「11、12月と、ガタンガタンと落ち込んだ。受注や売り上げ、出荷のベースで、世界的に全セグメントにおいて大きな変化が起きた」という。今回の下方修正で9年ぶりの減収の見込みとのこと。

「この変化を甘く見てはいけない」という永守氏のコメントには何があるのだろか。

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◆今、欧米の経済は大きく停滞→縮小に向かっている

アメリカの12月の製造業景気指数は2016年11月以来の低水準となっている。その落ち込み幅は、2008年10月以来の大幅な落ち込みとなっており、すでにアメリカ経済が異常事態に陥っている。

ヨーロッパでも欧州委員会が発表した、12月のユーロ圏景況感指数は、11月は109.5だったものが107.3(予想は108.2)となり、予想以上に悪化している。

製造業景況感指数 <1.1>(前月3.4)
消費者信頼感指数 <-6.2>(前月-3.9)
業況指数 <0.82>(前月1.04)

上記から、消費者信頼感指数の<マイナス幅>が拡大してきているのが分かる。今後EUは金融緩和を続けることが予想される。

 

◆中国は過去最大の輸出減少

中国税関総署が発表した昨年12月の貿易統計(米ドルベース)は

輸出額 一年前に比べて、-4%

輸入額 一年前に比べて、-8%

となっている。この輸入の減少幅(-8%)は過去最大。中国の輸入の落ち込みがわかる。このうちアメリカからの輸入が<36%>激減しており、これが輸入が減少した要因と言える。

この輸出の減少は、香港向けも26%の激減を示しており、今の香港が如何に不況であるかも分かる。この12月の激変から、2019年の中国経済のGDP成長率がマイナス成長に陥ることも十分考えられる。

 

◆既存の経済は縮小→今後は中国の市場支配へ

すでに昨年末のエントリー「NY株式市場暴落の真犯人 ~既に力関係は完全に逆転~」でも述べているが、今はすでに中国が市場を支配している。

すでに物的欠乏は冒頭の日本電産のとおり急速に停滞していく。しかし中国(習近平)がすでに市場を手中にしているとしたら、今日の市場停滞に乗じて既存の欧米経済に自在に仕掛けていくことも出来る。中国の停滞はむしろ欧米弱体化に向けた布石とも見て取れる。

 

 

 

 

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