ロッキード事件 従米派・中曽根の関与が明らかに。二大勢力の潰しあい
1976年に発覚したロッキード事件。この事件が、現在になって再び世間を賑わせることとなった。
⇒ロッキード事件「中曽根氏がもみ消し要請」 米に公文書 （朝日新聞）
ロッキード事件とは、米・ロッキード社が自社の戦闘機・民間旅客機を売り込むために、約30億円の賄賂を、日本の政府高官に渡したとされる事件である。
1970年当時、戦闘機を製造していたロッキード社の経営は行き詰っており、旅客機業界に参入しようとしていた。戦闘機の採用権限は防衛庁、旅客機の選定権限においては運輸省が力の持っていた。この選定に際して、ロッキード社製の戦闘機・旅客機を採用するために、金がばら撒かれたというのだ。
この事件において、賄賂を受け取った中心人物と言われたのが、田中角栄だった。1972年から総理大臣だった角栄は、1974年の立花隆の「「田中角栄研究～その金脈と人脈」（文藝春秋）によって金権政治が問題にされ、総理辞任に追い込まれる。
総理退陣２年後の1976年、アメリカの上院委員で「ロッキード社が自社の航空機売り込みのために対日工作費として１０００万ドル（約３０億円）を超える金を極秘で使っていた」ことが暴露される。これに東京地検特捜部が呼応し、ロッキード社にまつわる金が調査され、同年に田中角栄が逮捕された（角栄は、自民党を離党）。
現在となっては、立花隆による金権政治の告発も、上院委員会での賄賂の暴露も、アメリカCIAによる情報供与があったと言われている。角栄を総理退陣に追い込んだのも、自民党を離党させたのも、CIAによる陰謀があったのだ。
なぜ、アメリカは田中角栄を徹底的に潰したのか？角栄は日中平和友好条約に代表されるように、アメリカ抜きの独自外交路線を目指していた。これがアメリカ（特に、外交を専門としていたキッシンジャー）の逆鱗に触れ、徹底的に潰される。
（中曽根の盟友であるキッシンジャー国務長官は、韓国系ジャーナリストの「ロッキード事件はあなたが仕掛けたものか」との問いに「オフコース（もちろんだ）」と答えていた。）
しかし、上院委員で証言があった賄賂総額は30億円。一方、当時の総理大臣・田中角栄が受け取ったのは5億円。残り25億円は、誰が受け取ったのか？これは当時から問題となっており、その疑惑が掛けられた政府関係者は「灰色高官」と言われたが、捜査対象者が広がることは無かった。
◆
それが突如、2010年になって、『灰色高官』の一端を暴く公文書が、日本のマスコミによって報道されたのだ。
ロッキード事件「中曽根氏がもみ消し要請」 米に公文書 （朝日新聞）
・ロッキード事件の発覚直後の１９７６年２月、中曽根康弘・自民党幹事長（当時）から米政府に「この問題をもみ消すことを希望する」との要請があったと報告する公文書が米国で見つかった
・２００８年８月に秘密指定が解除された。
・ロッキード事件は７６年２月４日に米議会で暴露されたが、ロ社の裏金が渡った日本政府高官の名前は伏せられた。
・さらに中曽根氏は翌１９日の朝、要請内容を「もみ消すことを希望する」に変更したとされる。文書には、中曽根氏の言葉としてローマ字で「ＭＯＭＩＫＥＳＵ」と書いてある。
・事件の資料は、原則として公表しないことを条件に日本の検察に提供された。
2008年に機密解除された公文書が、2010年2月の「今になって」報道された。
小沢と検察の対立は、2009年春の西松検察の献金疑惑から始まった。結局この事件はうやむやのまま2009年夏の衆院総選挙に突入し、民主党の勝利に終わった。そして、2009年末から土地買収資金に関する政治資金規正法違反を巡る問題によって第二ラウンドが始まる。しかし、2月初め、検察の「小沢不起訴」の方針が固まる。小沢は記者会見を開き、自らの潔白と検察捜査の公平さをアナウンスした。小沢と検察の間で「手が打たれた」。
しかし、この検察捜査の過程で、ネット界では「検察の暴走」を指摘するブログが増え、週刊朝日では検察を糾弾する記事が連載された。
そして、小沢不起訴が決まり検察による小沢捜査に歯止めが掛かったタイミングで、
アメリカ ー CIA － ナベツネ ー 中曽根 ― 自民党
｜
検察
というルートを根底から揺るがし潰すような情報が「朝日新聞」から報道される。検察の小沢への追及が激化する中で、検察への攻撃を強めた朝日、彼らに強力なバックがいることは間違いないだろう。そして、その朝日が小沢問題に一定の決着を見るや否や CIA－ナベツネー中曽根―自民党 ルートを揺るがす情報を受け取り、報道した。
朝日による報道があるや否や、今度は民主党議員と北教祖との癒着（裏金疑惑）を、札幌地検が捜査し始めた。（北教組家宅捜索で政治と教職員組合の癒着構造にメス）
アメリカ民主党発で様々な情報がもたらされているところから考えて、アメリカがロックフェラー系列＝CIA → 自民党 →マスコミ のパイプでの情報収集・日本支配から、別ルートでの（アメリカ民主党 → 日本民主党）パイプに切り替え始めたことの証左だろう。
日米関係を巡る激変はとうとうロッキード事件にまで
この時期に、２００８年に機密解除された公文書の存在が報道されるというのは、きわめて重要なシグナルである。小沢一郎を巡る国策捜査が急速にしぼんでいく中、小沢とアメリカの”急接近”が報道されている。事態は今年の初めから急速に転回している。
背後には、鳩山政権に対するアメリカの方針転換がある。自民党時代のしがらみ、具体的に言えば、中曽根や渡邊恒雄（読売新聞主筆）とキッシンジャー、ロックフェラーの人脈を超えて、新しい関係が構築されつつあるのだろう。
そして、パイプの切り替えに伴い外交チャンネルが多様化・混乱し、日本政治勢力間での情報合戦・潰しあいの段階に入った。
今後、アメリカ及び日本での政治的混乱が、政治勢力間の対立に拍車をかけ、今まで明らかにされてこなかった事実がボロボロと表に出てくるようになる。
（ないとう）
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コメント9件
竹心さん、いつもコメントありがとうございます！
ウランはロスチャイルドが握っているんですね。確かに、ロックフェラーの石油利権を潰すためにローマクラブがオイルピーク説や地球温暖化説をでっち上げたことを考えると繋がってきますね。
先日アメリカからの圧力で日本はイランの石油開発から撤退すると発表されましたが、日本が生き残る上でエネルギーの独自開発は必須です。
この分野に参入することは危険も付きまとうと思われますが、細心の注意が必要ですね。人工竜巻発電
期待しています。
当ブログの兄弟ブログ「自然の摂理から環境を考える」http://blog.sizen-kankyo.net/blog/2010/09/000778.htmlでもエネルギー問題について追求していますので、是非一度お立ち寄りください。
国の借金の話ではありませんね。
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またまた、竹心のおせっかいです。
日本においては、エネルギーの問題を切り離して国の繁栄は難しかった、と言えるのではないでしょうか。ロスチャイルドにウランを、ロックフェラーの石油を握られていては、日本の産業界は身動きが取れなかったのです。電力界で仕事をしていた竹心には良く理解できます。
しかし、今、人工竜巻発電を利用したものを実用化しています。デモ機も完成し近く発表できるでしょう。世界47カ国に特許を有し、石油もプランも必要ありません。自然界の温度差で電気が出来ます。発電コストも数分の1、建設費も数十分の1で済みます。ご期待下さい。
このエネルギー利用が進めば世界は変わりましょうが発明者も竹心も命あっての事と緊張しています。
時折、このブログでもお知らせします。竹心