2009年02月25日

揺らぐアメリカの連邦制(1)~カルフォルニア州破綻宣言!!~

自治体の“財政破綻”と言うと、日本の夕張市を思い出すが、
アメリカでも、カルフォルニア州政府が“財政破綻”を宣言した。
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財政破綻”と言っても日本といろんな点で違い、 
一番、驚いたのが、政府が、現金では支払えず、(いずれ支払いが可能になったら払うという)
借用書を発行していることだ。
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揺らぐアメリカの連邦制
2009年2月18日  田中 宇
より

 2月1日、米国カリフォルニア州政府が、財政破綻(支払い不能)を宣言した。加州政府の会計責任者(controller。John Chiang)はこの日、州政府の手持ち資金が底をつき、同日に支払われるはずだった州民に対する福祉手当、奨学金、税の還付金など総額37億ドルが支払えないと発表した。支払いを受けるべき人々に対して借用書(IOU)を発行し、いずれ支払い可能になったら払うことになり、州職員の人件費を浮かすため、平日に2日間、役所を閉めることにした。(リンク

 カリフォルニアを国家に見立てると、世界第8位の経済規模を持つ国になる。それほどに大きい州であるが、加州政府は以前から金遣いが荒く、92年にも支払不能に陥った。その後、長い金融バブルの拡大に支えられた米経済の活況によって、州の税収は伸び続け、財政難から脱した。だが、加州の金遣いの荒さは変わらず、過去4年間で税収が40%増えたため、シュワルツネッガー知事は緊縮財政をやめてしまい、その結果、支出は4年で44%の増加となり、黒字体質に転換しなかった。(リンク

 シリコンバレーが米経済を牽引した90年代、加州には高所得の人々が多かったが、加州は高所得者に対する所得税率が高い(NY市と並ぶ10%)ので、IT関係の人々は流出傾向となった。代わりに加州で増えたのは、米国滞在年数の浅い移民など低所得の人々で、州民の所得構造は、少しの金持ちと多くの貧乏人に二極分化を強めた。加州の税収の半分は、最も裕福な1%の人々への課税によって賄われていた。そして07年以後、金融危機によって、金持ちは投資に大損して州は所得税収が減り、住宅市況の悪化(40%の下落)による固定資産税の減少もあって、税収は激減した。(リンク

 昨年9月のリーマン・ブラザーズ破綻後、加州の財政危機は一気にひどくなり、10月以後、毎月のように「このままでは加州は財政破綻だ」という指摘が出てきた。州債の発行が試みられたが、サブプラム債券破綻に端を発した金融危機の中、国債以外の債券は売れない状態で、売れ残ってしまった。以前の財政危機では、銀行や投資家から金を借りられたが、今は銀行や投資家も破綻し、頼れなかった。州政府と議会は、急いで支出の削減を行ったが、赤字拡大に追いつかず、財政破綻の宣言となった。(リンク

夕張市の財政赤字が一人当たりに換算すると500万円に対して、カルフォルニア州の場合、420億ドル(約4兆円)で一人当たり10万円程度。(参照)
気になる大阪府はどうかというと、長期債務残高約5.2兆円。一人当たり約60万円(参照)。でも、役人の給与が支払われない又は借用書で支払われたなんて聞いた事が無い。
なぜ、それ程アメリカでは騒がれるのか?借用書なんてものが飛び交うのか?
同じような疑問をもった人が、ブログで書かれているので紹介。
masayangの日記(ピスト通勤他

リンク
連邦政府の赤字は繰り延べが認められている
州政府や地方自治体の赤字は繰り延べが認められていない→単年度で近郊を保つ必要がある!

もう少し詳しく書かれているサイト「財政赤字」でカリフォルニア州破産?によると、

■前代未聞の事態
 つまり、州には破産、あるいは日本における財政再建団体指定といった法的措置はない。米国では大恐慌時にも州の破綻は起きておらず、これまで想定されていなかった事態といっていい。
■州の地位に変化?
米国で多くの自治体に義務づけられている財政均衡規定の存在がある。この規定が適用されない連邦政府は巨額の財政赤字が許容されるが、地方政府は基本的に赤字垂れ流しは許されない。このために、日本からみれば問題のない水準の赤字であっても、緊急事態に発展するわけだ。

州政府が、かつてほとんど赤字になったことがないというのは少し、疑問に残る所だが、多くの州で赤字になる可能性が高いということは、かつてない異常事態だと捉えた方がよさそうである

List    投稿者 sodan | 2009-02-25 | Posted in 03.アメリカの支配勢力と支配構造5 Comments » 

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コメント5件

 The Ginyu Force | 2009.06.16 21:11

岩倉使節団が1年半いない間には大きな改革はしないこと、との約束があった。
しかし、西郷隆盛は大隈重信、板垣退助等とともに、太陽暦採用、国立銀行設置、地租改正、学校制、鉄道開業と次々と改革を実行します。
政局争いという局面はあったにせよ、今の政治家とは比べものにならない活力を持っていたのだと思います。
それほど、この時代の外圧が高かったとも言えるのかも知れません。

 ryou | 2009.06.16 22:35

改めて近代史を見てみると、
<欧米列強の搾取、掠奪の脅威におののいた時代でした。
事が、よく解る。
そして近代史を学習すると、その延長の現代がよく判る。
科学分野では、現実と直結する教育をする。そうしないと役に立たないから、
しかし、学校での歴史授業は近代史の手前で授業は終わる。現代に直結する歴史をなぜしないのか不思議に思う。

 2310 | 2009.06.18 10:10

The Ginyu Forceさん、ryouさん、コメントありがとうございました。
The Ginyu Forceさんのお話のとおり、国内では、この時期はかなり改革を推し進めた薩、土、佐賀閥等の居残り組みが国内改革を手がけています。この国をどうするか?をみなが考えていたのだろうと思います。しかし、政局というか、私権(地位、身分、財)の獲得上での闘争という面があり、協同するという意識が希薄な時代のようです。
これは、今後、詳細、チームメンバーから記事がアップされると思います。ご期待を・・・
また、ryouさんのコメントのとおり、近代史は、学校ではあまり学ぶ機会がないようですね。私も、記憶がありません。特に明治は、欧米の論理に翻弄させられる時代であり、同時に、金貸しの論理=市場原理と私権原理にあっとうされ、日本の江戸より、さらに過去から継承した本源性=共同性を破壊する過程の開始時期です。ここは、詳細の勉強が必要だと思います。今後ともよろしくお願いします。

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