2019年10月03日

「日本の衰退、凋落」の実体は?データと実数値で検証する。

今日、日本の経済力や国際競争力は凋落の一途を辿っていると言われます。

国際情勢や社会構造の変化、教育や人材育成の問題、国際金融機関による経済や株価の操作等、その原因は多岐に渡りますが、
確かに「モノづくり・日本」に代表される、生産業の高い技術と品質、開発能力はその勢いを失っていると感じます。

 ここでは、この「日本の産業の凋落」は事実なのか。どの程度の衰退なのか。
様々な調査の結果を元に、その事実を実数値で押さえたいと思います。

もちろん、調査機関や調査方法によりその結果は左右されますし、これらはあくまで欧米調査機関による結果であり、その私権的、資本主義的な価値観をそのまま受け入れる必要はありません。
しかしデータ自体は概ね実感と整合しており、日本が置かれた現状を把握する上で有効です。
特に生産技術や研究開発の分野での凋落は、そのまま労働活力や生産力に繋がっており深刻に受け止める必要があります。

尚、以下の記事は、「SHAMELESS」さんの記事を参照、引用させていただきました。https://www.shameless1.com/

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 【各国のGDP総額】
経済力の指標GDPです。GDPとは1年間にそれぞれの国内で生み出された財の合計値。
グローバルノート – 国際統計・国別統計専門サイト 統計データ配信によると、https://www.globalnote.jp/post-1409.html 
1990年から2009年までの間、日本のGDPは3100000~5400000百万ドルで世界2位をキープしていた。
しかし、2010年に中国に抜かれて3位。その後も各国GDPが伸びる中、日本だけが横ばい傾向。
⇒GDP総額では日本の経済活動は停滞していると言える。

 【各国の一人当たりGDP】
データは先ほどと同じ、グローバルノート – 国際統計・国別統計専門サイト 統計データ配信のものを使用。
https://www.globalnote.jp/p-data-g/?dno=8870&post_no=1339
1997年まで、日本の一人当たりGDPは世界4位。
しかし1998年以降、一人当たりGDPが、日本だけほとんど増加せず。2013年には世界25位に転落。。
⇒一人当たりGDPでも日本の経済活動は停滞していると言えます(人口減の影響を除いても、他国より著しく結果が悪い)。

 【各国のGDPのランキング(1997/2017年)】
1997年から20年の間にランキングがどのように入れ替わったか、伸び率がどれくらいかを検証。
日本は1997年2位、2017年3位で、順位はほとんど変わっていない。
しかし伸び率を見るとわずか1.1倍となっており、他の国と比較して圧倒的に伸びが悪いことが分かる。

 【国際競争力】
IMDという機関が世界競争力年鑑(World Competitiveness Yearbook)を作成している。その結果、2018年の日本の競争力は総合25位。
世界競争力年鑑では、下記の4項目の順位から順位を算出している。
日本は経済力とインフラの評価が高かった一方、ビジネス効率性と政府効率性の評価が悪い。
・経済力(国内外経済、国際投資)・・・15位
・インフラ(インフラおよび教育、環境)・・・15位
・ビジネス効率性(生産性、労働市場)・・・36位
・政府効率性(財政、政策)・・・41位
(もっとも、世界第三の経済大国であることを考えれば、経済力とインフラの15位も評価が低いといえる。)

 尚、IMDの総合順位は1992年まで日本が1位でした。しかし、2000年までの間に急落下している。

 【品質のイメージ】
ドイツ Statistaが国の品質イメージについて、以下調査を行っている。
「あなたは”Made in …”とラベルされた製品についてどのように感じますか?」
を5段階評価で回答し、上位の2段階の評価(やや肯定的と非常に肯定的)と回答した回答者の割合を集計。

日本は8位でイギリスやカナダより下位。日本の品質は、世界では決して高く評価されてはいない。

 【日本企業のブランド力】
2つの有名な調査団体の結果のまとめ。

 ・アメリカの広告代理店WPPが算出している、BRANDZ(TM)のランキング(2008年から5年ごと)。
上位25社のうち、日本の企業はトヨタ1社のランクインです。それも2008年12位、2013年23位と低下し、2018年には圏外。

・Brand Finace(R)という英国の2018年のランキング。
日本は上位25位に2社ランクインしています。一方で、中国は7社もランクイン、韓国は4位にサムスンが入っており、日本より勢いがあることが分かる。

 【大学の研究開発力】
データはQS世界大学ランキングという日本で最も認知されている大学ランキングを使用。
日本で最も研究開発力がある東京大学の順位は8位です(2018年)。

 世界ランクは 
1 オックスフォード大学(イギリス)
2 ケンブリッジ大学(イギリス)
3 カリフォルニア工科大学(アメリカ合衆国)
3 スタンフォード大学(アメリカ合衆国 )
5 マサチューセッツ工科大学(アメリカ合衆国 )
6 ハーバード大学(アメリカ合衆国)
7 プリンストン大学(アメリカ合衆国 )
8 インペリアル・カレッジ・ロンドン(イギリス)
9 シカゴ大学(アメリカ合衆国)
10 チューリッヒ工科大学(スイス)
10 ペンシルベニア大学(アメリカ合衆国)
…    
28 東京大学(日本)

 またアジアでも13位であり、この10年間で日本の大学の評価は他のアジア諸国の大学に追い越されている。

 

List    投稿者 nihon | 2019-10-03 | Posted in 04.日本の政治構造No Comments » 

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