インドにおけるロックフェラー・ロスチャイルドの影響力の変遷を考える
●インドでも顕著なロックフェラーの退潮
ロックフェラー=シティの凋落が激しい。日本でもシティは、ロスチャイルド系の三井住友へ売却された。(2014年11月)
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>米金融大手シティグループは日本法人シティバンク銀行の個人向け事業を、三井住友銀行に売却する検討に入った。三井住友銀はシティ銀同部門の全店舗と従業員を引き継ぎ、傘下のSMBC信託銀行と事業統合する考えだ。
ロックフェラーの退潮傾向はインドでもみられるが、その変化は日本とは異なる部分もあるようだ。インドにおけるロックフェラー・ロスチャイルドのパワーバランスについては、以前も考察されているが、リンク 引き続き、検討してみたい。
まずインドでは2008年(リーマンショックの年!)にタタ財閥がシティを買収。
>インド最大手のITサービス事業者Tata Consultancy Servicesは8日(現地時間)、米金融大手シティグループのBPO部門を買収すると発表した。インド最大手のITサービス事業者Tata Consultancy Services(TCS)と米金融大手シティグループは8日(現地時間)、シティのインドを拠点としたBPO部門Citigroup Global Services Limited(CGSL)を買収する合意に至ったと発表した。
また同年、リーマンショックで痛手を受けたAIGもインド法人を含め中国建設銀行に買われている。
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>米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)は、香港の消費者向け金融サービス会社と、インドのITサービス会社の売却で合意したと発表した。売却されるのは、AIGファイナンス(香港)と、インドのAIGシステム・ソリューションズ。AIGファイナンス(香港)の売却先は中国第2位の銀行の中国建設銀行(CCB)。AIGは米政府から受けた800億ドル超の支援金返済のため、事業売却を進めている。
●英欧資本の進出の一方、ロスチャイルドには壁も
他方、ロックフエラーの退潮を尻目に、イギリス系企業のインドへの参入が進んでいる。ベアリング財閥系のブリティッシュペトロリアム(BP)は2011年にインドの資源企業、リライアンス・インダストリーズと提携を発表。
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>英石油大手BPとインドのリライアンス・インダストリーズ社との契約が成立したことに対し、22日インド政府はこれを支持する声明を表した。AP通信が伝えるところによると、契約総額は72億ドルにのぼる。リライアンス・インダストリーズ社はインドきっての大富豪ムケシュ・アムビニ氏が経営権を握っている。アムビニ氏の資産総額はフォービス誌によれば275億ドルと試算されている。
ただ同じイギリス系でもロスチャイルド家へは風当たりが強いものがあるようだ。
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>(ウォール・ストリート・ジャーナル)何十年間にわたりインドを訪れているロスチャイルド家のメンバーで金融資産家のエブリン・デ・ロスチャイルド卿は、新たな児童養護施設の設立資金を調達するため2004年に同国との関係強化を目指してきた。2011年に7月に2つの案件が提訴された。まず同夫妻は児童養護施設「レディー・リン・ジョイフル・ホーム」運営資金を寄付したインド慈善団体が運営に失敗し、同資金を横領したとして同団体の責任者と理事会の解任を求めて提訴した。 一方慈善団体側では、同施設への資金注入を妨げたとしロスチャイルド家を独自に提訴している。別々の裁判所に提訴された2つの案件の審理は依然始っていない。
エブリン・ロスチャイルドの夫人であるリンロスチャイルドは2007年にはインド農業のグローバル化をアピールしていたようだが、インド農業は市場化推進で貧困率、自殺率が上昇しており、慈善家のバケの皮がはがれつつあるのかもしれない。
http://blog.goo.ne.jp/arai647/e/aedf75f51494787f5dce027e4a411bca
●日本やインドネシアを媒介にインド市場に挑むロスチャイルド
インドは戦後、英国からの脱出を通じてロスチャイルドからの脱却も図ったものと考えられるが、社会主義路線が頓挫するとアメリカに接近。ロックフェラーの隠し子といわれるビルクリントン大統領がインドを新自由主義に引きずり込んだ。ところが、ブッシュが軍需産業の餌食にしようとした結果、インドは再びアメリカと距離をおくようになっている。
しかし、だからといって単純なロスチャイルド回帰が起きているということでもないようだ。(ベアリング財閥は実はロスチャイルド財閥よりも古い財閥であり、単純にロスチャイルド系とはいえない)
例えば、エドモンド・ロスチャイルド銀行は、三井住友と連携してインド投資ファンドを販売している。リンク
またナサニエル・ロスチャイルドはインド市場の拡大をにらんで、インドネシアと接近。
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>2011年11月17日(ブルームバーグ):ナサニエル・ロスチャイルド氏が30億ドル(約2500億円)を出資し誕生するインドネシア最大の石炭生産会社が、ロンドン市場への上場を目指す見通しだ。ロスチャイルド氏は中国とインドの経済成長を背景に石炭を有望な投資先とみている。
つまりロスチャはインド市場に対してインドネシアや日本を緩衝材として間接的にしかアプローチできていない。実際、戦前・戦中もインドの英国への抵抗は大きく、ロスチャイルドは直接支配からゾロアスター教徒サッスーン財閥を緩衝材においた間接支配に切り替えた。サッスーンのその後の没落をみると、この間接支配すらインド社会の抵抗は大きいとみるべきではないだろうか。
まとめるとロックフェラー、アメリカの退潮に伴って、イギリス系資本の進出が進んではいるものの、植民地支配時代の失敗を繰り返したくないインドの慎重なビジネスパートナー選びの壁が、そこには立ちはだかっているとみるべきだろう。
そういう意味で日本はインドから期待されていると同時に、欧米の隠れ蓑に使われはしないかという怪訝な目で見られているということも自覚すべきであろう。
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