2014年09月25日

脱グローバリズムの可能性をロシアに探る7~2000年代、金貸し支配に反撃を開始したプーチン

「ソ連を崩壊させ、国営企業を乗っ取った金貸し」で述べた論旨は次の通りである。

世界最大の「未開市場」はソ連=ロシアを市場化させるために、ロックフェラーはゴルバチョフを担ぎ出し、市場開放政策を取らせることで、ロシアを国際市場に取り込んでいった。 IMFは借金の見返りにロシアの国営企業の民営化を勧告する。IMFの狙いはロシアの市場化をより進めていくことであり、これはロシアへの参入を企てようとするロスチャイルド財閥の狙いがあった。
ロシア市場化のために、国有財産を国民に平等に分配するという建前でつくられた債権バウチャーを買い占めることで、ロシア新興財閥は国有財産を手に入れた。そして、ロシア経済が悪化すればするほど、多くのエネルギー会社が新興財閥の手に渡り、新興財閥はさらに勢力を拡大することになった。
その後も原油価格は下落し続け、ロシア政府は新興財閥から借りていた借金を返済できなくなった。そしてついに、1998年ロシア政府とロシア中央銀行は対外債務を 90日間支払い停止すると発表することになる。

つまり、1990年代までは一貫して、ロシアは金貸し勢力から収奪され続けていた。

それに対して、国家を揺るがすオリガルヒから企業を奪い返し(国有化)、その後は輸出全体の6割を占めるエネルギー資源を貿易の基軸にすえることで、国家経済の立て直しを図ったのが、プーチンである。

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プーチンとはどのような人物なのか?その経歴を紹介する。 『金貸しは、国家を相手に金を貸す』「破局後の覇権獲得を狙うエネルギー大国ロシア」

■ KGBを経て大統領まで上り詰めたプーチン
ウラジーミル・プーチンは1952年レニングラードに生まれます。60年代の強いソ連時代に青年期を送り、なんと、中学の時に一度KGBの門をたたいたそうです。その時は断られたものの、その後レニングラード大学法学部時代にKGB(国家保安委員会)にリクルートされ、大学卒業後、KGBに入りました。KGBでは東ドイツで諜報活動に従事、ドレスデンを拠点に、西ドイツ経済界への食い込みや人脈作りを担当していたともいわれます(西独最大手のドイツ銀行と、業界3位のドレスナー銀行との親密な関係あり)。
 
冷戦崩壊→KGB廃止後は、サンクトペテルブルグ市長の国際問題の顧問団のひとりとして、欧米企業によるサンクト市への投資の誘致で大成功を収めます。その功績から1994年には、サンクトペテルブルグ市長でレニングラード大学の恩師でもあったサプチャークから、副市長に任命されます。
その傍らで、「国家鉱業研究所」の研究員を兼務し、「ロシアの豊かな資源を活用すれば、世界的な大国の座を取り戻すことができる」と考え、「ロシア経済発展のための鉱物資源戦略」と題した論文を発表。その中で、石油やガスといった資源産業を再国有化し、その国有企業群の経営を欧米並みに効率化するとともに、金融機関の機能を併設して「金融産業企業群」となることで、世界からロシアの資源開発への投資資金を集めるメカニズムを作ることを提唱しました。
 
そして、KGBの後身であるロシア連邦保安庁(FSB)の長官を経て、1999年にロシア大統領に就任。KGBを中心とした、軍、警察、内務省(通称シロビキ)の軍事力系人材で閣僚を固めました。
 
☆プーチンの幼少からのKGBへの憧れや、その後の経歴、「強いロシア」の標榜からは【並ならぬ愛国精神】が感じられます。

■ 大統領就任後は主要マスコミ、資源企業を国有化
大統領就任後、プーチンは国家権力を行使することによって、財界に巣食うオリガルヒを排除し、国内主要マスコミの国有化と、国家経済の柱となるエネルギー資源企業の国有化を実現します。 
マスコミをおさえていたグシンスキーとベレゾフスキーに対しては、脱税容疑で刑事訴追→国外逃亡に追いやり、彼らの所有するマスコミを国有化。
石油大手「ユコス」を所有するホドルコフスキーに対しては、脱税などの罪で実刑判決に追い込み「ユコス」は破綻、国営企業「ロスネフチ」がそのユコスを吸収しました。 
アブラモビッチが所有していた石油企業「シブネフチ」は、国営企業「ガスプロム」が買収しました。

■ 米国(ロックフェラー)への利権流出を徹底阻止
プーチンの思惑(オリガルヒ排除)に対抗するために、オリガルヒたちは主に米国(ロックフェラー)をバックに付けようとする行動に出ましたが、プーチンはこれを徹底的に阻止します。
オリガルヒの一人であるポタニンが、所有する鉱山会社「ノリリスク・ニッケル」の株式をアメリカの証券市場で売る目的で、情報公開を行おうとしたところ、プーチンは直前にそれを阻止。
同様に若手オリガルヒのデリパスカが、所有するアルミ精錬会社「ルサル」の設備の一部を、アメリカのアルミ会社「アルコア」に売却しようとした際にも、プーチンはそれを阻止する行動に出ています。
 
エクソンモービルやシェブロンテキサコが全体の3分の2を取得していたサハリン3の開発権(1993年に入札)は、プーチンが強権発動で2004年にそれを白紙撤回しました。
 
石油大手「ユコス」と「シブネフチ」を、エクソンモービルに売却しようとしていたホドルコフスキーに対しては、上述の通りです。

■ ロスチャイルドの接触には容認か
一方で、ロスチャイルドと国内企業との接触に対しては容認する姿勢を見せています。
 
前回の記事「エネルギー市場はどうなっている?(9)ロスチャイルド家のエネルギー戦略」では、ナサニエル・ロスチャイルドとデリパスカ(オリガルヒの一人)が、アドバイザリー契約を結んでいること、そして資源商社グレンコア(ロスチャイルド系)が、デリパスカの所有するアルミ精錬会社「ルサル」の株式の14%を取得したことに触れました。
 
これに対してプーチンが阻止する動きは、今のところないようです。
また、石油大手「ユコス」が破綻した際には、その株の一部がロスチャイルドにも流れていたようです。
 
これは、ロシア資源に正面から利権獲得を図ろうとする米国(ロックフェラー)と比較して、ロスチャイルドの手口の旨さも要因にありそうです。
しかし逆にプーチンからしてみれば、すでに天然ガスのパイプラインがロシアから欧州各地に張り巡らされており、ロスチャイルド(欧州)に対しては、いざとなればこのパイプラインを武器に勝負できると考えているようにも思えます。

■ 破局後の覇権戦略が着々と進行中
ここまで見てきた様に、プーチンが金貸し(ロスチャイルド、ロックフェラー)に対して、直接的な支配を受けることなく、強気の政策を実行できるのは、やはり圧倒的なエネルギー資源の保有量がその力の基盤になっていると言えそうです。 
金融市場崩壊→経済破局が現実になれば、必然的に経済は現物市場に移行することになります(だからこそ金貸しも今になって現物の確保に躍起になっています)。ゆえに金融危機が目前に迫っている現在、すでに大量の資源(現物)を保有するロシアは、金貸し支配に対抗するだけの力を持ち得たのでしょう。
 
プーチンは、着々と破局後の覇権獲得の準備を進めています。
 
欧州に対してはドイツへの直結ガスパイプラインが開通予定で、中国へは年間680億立米、1兆ドルに上る天然ガス供給を始める計画を発表しています。他にもイランからパキスタン、インドにつながるパイプラインの建設も計画中。さらには米国や日本へも天然ガス供給を目論んでいるようです。
 
また、プーチンは、20年という長期スパンで国家を立て直す計画を打ち出しており、これも破局後を見据えていることを示唆するものと言えるでしょう。

 まとまめると、1990年代までロシア社会は金貸しの好き放題に収奪され、ロシア経済はガタガタになった。2000年代に入ってプーチンが登場。

KGBの諜報力を背景に、マスコミとエネルギーを国有化によって手中に入れたプーチンは、新興財閥を抑えつけ、国益第一の反金貸し政策に転換する。

2008年、2期の任期で大統領を退いたものの、2012年には再び返り咲いたプーチンは、金貸しとの対決色を強めてゆくことになる。

それは次回、紹介したい。

List    投稿者 nihon | 2014-09-25 | Posted in 01.どうする?マスコミ支配No Comments » 

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