官僚・マスコミは無能だから対米(戦争屋)従属を続ける
『新ベンチャー革命』2009年12月20日「見苦しい対米従属主義者:ビロンガー根性の権化」に「米国ジャパンハンドラーの対日マインド・コントロールは続いているのか」という提起があった。
戦後、米国ジャパンハンドラー(軍産複合体系米国覇権主義者=戦争屋=CIAの対日責任者)が、戦後日本人のマインド・コントロールをしてきたのは確かで、それは3S政策やWar Guilt Information Programなどで明らかですし、戦争屋=CIAのジャパンハンドラーが、いかに日本の大手マスコミの親米化(親・戦争屋=CIA)に注力してきたかは、元々中国寄りで左翼的であった朝日新聞の変節プロセスを分析すれば明らかです。
今年8月末の政権交代後、国民多数から遊離した大手マスコミの異様な対米従属主義固執という珍現象は、戦争屋=CIAの対日本マスコミ圧力の結果なのでしょうか。どうも筆者には違うような気がしてなりません。なぜなら、2009年日米同時政権交代によって、アンチ・オバマの戦争屋=CIAの対日圧力は大幅に低下しているはずだからです。2008年末までのブッシュ政権時代と同様に戦争屋=CIAの対日圧力が現在も維持されているならば、そもそも、日本で政権交代は起きなかったはずです。勢いのあった頃の戦争屋=CIAが本気で小沢民主党を潰す気であったなら、今頃、小沢氏は中川昭一氏同様、この世にいなかったでしょう。
以上の分析から、現在の大手マスコミの異様な偏向(一般の国民世論を軽視した大幅な逸脱現象)は、戦争屋=CIAの対日本マスコミ圧力によるものとは必ずしも言えないと思われます。現在の大手マスコミは、親米寄り報道すればアメリカ様(おもに戦争屋=CIA)が喜ぶのではないかと勝手に決め込む、単なる対米ゴマスリ主義にすぎないのではないかとすら思われます。なんと情けないことか。
「米国ジャパンハンドラーの対日マインド・コントロールは続いているのか」という問いに対しては、続いていると答えるべきだろう。日本の資金力が戦争屋-CIA勢力の命綱である以上、対日圧力は数年前より衰えたとはいえ、日本支配を放棄するはずがない。
但し、日本の官僚・マスコミの偏向ぶりについては、その外的要因(戦争屋-CIA勢力の圧力)と共に、内的要因も押さえておく必要があるのは確かである。
まず、押さえるべきは、特権階級の自家中毒→暴走の構造である。
『るいネット』「潮流7:暴走する社会(特権階級の暴走と下層階級の暴走)」より引用。
団塊世代以降の特権階級は、貧困を知らず、本当の私権圧力を知らない。従って、彼らは、肉体的欠乏に発する本当の目的意識を持ち合わせていない。彼らは、単に試験制度発の「合格」という無機的な目的意識を植え付けられてひたすら試験勉強に励み、「特権」を手に入れた連中である。しかも彼らの大半は、試験制度という与えられた枠組みの中でひたすら「合格」を目指してきたので、その前提を成す枠組みそのものを疑うという発想が極めて貧弱である。
従って、彼らは社会に出てからも、ひたすら既存の枠組みの中で走り続けることになるが、もはやそこでは、既存制度によって与えられた特権の維持と行使という目的以外の目的意識など生まれようがない。かくして、団塊世代が幹部に就いた’00年以降、彼ら特権階級はひたすら与えられた特権を行使し、次第に「社会を動かし」「世論を動かし」ているという支配の快感に溺れてゆくようになって終った。
それだけではない。危機に脅えた特権階級は、アメリカの力に拠り縋り(その結果、アメリカの言い成りになって)中立公正も何もない露骨な偏向・煽動報道によって小泉フィーバー、郵政選挙を演出し、更には検察とマスコミが一体となって、鈴木宗男、佐藤優、植草一秀、小沢秘書etcの政敵を失脚させてきた。
これは、麻薬中毒よりももっと恐ろしい、権力の自家中毒である。
実際、対米従属を続けることが官僚・マスコミの特権・権益の基盤になっていることが、『田中宇の国際ニュース解説』2009年11月15日「日本の官僚支配と沖縄米軍」からも伺える。
▼米国の威を借りて自民党を恫喝した官僚
対米従属による日本の国家戦略が形成されたのは、朝鮮戦争後である。1953年の朝鮮戦争停戦後、55年に保守合同で、米国の冷戦体制への協力を党是とした自民党が結成された。経済的には、日本企業が米国から技術を供与されて工業製品を製造し、その輸出先として米国市場が用意されるという経済的な対米従属構造が作られた。財界も対米従属を歓迎した。日本の官僚機構は、これらの日本の対米従属戦略を運営する事務方として機能した。
この政財官の対米従属構造が壊れかけたのが70年代で、多極主義のニクソン政権が中国との関係改善を模索し、日本では自民党の田中角栄首相がニクソンの意を受けて日中友好に乗り出した。その後の米政界は、多極派と冷戦派(米英中心主義)との暗闘となり、外務省など日本の官僚機構は、日本の対米従属戦略を維持するため冷戦派の片棒を担ぎ、米国の冷戦派が用意したロッキード事件を拡大し、田中角栄を政治的に殺した。
田中角栄の追放後、自民党は対米従属の冷戦党に戻ったが、外務省など官僚機構は「対米従属をやめようと思うと、角さんみたいに米国に潰されますよ」と言って自民党の政治家を恫喝できるようになった。官僚機構は、日本に対米従属の形をとらせている限り、自民党を恫喝して日本を支配し続けられるようになり、外務省などは対米従属を続けることが最重要課題(省益)となった。
日本において「米国をどう見るか」という分析権限は外務省が握っている。日本の大学の国際政治の学者には、外務省の息がかかった人物が配置される傾向だ。外務省の解説どおりに記事を書かない記者は外されていく。外務省傘下の人々は「米国は怖い。米国に逆らったら日本はまた破滅だ」「対米従属を続ける限り、日本は安泰だ」「日本独力では、中国や北朝鮮の脅威に対応できない」などという歪曲分析を日本人に信じさせた。米国が日本に対して何を望んでいるかは、すべて外務省を通じて日本側に伝えられ「通訳」をつとめる外務省は、自分たちに都合のいい米国像を日本人に見せることで、日本の国家戦略を操作した。「虎の威を借る狐」の戦略である。
80年代以降、隠れ多極主義的な傾向を持つ米国側が、日米経済摩擦を引き起こし、日本の製造業を代表して米国と戦わざるを得なくなった通産省(経産省)や、農産物輸入の圧力をかけられて迷惑した農水省などは、日本が対米従属戦略をとり続けることに疑問を呈するようになった。だが外務省は大蔵省(財務省)を巻き込んで、方針転換を許さず、冷戦後も時代遅れの対米従属戦略にしがみつき、巨額の思いやり予算で米軍を買収して日本駐留を続けさせ、自民党を恫喝し続け、官僚支配を維持した。
官僚機構は、ブリーフィングや情報リークによってマスコミ報道を動かし、国民の善悪観を操作するプロパガンダ機能を握っている。冷戦が終わり、米国のテロ戦争も破綻して、明らかに日本の対米従属が日本の国益に合っていない状態になっているにもかかわらず、日本のマスコミは対米従属をやめたら日本が破滅するかのような価値観で貫かれ、日本人の多くがその非現実的な価値観に染まってしまっている。
今や日本の財界にとっても、米国市場より中国市場の方が大事であり、対米従属は経済的にも過去の遺物だ。だがこの点も、日本のマスコミではあまり議論検討されていない。外務省などによる価値観操作をともなった対米従属戦略は成功裏に続いている。
以上から、未だ、日本の官僚・マスコミが対米(戦争屋)従属を続ける内的要因は、次のようものだと考えられる。
①戦後60年に亙る戦争屋-CIA支配の結果、日本の特権階級にとって対米(戦争屋)従属することが、自らの特権を維持することと一体化した。
②次に、団塊の世代以降、自らの特権の維持と行使という目的以外の目的意識を持たない特権階級はひたすら与えられた特権行使の快感に溺れてゆく(特権階級の自家中毒)。
③そうなると、戦争屋-CIAの圧力が衰弱しても、自家中毒であるが故に、その情勢変化を読み取ることもできず、自らの特権維持のために相変わらず対米(戦争屋)従属を続けている。
ところが、対米(戦争屋)従属を続ければ続けるほど、世界の覇権闘争上優位にある欧州勢力からも、反米・脱米を強める新興国からも見放され、日本国内でも共認収束を強める大衆からも見放されていくことは、日の目を見るより明らかである。
『新ベンチャー革命』でも「なんと情けないことか」と指摘されているが、日本の官僚やマスコミが対米従属を続けるのは、突き詰めれば、彼らが無能だからだ。そして無能化するのは、彼らが自らの特権維持のことしか頭にないからである。
いつも応援ありがとうございます。
(本郷猛)
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コメント3件
ないとう | 2010.07.27 16:08
>mameさん
私には、小政党の乱立にも、アメリカの意図があるように思えて仕方ないです。
小さな野党が登場すれば、反対意見を言ってくれて、その分、国民の変革意識が流産していく・・・90年以降の日本政治は、そんな風に総括できてしまうかもしれませんね。
hermes handbags danmark | 2014.02.01 17:30
hermes records website 日本を守るのに右も左もない | 小政党が乱立するのは、なぜか? ~小政党が続々と登場した1993年と2005年の共通項は?~
mame | 2010.07.27 1:30
>小政党だからと言って、新しい政治を実現できる訳ではない。
前回の選挙もしかり、たくさんの小政党ができて、どの党も意気込みはたっぷり・・
だけど実際、どれだけ見込みがあるのかまでは読むことなんて出来きませんでした(そもそも可能性なんてなかったからかも?)。加えて、今の暗い世の中、小さくても活力がある方がいいかも!って感じちゃうかも・・・
大事なのは、各党の構成人員がどこの出身なのか、その党の前身は?を知ること(=事実を知ること)。それが判断の軸になるということですね!
これまでに出てきた数多くの小政党についても、どういう経緯で誕生したのかが分かってスッキリしました!!