人を集める前に自分達の生きる場所を「ステキに変える事」 ~神山町の地方創生の成功事例から学ぶ~
現在、若者の都市への移住による地域の過疎化や農林業・漁業の後継者不足による産業の衰退などが問題視されている為、地方はどこも地方創生課題に直面している。
今回、地方創生の成功事例とし注目されている徳島県神山町にスポットを当ててみたいと思う。
徳島空港から車で約1時間。徳島県東部に位置する名西郡神山町は鮎喰川の上中流域にある雄大な山々に囲まれたのどかな田舎町だ。もともと神山杉をはじめとする農林業で栄えていた人口6000人足らずの小さな過疎の町である。
こんな小さな町を成功に導いたのは、大南さんというある一人の仕掛け人の存在がある。
大南さんのインタビュー記事を見つけたのでリンクを貼りつけます。
・地方創生の成功例・神山町はどのようにして移住者を惹きつけたのか?
(https://www.homes.co.jp/cont/press/rent/rent_00380/)
・サテライトオフィスが集まる神山町。移住者を受け入れる中で変わった住民の意識とは
(https://www.homes.co.jp/cont/press/rent/rent_00382/)
一番重要なのは大南さんのこの言葉に纏められている。
「ホンモノをつくったら、必ずそれを評価するひとが出てくると思っていました。過疎のまちを生き生きとさせるには、『移住者を集めること』を目標にするのではなく、『そのまちをステキに変えること』が大前提です」(大南さん談)。
このような取り組みから生まれたものとして、、、、
『神山アーティスト・イン・レジデンス事業』
1999年にはアートを軸にしてまちづくりを行う『神山アーティスト・イン・レジデンス事業』がスタート。“観光客を集めるためにアートイベントを神山町で開催する”というありがちな企画ではなく、“国内外のアーティストを過疎のまち・神山に呼んで作品づくりを住民とともに行う”という前例のないアイデアが注目を集め、外国人アーティストの間でもその評判が伝わったことから、神山町の名前は“過疎のまち”から“国際交流のまち”として認識されるようになった。
『サテライスオフィスの開設』
2010年、神山町のユニークな取り組みに着目した東京のITベンチャー企業。町内の古い空き家を改装してサテライトオフィスを開設。スタッフが川辺の岩場にのんびり腰掛けながらノートパソコンを開き、東京本社とチャットで打ち合わせをする姿が様々なメディアで紹介されると、“新しい働き方ができるまち”として注目を集め、今度は「神山町にオフィスを置きたい」「神山町で新会社を設立したい」といった企業が続々と名乗りをあげはじめた。
2016年には、神山町内には、働く場所を選ばないIT・デザイン・映像関連の企業を中心として16社のオフィスがあり、合計30名の新たな雇用を生み出している。最初は単身赴任で暮らしていた社員が、田舎暮らしに魅せられて東京から家族を呼び寄せるケースもあり、まちには移住者も増えた。こうして、仕事が人を呼び、人がさらに人を呼ぶ、というまさに理想的な『神山モデル』の循環が生まれたのだ。
「オフィスを開くにしても、移住をするにしても、“四国なら、あそこと、あそこと、あそこ”と、まずは候補に挙がることが大事ですから、挙がるためにはどうするか?を考えなくてはいけません。普通は、“うちの町に来てくれたら助成金を払います”といってお金で人を集めることを発想しがちですが、お金で集まったひとたちはお金がなくなったら必ず離れていきます。だから、“条件は悪くてもここに来たい”と思わせることが大事なのです」(大南さん談)。
このような発想が、仕事が人を呼び、人がさらに人を呼ぶという理想的な循環を産んだと言えるのではないだろうか。
地域の住人がこのように外部の人間を受け入れられるのは、古くからの風土が関係していると言える。
更に、大南さんはこうも言っている。
これは“神山だから起こった奇跡”ではなく、ちょっと発想を変えればどこの過疎のまちでも実践できることです。一番大切なのは“役割分担”。代表者がひとりでみんなを引っ張っていくのではなく、ある局面ではある人が引っ張り、別の局面では別の人が引っ張る…という感じで、それぞれの得意分野で浮き上がった人がお互いを引っ張り合うようにして進んでいくことである。
これって実は、どんな仕事でも言える事ではないでしょうか?
今回、地方創生の成功事例ということでスポットをあててみましたが、今の社会潮流において人と人の繋がりが新しい事業を作っていく事でしょう。
それって『社会をステキに変えていく』という事に繋がっているのだと思います。
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