【世界の力を読み解く】マクロン再選から見る今後の世界情勢/金資源本位制が現実味を帯びてきている
コロナやウクライナ戦争、異常なドル高に円安と世界が大きく動いているように見える状況の中で、4/24にフランスで大統領選挙が行われました。前評判ではルペンが勝つのではないかという評価もありましたが、終わってみれば現職のマクロンが当選。
得票率は【現職の中道、マクロン大統領58.4%】、【極右政党のルペン前党首が41.6%】のようになりました。
この結果は今後世界情勢に影響していくのかを考察していきたいと思います。
〇前回選挙のおさらい
5年に一度の仏大統領は、前回の2017年もマクロンとルペンが決選投票に臨み、66%対34%でマクロンが圧勝でした。世論調査ではマクロン43%、ルペン41%。マクロンの優勢が2ポイントしかなく、有権者の16%が未決定でした。
マクロンは2017年の大統領選で、エリート支配を壊してフランスを方向転換して良くすると宣言して当選しましたが、結局はエリート支配に絡め取られ、事態を変えることなく選挙戦に入りました。
〇なぜ現職のマクロンが勝利したのか?
・マクロン大統領の勝因
新型コロナウイルスやウクライナ情勢への対応が評価されて、左派や右派の党派を超えて幅広い年齢層から支持を集めたこととあります。ルペンがEUと距離を置きロシア寄りの姿勢を示したのに対し、ヨーロッパの安定にはEUの結束が欠かせないと訴えていました。
・ルペン候補の敗因
ウクライナ情勢などを受け、先行きが不透明な中、多くの有権者が安定した国の運営を実績のあるマクロン大統領に期待し、逆にルペン氏に対しては自国の利益を優先し国際協調も乱しかねないという警戒心があったと言われています。
表向きに出てくる勝因・敗因というのは上記のようなものになっていますが、広報用になんとなく納得しやすい理由を作ったに過ぎません。
今やどこの国の代表選挙も国内の意向よりも外交の力関係で決まっているというのが暗黙の了解であると思います。不正選挙とまでは言いませんが、結果をコントロールして民主主義の体裁を保つためだけの選挙をしているというのは常識になりつつあると言えるでしょう。
※エリート支配から脱したいという国民の意識や、エリート層を優先した政策失敗の結果があるにも関わらずマクロンが当選するという事は、トランプからバイデンに変わった米国と同様の構造にある。
〇ロシア=悪を前提として周辺諸国代表の声を紹介
こちらのサイトで紹介されている周辺諸国からの祝辞のコメントにおいても基本的にはウクライナ騒動においてはロシアが悪という前提での内容となっています。メディアは徹底してロシアが悪となるように情報操作を続けています。ウクライナ住民の虐殺というのも根拠なくロシアに押し付けるどころか、ウクライナ内に存在している反ロシアの極右勢力が行ったと見られる証拠も出始めています。
・ウクライナ情勢から、21世紀の情報戦を考える。
・ウクライナ。各国の国内報道と主張。
欧米諸力側とそれ以外の諸国でロシアに対する印象は大きく違っています。
〇ウクライナ騒動の長期化は避けられないのか?
EU諸国の多くがロシアから天然ガス(エネルギー資源)を止められることを避けたいというのが本音です。
・ロシアに対する世界の主要諸国のスタンスは?
その本音を通そうと思うのであればルペンを大統領とするべきだったと考えられますが、それを国民というよりも欧米勢力が許さなかったと考えるのが妥当でしょう。
もしフランスでルペンが当選していれば、フランスの欧米支持からの脱退、それに追随してドイツなど本音ではロシアから資源供給を受けたい国も脱退と一気に結束は崩れ、メディアのロシア=悪とする報道の嘘やこれまでの支配構造が明るみなり、米国(ドル)崩壊が現実になっていた可能性がありました。なんとかそれを食い止めたに過ぎないとは思いますが、これでウクライナ騒動がもうしばらく続くことが明らかになったとは言えるでしょう。
〇金資源本位制の準備を着実に進めるロシア
目先のフランス大統領選挙やウクライナ騒動だけに気を取られることなく、ロシアは欧米諸国を排除するための準備を着実に進めています。その中身が金資源本位制とドル決済からのルーブル決済への転換です。金資源類の価格決定権を欧米から剥奪し、ドル決済に縛られることなく各国が決済できるようにすることで確実にドルの力を削ぐ動きに入っています。
フランス大統領選の数日後の4/29に、ロシア政府が「金資源本位制」の導入を検討していることが正式に発表しました。これが正式に発表されたという事は、そう遠くはない未来に上手くいく見通しが立ったという事でしょう。
ウクライナ騒動終了=【金資源本位制の実現、ドル崩壊】が現実味をおびてきました。ウクライナ騒動を延ばすことにはなんとか成功した欧米勢力ですが実態的にはロシア優勢は変わっていないようです。
by Satoshi
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.nihon-syakai.net/blog/2022/05/13367.html/trackback