【世界の力を読み解く】~COP26から見えること/中露派に舵を切る日本だがメディアは未だに欧米偏重~
最近話題となったCOP26ですがこの国際会議を通して見えてきたものはなんでしょうか?
欧米諸国の日本に対しての扱いは相変わらずひどいもので、アジアを中心に途上国の脱炭素化の支援として100億ドル追加支援を表明(リンク)させられた上に、温暖化など気候変動対策に後ろ向きと認められた国が選ばれる“化石賞=不名誉な賞”まで与えらえる始末です。
しかし、日本はもともと隠れ中露派であると思われ表立った対立は避けた無難な対応で乗り切っているのだと推測されます。
このように表に出てきている情報と各国の真意は別のところにあるのが常です。
今回はCOP26の裏で各国の力学がどのように動いているのかを考察していきます。
〇COP26に向けて仕掛けられたエネルギー資源の高騰
COP26とは一見無関係に動いているように見える事象がいくつかあります。これらの事象に限らずどんな事象にも必ず動機があります。自然発生的のように思わせるのがメディアの役割です。
例えば、COP26の直前に世界インフレ(=化石エネルギー資源の高騰)が発生しました。(リンク)
これはCOP26に向けてエネルギーが不足しているという世界共認を作って、脱エネルギー政策を推進することは大切だという意識潮流を作るための策だと思われます。(=中露が欧米諸国の脱エネルギーを後押し)それにより欧米諸国は民意も得ながら熱心に脱エネルギー政策に取り組んでいく事になります。
元々、地球温暖化政策は1990m年代に欧米諸国が経済発展する中国インドなど新興諸国の儲けを搾取するために、CO2排出権を生み出したが、これから発展=排出する国ではなく、これまでに排出した先進諸国がお金を出せと反撃され自滅することになったのです。
これらを仕掛けた当人達(中露)は温暖化対策が無駄なことが分かっているので当然COP26は不参加です。
※隠れ中露派の日本もおそらく温暖化政策が無駄なことに気づいており、化石賞を2期連続で受賞して平気でいるのでしょう。とはいえ何もしないわけにはいかないので生産活動は続けつつ、支援金を出すことを落としどころにしたのでしょう。
そもそも地球温暖化により20年後には地球も人類も滅亡するという事を20年前から言い続けているが実際には大きな問題は起きていません。温暖化の嘘もそろそろ限界にきているのではないでしょうか。
実際にこのような温暖化政策に可能性を感じられないからか、フランスを例にみると脱化石燃料→原子力発電へシフトしており、既存の技術かつ全くもってクリーンでないエネルギーに力を入れ始めているという混乱状態です。
〇実は中露に抵抗できない欧米諸国
中露の脱エネルギー政策の非協力的な態度に対して不満をぶつけたい欧米諸国ですが、すでに力の差は明らかであり直接的にぶつかることもできず、情けないことに台湾を通しての間接的な反抗に出るだけで止まっています。
バイデン大統領は日米豪印4カ国によるクアッド(QUAD)、米英豪による新たな安全保障協力オーカス(AUKUS)などを強化・創設し、多国間で中国に対抗する姿勢を鮮明にしていますが特に成果は見られません。
さらには、台湾を武力的に支援して中国を威嚇していますがそれも特に発展はありません。台湾への支援についてもいざというときに見捨てて逃げられるようにしているため明確な協定などの国交には発展していないことから、力学的に完全に中国が優位であることが分かります。
台湾の民主主義を善として、中国の独裁を悪として批判するなど、中国を批判する理由を無理やりに作っていますが、それは実態とそぐわない批判です。中国の独裁制を批判していますが実現力の部分では圧倒的に中国が優勢であることに変わりはありません。
その結果として欧米企業は中国からの撤退を余儀なくされています。そういった話が表に出ることはなく、メディアでの打ち出しは全く異なるものとなっています。その事例の一部が以下のような記事です。
・【COP26】 バイデン氏、欠席の中国とロシア首脳を批判
・深刻化する中国のエネルギー危機、影響は世界に広がるおそれ
・脱中国へ、欧州議会が台湾との関係強化求める報告書可決
・「挑戦的な事業環境のため」ヤフー、中国から完全撤退
〇現実世界で起こっていることはメディアでは掴めない
世界で起こっていることもちょっと角度を変えてみると、現実とメディアが大きく乖離していることに気づきます。日本は大きくは中露派に舵を切っていますが、日本のメディア情報がいまだに欧米偏重であることが分かります。
中露が欧米諸国に対してかなり優位にあるように思えますが、それでも日本は隠れ中露派として未だに欧州に対してもへりくだった姿勢を示している真意は何なのか?
今後の国内の動向を予測する上でも重要なポイントになると思われます。
継続して世界の動向に注目していきたいと思います。
by Satoshi
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