次の政権はマスコミの論調で決まる⇒毎日新聞の場合

2008年09月14日

次の政権はマスコミの論調で決まる⇒毎日新聞の場合

自民党総裁選挙、さらにはその後の解散選挙に向けて慌しくなってきました。
日経、読売、朝日、産経に続いて毎日新聞の社説を分析していきます。
いつも応援ありがとうございます。

■自民は即衆院解散へ
まず福田辞任の翌日の社説(9/2)では、突然の退陣表明を痛烈に批判。この一年の成果の乏しさを指摘すると共に、『国民に責任を感じるとすれば、直ちに衆院解散・総選挙に踏み切ること以外、与党には道はなかろう』と論じている。
その後の自民党総裁選におけるメディアを使った人気取りについては、冷ややかな目で見つつ、分裂する自民に対して党としての政策提示を要求。

『こうした演出効果に頼らざるを得ないほど自民党が追い込まれていることを、多くの国民はさめた目で見ているのではないか。そのぐらいのがけっぷちに立たされての総裁選だ。そのことを自民党は自覚しなければならない。』(9/3)

『今回はだれが総裁になり、首相に就任しようと早急に衆院解散・総選挙に臨むことになる。消費税をどうするかなど総裁選での論争結果を、衆院選での自民党マニフェストに反映させ、きちんと有権者に提示することが、政権党としての最低限の責務だ。』(9/6)

『麻生氏は経済対策で「目先は景気対策、中期は財政再建、その後、改革による経済成長」と語ったが、財政出動による対策を最優先する主張の迫力不足は否めない。』(9/13)

『真の首相を決める総選挙を控え、総裁選は「準決勝」とも「予備選」とも言われる。その意味で、小沢一郎民主党代表が総裁選の「陰の主役」である。麻生氏らは、総選挙のマニフェストの基礎となる具体的な主張を展開すべきだ』(9/13)。

■民主に期待するも、政策の無さを指摘
一方民主はどうか？

『民主党代表選の告示日まで、１カ月を切った。小沢一郎代表の３選が有力視されているが、対立候補も含め、正式な出馬表明はなされていない。民主党の存在を世に誇示する絶好の機会を見逃してはならない。
『今回の代表選は次期総選挙での首相候補の選出を意味している。マスコミ各社の世論調査では、民主党政権誕生の可能性は低くない。』(８/17)

『２１日の党大会で小沢氏はなぜ政権交代が必要か、率直に語りかける必要がある。民主党政権樹立の際は自らが首相となる決意も、改めて公式に宣言すべきだ。
＞どんな政治主導の統治機構をイメージしているのか。必要な財源規模と積算根拠をどう見積もっているのか。より具体的で説得力のある説明を欠いたままでは、政権担当能力の証明には不十分だ。』(9/9)

民主党への期待感を表明するも、福田辞任後もなかなか具体的な政策を示さない民主党の頼りなさを懸念事項としている。
毎日は解散総選挙を既定路線に、やや民主寄りの論調を見せているが、ビジョンの見えない自民・民主に明確な政策を要求している。
■何を争点にしているか？

『小泉構造改革の是非について、明確な態度表明が必要だ。消費税増税など税制改革も含めた社会保障のビジョン、対北朝鮮外交など政策を説明しなければならない。』(9/3)

「新冷戦」とも言われる米露対立の中で、日米関係は必ずしも良好ではなく、北朝鮮の拉致問題や核問題の行方も不透明だ。日中、日韓関係や、アフガニスタンやイラク情勢への取り組みも大きな課題であり、いずれ衆院選でもテーマとなる。これらについても候補者は具体的に言及する必要がある。(9/6)

先ず注目されるのは自民党には小泉構造改革の是非を問うている点である。しかしこれは同時に態度をはっきり示さない民主にも当てはまる。
従米路線の是非と日本の第一党の座を巡って、両党をふるいに掛けているのが現状でしょうが、決め手を欠く両党ではたとえどちらが第一党になったとしても日本の政治を任せられない、、そんな思惑を感じさせる社説です。

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