集団を超えた社会をどう統合し直すか?(8)~まずは企業を共同体にしていくこと~
GWが明け、初夏に向け暖かくなっているこの頃。
暑さや雨とともに話題となっているのがユッケの生肉問題ですね。
ところで東電やユッケの問題で、責任者(社長)辞任というのがひとつの答えとなっていますが、まったくスッキリしません。なぜでしょうか?
’70年以前のみんなの「豊かになりたい」という欠乏が高かった時は、みんなが私権(金、地位)に収束しており、企業集団は私権を多く持つ者が権力を握る『権力体』として統合されていた。この時代では、トラブルや問題が発生した時の責任者の辞任は、みんなが求めている私権の喪失を意味し、みんなある程度納得できていました。
しかし、「豊かになった」今の時代。責任者辞任=権力の喪失では皆納得できない。なぜならみんなの欠乏は、私権の獲得ではなく、今後どうするのか? どうしていったらいいのか?という具体的な答えだからです。
そこで、今の時代のみんなの欠乏=今後どうする?どうしていったらいいのか?に応える、企業の在り方を探っていきたいと思います
今までのシリーズ「集団を超えた社会をどう統合し直すか?」は
集団を超えた社会をどう統合し直すか?(7)~パラダイム転換を認識することで見えてくる可能性~
集団を超えた社会をどう統合しなおすか?(6)~人類はなぜ市場拡大に奔走したのか~
集団を超えた社会をどう統合し直すか?(5)~今こそ日本人の共同体精神が発揮される時~
集団を超えた社会をどう統合し直すか?(4)~狂気の科学を捨てて『自然の摂理』の解明を~
集団を超えた社会をどう統合し直すか?(3)~一切の予断を排して人類の全文明を見直す~
集団を超えた社会をどう統合し直すか?(2)~今こそ市場拡大絶対という幻想を捨てる時~
集団を超えた社会をどう統合し直すか?(1)~闘争の場と生殖の場の分断が招いた歪~
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ホ.私権闘争の終焉から本源集団の再生へ より 人類は長い間、私権の強制圧力の中に閉じ込められてきた。 本源集団の中で育まれてきたにも拘わらずその本源集団を失った人類は、自分たちの集団(ひいては社会)を自分たちの手で変革し統合してゆくという最も大きな活力源となる場を奪われ、ただ自分の私権の獲得(異性の獲得や、受験や、就職や、地位)に関わることしか考えずに生きてきた。 しかも、私権闘争の世界は「自分以外は全て敵」とする世界であり、そこでは人々は心の底に強い警戒心を孕み、互いに本心を隠して生きるしかない。愛情も友情も全てがこの「隙あらば…」の世界では、見せかけだけのものと成ってしまう。 要するに、人類の生命源ともいうべき、根源的な親和共認の充足も、仲間共認の充足も、集団を統合する課題共認や規範共認の充足も、全ては私権の強制圧力によって抑圧され、あるいは剥奪されてきた。その私権の強制圧力が衰弱した以上、それによって抑圧され、剥奪されてきた、本源的な共認充足が再生されてゆくのは当然である。事実、貧困が消滅した’70年以降、私権の強制圧力が衰弱してゆく過程は、人々が本源収束を強め、人類本来の本源充足が再生されてゆく過程だったのである。 可能性は、既に開かれた。 まずは生産体(企業)を、『自分たちで動かすことのできる共同体』に変えればいい。企業を権力体から共同体に変えるのは簡単で、企業を全員参加の合議制で運営すれば良いだけである。 【写真:全員参加の全社会議の様子】 ’70年、貧困が消滅した時点から既にその可能性が開かれていたことは、我々が実証してきた通りであり、(経験に即して云えば)企業を事実の共認によって統合された合議体に変革しさえすれば3年以内に『自分たちの生きる場を、自分たちの手で創ってゆく』ことの大切さを、皆が体感してゆくだろう。 それは、長い間権力によって封鎖されてきた、人類本来の豊かな共認充足を再生してゆくに違いない。 |
みんなが求めている企業の在り方とは、
社会の基底部である生産の場を「権力体から共同体」に変えていくことなのです
次回からは、シリーズ「集団を超えた社会をどう統合し直すか?」のまとめをしたいと思います
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