2007年05月17日

結論ありきの番組制作 ~人々はどう受け止めるのか~

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マスコミの捏造問題が頻繁に取りざたされる昨今ですが、TV業界(マスコミ)の実態を示す記事があったので紹介します。

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土用丑の日に、ウナギの夏バテ効果と、ついでに旨いウナギの店を紹介しようという、語るも恥ずかしい超ありがちな企画を立てまして、ぼくはある大学の栄養学の先生の所に取材に伺ったわけです。で、肝心のウナギの効用について先生にインタビューしたんですが・・・
先生:「ウナギは脂肪が多いから、それがスタミナになるってことはあるかもしれないね」
ぼく:「本で調べたら、ウナギにはビタミンAとかビタミンEが含まれているそうですが?」
先生:「すごく微量だから、それは関係ないよ」
ぼく:「とすると、ウナギには特に効用はないわけですか?」
先生:「江戸時代の人は肉を食べなかったから、脂肪が多いウナギを食べると、スタミナがついたんだろうね」
ぼく:「えっと、そもそもウナギには、どんな成分が含まれてるんでしたっけ?」
先生:「脂肪だね」
ぼく:「他には?」
先生:「食べて影響があるのは脂肪くらいだね」
ぼくはいろいろと質問の仕方を変えて、何とか「使えるコメント」を言わせようとしたんですが、その先生はなかなかくせ者で、何を聞いても上のような感じで堂々巡りです。
というわけで、最初のうちこそ、「こんなインタビュー撮って帰ったら怒られる」と焦っていたぼくも、話しているうちにだんだん先生に感化されてしまいまして、局に帰ってから、「土用の丑の日にウナギを食べるのは気分の問題だから、効用くんだりを紹介するのはやめませんか?」とチーフに提案してみたのです。
するとまあ、怒られたの何のって。敏腕で通っていたチーフから、思い切り無能の烙印を押されてしまいました。「欲しいコメントが撮れるまで、2時間でも3時間でもねばるのがディレクターってもんだろ!そいつがダメだったら、別の先生見つけてこい!」と。
結局ぼくは、そのチーフに「お前はディレクターに向いてない。お前が今までの自分を全部捨てて頭を下げるんだったら一から仕込んでやる。それが出来ないんだったら辞めろ!」と言われるに至り、悩んだ挙げ句当時属していた制作会社を辞めました。
Meine Sache ~マイネ・ザッヘ~ 「苦い思い出」より引用

このやりとりは、結論ありきの番組制作が常態化していることを物語っています。
また、興味深かったのは、この記事に対して寄せられた多くのコメントです。

私には、ウナギにスタミナ効果が無いという情報の方が衝撃が大きいのですが、そういう企画はまずかったんですかね?
まず結論ありき、そして都合のいい情報だけ集めて編集、都合のいい情報すら無いときは捏造してでもOK!って・・・
それじゃあ朝鮮の歴史教科書と一緒じゃないの。
初コメントです。実は前々から面白く拝見させていただいてます。
実はそのようなチーフさんが、敏腕で通ってしまう業界の在り方にそもそも問題があったのであって、その限界が最近の騒動のカタチを生みだしてるんじゃないでしょうかね…w
>私には、ウナギにスタミナ効果が無いという情報の方が衝撃が大きいのですが、そういう企画はまずかったんですかね?
この方の感想がなによりも本質をついてて最高ですよ☆
大概の誰もがビタミンEだのAだのスタミナだのって、ウナギを捉えてると思うんすが、「実はそんなに効用はないのよね」というのが、「情報」の面白さなわけで。~後略~
○○学の先生とか、○○の専門家ってのが、どこの局でも同じ顔ぶれなのは、意図する回答をしてくれる人が限られているからなのだと、番組制作会社の中の人に聞いた事があります。
 うちの研究室の教授の元にも、昔ある事件のとき某新聞社の記者がコメントを取ろうと電話をかけて来たそうですが、まず結論先にありきな聞き方をして来て、いやそんなことないよと答えると急に怒ったような態度になって、最後はもういい!というふうな切り方だったそうです。
 そして結局新聞にはその記者の用意した通りのコメントをする教授の発言が載っていたとか。似たようなケースはけっこうあるのでしょうね。
チーフは結論通りのものが欲しかったんでしょうが、視聴者はどうなんでしょう。
ぼくはただ事実を知りたいですけどね。
その今現在わかっている事実も、10年経ったら非常識になってるかもしれませんが。

一部を抜粋しましたが、「事実を知りたい」という意識や、マスコミの都合にいい結果や証言を求める姿勢に辟易している様子が伺えます。
 
事実を求める意識潮流を真摯に受け止め、応えていこうとする姿勢がなければ、もはや既存マスメディア全体が人々から見放されるところまで来ているのではないでしょうか。
 
最後に応援していただけると嬉しいです。

List    投稿者 lived104 | 2007-05-17 | Posted in 01.どうする?マスコミ支配4 Comments » 

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コメント4件

 かわい | 2007.06.25 23:38

アメリカって、もう捨て駒の域に達してるのでは?と思えるのは、気のせいでしょうか?

 チバ | 2007.06.26 0:52

日本では株主総会の季節ですね。
日本企業の大株主となったファンドたちは、株主への大幅増配を要求し、買収防止策に猛烈に反対しているらしい。もはやシャンシャン総会など存在しない。
一方、世界銀行は今度はアフリカに規制改革の圧力をかけているらしい。
表面化している事実からは、とことん食い尽くすつもりのようだが、、、その先はどうなんだろう?

 Hiroshi | 2007.06.26 14:51

かわいさん、チバさんこんばんは!
アメリカは20世紀初頭に、金融勢力に寄生され、約100年でボロボロになりました。金融勢力は新たな寄生先を求めて、EU、日本、中国・・・に触手を伸ばしている。
その下準備にマスコミ支配と様々な構造改革が進んでます。
ただ、一方で各国の保守派etcからの反発も強まっているようです。この辺はまたレポートしたいと思います。

 yuji | 2007.06.30 23:10

巨大金融勢力に最終的に富が集中していく今の経済のシステムを変えない限り、収奪する側とされる側という構造は続くのでしょうか。
新たな寄生先として日本が標的になっているとしたら、手を拱いている場合ではないですね。

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