2008年11月02日

対米従属を止めれば、日本が世界をリードすることができる

ロシアが中国に、中露間の貿易決済通貨を従来のドルから、人民元とルーブルの混合状態に移行させていくことを提案したらしい。
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●中露首脳、世界の金融取引で使われる通貨の拡大提唱 10月28日23時34分配信 ロイター
中国・ロシアの両首脳は28日、世界の金融取引で使用される通貨の拡大を提唱した。ロシアのプーチン首相はモスクワで開催中の中露フォーラムで、ドルよりもルーブルと人民元による2国間取引を提案。「現在、ドルを基盤とする世界は深刻な問題に陥っている。世界の金融市場は依然として困難な状態だ」と指摘した。 「このような状況のなか、われわれは2国間取引の支払いシステムの改善について、自国通貨の使用を含めて考える必要がある」と話した。中国の温家宝・首相は「異なる通貨の使用を通じた安定化支援に向け、世界の通貨システムの多様化が求められている」と語った。

一方、中国は人民日報に上海同済大学石建勲教授の論評「米国が自国通貨の優位性を利用して世界の富を搾取していた」「米国一国支配と米ドルの優位性に立脚している国際金融システムを変える」を発表。2008年10月26日「中国が多極通貨(ドル安)路線に転換した」参照。
ロシアと中国が、アメリカ覇権の終焉を確信し、ドルに代わる基軸通貨体制も視野に入れているのは間違いないが、これで一気に多極通貨体制へ向かうかと言えば、事はそう簡単ではない。一方で、中国は米英とも駆け引きを始めているからだ。
「元外交官・原田武夫の『国際政治経済塾』」「上海でうごめく米英勢が目指すものとは?」によると、

10月21日に同地で、ある重要なセミナーが行われたからだ。開催したのは英国王立国際問題研究所、通称「チャタム・ハウス」だ。共催は中欧国際工商学院とロンドン市であった。
何がその場で話し合われたのかといえば、ずばり「上海をアジアの金融センターにする」というものだった。東京でもシンガポールでもなく、はたまた香港でもない。今まだ高層ビル建築ラッシュの続く“上海”こそが、次の時代における金融センターだというのである。あらかじめそのような話になるとは議題一覧から明らかだったものの、英国勢、そして米国勢がよってたかって中国勢を持ち上げる姿を生で見てこようと、出席を決意したセミナーだったのだが、実際に行ってみて本当に驚いた。
なぜなら、彼らの中国勢に擦り寄る姿は、正に恥も外聞も無いものだったからだ。何せ中国は外貨準備だけで、邦貨換算にして190兆円ほど持っている。以前このコラムでも書いたとおり、米国由来のリスク資産に基づく損失額が1,000兆円を超える規模であることを前提にしなければならなくなりつつある中、中国勢が持つこの札束は米英勢にとって喉から手の出るほど欲しいものであるに違いない。

このセミナーにおける議論については、上海滞在中に書き上げた報告書を是非ご覧頂きたいのだが、帰国早々に読んで気になった記事が1つある。それは「中国は国有の資産に対する監督を強化する」という報道である(10月23日付新華社参照)。
これによれば、146も存在する金融セクターおよび非金融セクターにおける国有事業体について、中国当局による監督を強化すべく、現在、新法案が作成中なのだという。これまでもこうした監督は行われたものの、一部の事業体については例外とされていたともいう。つまり、ここに来て中国勢は、一気に手綱を引き締め始めたというわけなのである。
現下の金融危機を収束させるには、中国勢の札束が絶対に必要なのだ。それを痛感している米欧勢は必ずやこうした「手綱引き締め作戦」を知ることで、焦りを隠せなくなることであろう。そうなれば、自ずから媚びへつらい、譲歩も辞さないという態度になるはずなのである。「持たざる者」に対する「持つ者」の悠然とした態度がそこに見え隠れする。

中国は一方で「アメリカ覇権の終焉」「ドルに代わる基軸通貨」「金融規制の強化」を仄めかしながら、一方で米英から譲歩を引き出そうとしているわけだ。それはそうだろう。そう簡単に「ドルに代わる基軸通貨体制」に突っ走るわけにはいかない事情が中国にはある。外貨準備高世界第1位、米国債保有高世界第2位の中国にとってドルと米国債の暴落は由々しき事態なのである。その中国に米英とロシアの双方がアプローチしており、中国は両方を天秤に掛けている。しばらくは、この状態が続くだろう。大局的には、アメリカ覇権とドル基軸通貨体制の終焉は間違いないが、それがどのような形で進行するかは中国が主導権を握ったのである。
一方で、中国と同様、大量の外貨準備と米国債を保有する日本は?

今回行われた上海セミナーには、サブプライム問題以来、すっかり世界中で有名になったマコーミック米財務次官補も出席し、演説していた。正に米英中による「歴史の現場」といった感じであった。ところが、「上海を金融センターにする」という、日本勢からして全く聞き捨てならない目的で行われた会議に、私を除き、日本からは誰も出席していなかったのである。

これを見る限り、どうやら日本の政界・官界・財界も未だ対米従属路線であり、米英からも中国からもそのように見られているのが現状のようだ。
しかし裏を返せば、対米従属を止めさえすれば日本が世界をリードすることが可能だということだ。最近の中国の姿勢はその実現基盤を示しているのである。この意味でも「アメリカ覇権の終焉」という状況認識が決定的に重要なのである。
(本郷猛)

List    投稿者 hongou | 2008-11-02 | Posted in 02.アメリカに食い尽される日本10 Comments » 

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コメント10件

 通行人 | 2009.02.08 22:55

減少というか
激減ですね

 nd | 2009.02.09 23:37

こちらでも同様の事柄が紹介されています。
http://mazzan.at.infoseek.co.jp/lesson2.html
結構面白いHPですよ。

 aw | 2009.02.10 3:33

日本でも殺人は確かに減少してきています。アメリカも同じようです。(元々のレベルが高すぎですが)
アメリカも日本と同様にメディアの報道が原因で、殺人などの凶悪犯罪が減っているにも関わらず、体感治安が悪くなっているようです。
メディアは「商売」ですから、売れなければなりません。売れるためには安心・安全を報道するより恐怖・不安を報道した方が売れるのです。その意味ではメディアは「民主党政権」になる恐怖と不安を報道した方が商売になると思うのですが、つまらない揚げ足取りばかりしています。メディアが政治方面では商売抜きで報道している事が分かります。
ところで、減少傾向にある凶悪犯罪ですが他の犯罪と外国人犯罪の比率を比べると非常に面白い結果になると思います。

 匿名 | 2009.02.10 9:48

ここまで顕著な傾向が出ると、「なぜ若者の犯罪は減ったのか」というあたりも追求してみるとおもしろいと思います。
マスコミも警察も、必死になって若者犯罪を”増加させよう”と努力した結果が、この統計ですから、さらに実態は減っていることも考えられます。(現場に居合わせた実行犯以外も共犯として検挙するようになったり、自転車泥棒が横領にカウントされるようになっています)
>減少傾向にある凶悪犯罪ですが他の犯罪と外国人犯罪の比率
外国人犯罪も、報道によって警察が取り締まりを強化したりしているので、実態は見えにくいところがあります。不法滞在の取り締まりにしても、本当の不法滞在者が何人いるのか、ではなく、警察が不法滞在者をどう扱いたいのか、マスコミが不法滞在者をどう報道したいのか、が繁栄された数値です。

 匿名 | 2009.02.10 22:21

偏向報道の影響で体感治安が悪化しているのは誰もが実感しているところですね。
偏向報道が無くなれば体感治安も良化するだろうし、体感治安が良化すれば実質的な犯罪発生件数も減少しそうですよね。

 ようこそイサオプロダクトワールドへisao-pw | 2009.02.10 22:38

浦添地先こそ守るべき自然だ!

浦添地先こそ守るべき自然だ!。人間の安全も脅かされる沖縄。画像はクリックで拡大し

 匿名 | 2009.02.11 17:01

>体感治安が良化すれば実質的な犯罪発生件数も減少
なぜですか?

 よっし~ | 2009.02.12 22:49

TVもマスコミの取り上げ方次第であることが、
この記事で良くわかりました!
断片的にしか見れないTVの情報だけだと、物事の本質を見誤ってしまう。常に、問題の本質はなにか?を構造的に捉えていくことが大事ですね☆

 911 アメリカ 同時多発テロ事件の真実 | 2009.09.14 17:54

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 hermes dark gray | 2014.02.02 12:41

hermes niederlassung 日本を守るのに右も左もない | 全然事実を報道しないマスコミ! 減り続けている日本の犯罪

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