2011年04月07日

福島原発問題で何がどう変わるか ~加速するパラダイム転換~

東北地震・福島原発問題は、日本人のみならず世界中の人々に大きな影響を与えた。大災害というレベルを超えて、世界全体で大きくパラダイムが転換する契機となるだろう。東北地震・福島原発問題によって、何がどう変わっていくのだろうか。


(画像はコチラから⇒福島第一原発の中は今どうなっているのかを撮影した高解像度写真やムービーを機密情報暴露サイトの老舗「Cryptome」がネットに公開

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■マスコミ不信
今回ほどマスコミ、官僚、政府の隠蔽・誤魔化しが際立ったことは無かった。彼らはウソを撒き散らした訳では無かったかもしれないが、みんなが考える上で必要な情報や事実を発信しなかった。それぞれの”利権”が優先された結果だという事も可能だが、本来ここまでの社会問題であれば、”利権”を超えて発信されてしかるべきである。なぜ、情報や事実が発信されなかったのか?
政府も官僚もマスコミも東電もマスコミも、それぞれに独立した利権を意識している訳ではなく、相互にもたれあいながら、言わば一つの自閉的な集団のように振る舞っている。東電はマスコミの大スポンサーであり、東電には官僚が天下っており、彼らの理屈を大学教授が支え、更には大学教授の出した結論が政府の方針となり、政府はマスコミにもたれかかる。相互に指摘・監視し合う関係ではなく、相互にもたれかかる関係を維持し、全ての判断は国家国民の為ではなく、その自閉的な集団にとって最適な方針が採られる事になる。彼らにとっての”国民”とは、相互にもたれかかっているメンバーのことであり、それを超えて考えることが不可能な構造にハマっている。
私たちが直面したこの現実は、何も災害時に限ったことではないはずだ。「日常的にそうであった」状態が、危機的な局面で表面化したに過ぎない。従来のマスコミ不信は更に進み、新しい媒体が明確に探索され始めている。
■新しいメディアの登場
彼らの”結託”を象徴する出来事が、福島原発問題を巡る政府とメディアの関係だった。NHKを含めて日本の全メディアは福島原発を遠方から写し、近くに寄った映像は自衛隊などの政府機関から提供される映像を流すのみだった。しかし実際には、果敢なジャーナリストが福島原発付近にまで取材に言っている(ex.APF通信)。彼らは現地から詳細なレポートを送っているが、日本のマスコミはその取材記事を買うことは無く、外国メディアが買っていくらしい。福島原発付近は「政府が定めた退避区域になっており、退避区域内の映像を流すということは、政府の指示を無視して退避区域に入っていることを意味する」からだと言う。
日本のマスコミは信用できないというレベルを超えて、ネットで得られる情報の方が、より事実に近いことを得られる。この事が持つ意味は大きい。TVマスコミの地位は放送法によって定められているが、放送法第6条には

第6条 放送事業者は国内放送を行うにあたり、暴風、豪雨、地震、大規模な火事その他による災害が発生し、または発生するおそれがある場合には、その発生を予防し、またはその被害を軽減するため役立つ放送をするようにしなければならない。

と定められている。TVメディアの特権的な地位は、災害時を基準に考えられてきたもので、今回のような災害時に「役に立たない」むしろ「害悪になる」のなら、TVメディアはその存在意義を失ったといっても過言ではないだろう。
そして、今までネットの情報は玉石混交で、峻別するのが難しいと言われてきたが、今やマスコミの情報から真実を見抜くことの方が、よっぽど難しい。ネットとマスコミの信用度は、逆転したと言っていいだろう。
■原子力利用を支えてきた科学万能主義の崩壊
TVメディアそのものの信用失墜と同期して、出演していた「専門家=学者」の信用も地に堕ちた。彼らの”分かりやすいように工夫した”説明より、ネットで得られるあらゆる可能性を考慮した説明の方がよほど「理解しやすかった」。TV専門家の説明は、単に「誤魔化し」だったということだ。
専門家=学者の信用失墜の背後で、科学そのものへの信用も失墜し始めた
私たちは、過剰な電力消費の上に、自分たちを取り巻く環境や生活が築きあげられていることを知ってはいた。そして、福島原発問題によって、都市生活が危険な原発の上になりたってきたことを、現実として受け止め始めている。原発のようなどう考えてもリスクの方が大きいシロモノを登場させ、それをコントロールすることが可能たらしめてきた(と思われていた)のが「科学の力」だ。
私たちが生きる「近代社会」は、「科学」と「市場」、そしてそれらの存在を説明する「近代思想」によって作られている。この「科学(の発展が)が全てを解決する」という「近代思想」が音を立てて崩れていった。「近代市場」への懐疑は、2008年リーマンショック以降急速に強まってきた。近代科学や近代市場といった近代社会を支えてきた土台が崩れ、時代のパラダイムが大きく転換しようとしている。
■縮小する消費、停滞する経済 → マネー経済の破綻が近づく
近代社会の土台が大きくグラついたため、たとえ震災や原発の問題に一定の方向性が出たところで、消費が回復していくことはないだろう。しかも、これは日本国内だけに留まらない。近代社会を支えてきた近代科学の限界が露呈したことで、過剰な消費が抑制されていく流れは、世界全体に広がっていく。「地産池消型」「自給自足型」の経済やエネルギーが模索されていく。
実体経済が縮小する一方で、各国政府とも景気回復に血眼になる。かと言って抜本的な対策などなく、打てる手は「マネーの増刷」くらいしかない。景気対策のウラで、大量の国債と大量のマネーが積みあがっていく。こうして実体経済が縮小、一方でマネー経済が拡大し、マネー経済は極大まで膨らむだろう。 原発問題→パラダイム転換によって、『マネー経済が破綻する時期』は確実に近づいた。
私たちは、縮小経済を前提に企業戦略などを考えるだけでなく、マネー経済の破裂=近代市場の崩壊を前提に、これからを考えなければいけない時期に来ている。

List    投稿者 tnaito | 2011-04-07 | Posted in 10.日本の時事問題4 Comments » 

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コメント4件

 通りがけ | 2012.01.16 22:18

アメリカへ告ぐ「日本に対する戦争犯罪をただちに止めよ」
日本政府三権とマスコミの民主主義四権のうち行政司法マスコミは1945年GHQが占領統治を始めて以来米国スパイ化洗脳教育を施し続け、小泉政権で完全にスパイ化に成功しました。最後の砦であった国会も洗脳スパイ議員が大多数を占めています。菅岡田前原仙谷枝野野田安住等々みな自民党外の小泉チルドレン議員ですね。
今の日本の官僚独裁ファッショ政治も記者クラブNHKマスゴミ報道もすべて米軍の地位協定治外法権によって完全にコントロールされています。
こうまで日本を奴隷化コントロールする米軍の真の狙いは最終的に軍事侵攻も辞さぬ中国大陸侵略にあり、中国巨大市場を米国軍産複合体の奴隷化する過程において、日本列島を軍事衝突時の中国の反撃から米本土を防衛する最前線の盾にすることにあります。
現在の一連の小沢報道や野田豚移転売国内閣国会無視違憲政治や脱原発、また共謀罪導入などのアメリカにとって何の痛痒も無い日本の国内政治問題についてのマスゴミ狂乱一斉報道は、スキャンダルマルチスピン報道をスパイマスゴミにいっせいに狂乱怒涛に騒ぎたたせてその狂騒の陰に隠れて、米軍を直接潤すだけである沖縄普天間移設基地機能強化や岩国基地拡大強化を、防衛省スパイ官僚政治家を使って強制執行で日本人からまんまと強奪し、米軍の地位協定悪用した国際法違反の内政干渉犯罪を成功させる真の狙いを隠蔽しようというものです。
あの皇室報道問題も米軍とスパイ宮内省とスパイマスゴミの日本国内撹乱戦法のひとつに過ぎないのです。
昨年3月11日未曾有の国難に直撃された日本は直ちにアメリカの戦争犯罪そのものである地位協定を破棄宣言し、対米軍思いやり予算と防衛予算すべての付け替えと米国債100兆円を売却して総額50兆円ほどを捻出し、全額日本人が今助けるべき東北大震災福一原子炉爆発被曝被災の被災者日本国民同朋にあげましょう。
除染費用一兆円あげるなどと焼け石に雀の涙みたいな下らんけちの銭失いなこと言ってないでね。
あの阪神大震災の損失50兆円に対し自社さ政権内閣は5兆円ぽっち財政出動したが被災者にはほとんど渡っていない。行政が9割がた中抜きした。東北大震災は損失600兆円超であるから、50兆円全額を行政抜きで被災者へ直接渡さねばならない。そして被災者自身の地元の生活再建に全額費消して地元自力復興再建へつなげる。足りなければ財政政策で追加捻出する。
米軍はこの間ずっと地震の被害も原発事故被曝被害もぜんぜん受けていないのだから日本人がいま助けるべき相手では全く無い。
この未曾有の国難から日本がちゃんと自力で復興を遂げた後で、ゆっくりと安保条約とTPPとやらの相談に乗ってあげよう。
もちろんその節は、世界人類の恥日米地位協定破棄消滅した日米両国対等の外交交渉でね。

 通りがけ | 2012.01.17 13:25

野田豚移転総理モドキ二枚舌詐欺師の言う大義とはすなわち「大偽」ですね。以下のページをご参照ください。
地位協定治外法権米軍属の日本国内スパイ活動311総理官邸ジャックについてもコメントしています。
「野田佳彦の増税論 ~財務省の操り人形には困ったもの」
2011年12月19日 Goodbye! よらしむべし、知らしむべからずさま
>>http://c3plamo.slyip.com/blog/archives/2011/12/post_2250.html

 通りがけ | 2012.01.18 23:17

「指一本通達一本のかんたん天下り根絶法」
公務員の天下り根絶は簡単です。
霞ヶ関に限らずすべての行政機関から退職公務員が就職した企業は、1年間すべての公共事業に入札できない、違反企業には贈賄の汚職犯罪につき重大な刑事罰を科す、とすればよいのです。
たったこれだけの通達一本だけで、霞ヶ関から市町村まですべての公務員の天下りが根絶できます。
天下り禁止法とか公務員給与改革とかどうでもよい倫理規制法などのつまらない立法の手間が一切要らない、抜群のコストエフェクトですね。

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