2019年05月21日

中国が、ドルから覇権を奪うため独自の決済システムを拡大

中国がドルから覇権を奪うため独自の決済システムを拡大している。以下、少し長いですが日経新聞5月19日より引用です。

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人民元の国際化を狙う中国独自の国際決済システムが存在感を高めている。2015年10月の稼働後、銀行の参加が89カ国・地域の865行に広がっていることが日本経済新聞の調べでわかった。米国が経済制裁の対象としたロシアやトルコなどを取り込み、18年の取引額は前年比8割増の26兆元(410兆円)に達した。米国の対外強硬路線を逆手に取り、ドルの覇権にくさびを打ち込み始めた。

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現在の国際決済は、ベルギーに本部を置く国際銀行間通信協会(SWIFT)のシステムを通じて送金情報をやり取りするのが主流だ。その決済額は1日あたり5兆~6兆ドル(550兆~660兆円)とされ、事実上の国際標準になっている。うち4割がドル決済で、SWIFTがドル覇権を支えている状況だ。

これに対し中央銀行の中国人民銀行が導入したのが人民元の「国際銀行間決済システム」(CIPS)。英語での手続きとし、取引ごとの即時決済を採用して人民元決済の間口を広げた。システムに口座を持つ「直接参加行」と、直接行を介してつながる「間接参加行」で構成し、いずれかと取引すれば中国企業の口座に簡単に資金を移せる。

日本経済新聞はCIPSの普及度を探るため、運営母体の跨境銀行間支付清算(上海)の発表文をもとに参加金融機関数を地域別に分析。人民銀などが断続的に公表する情報も独自に集計した。すると人民元決済が水面下で浸透しつつある様子が見えてきた。金額ベースだけでなく、取引件数を見ても、18年は144万件と、前年比で15%増えた。

19年4月時点で中国系を含め、世界で865行が参加。所在地別でみると、日本は三菱UFJ、みずほのメガ2行に地銀21行、外国銀の東京支店7つをあわせた計30行が参加している。メガ2行の中国法人は直接行にもなっている。

目立つのは米国の制裁対象国だ。ロシアは18年12月にモスクワ信用銀行が加盟し、全体では23行が名を連ねた。ロシア企業が中国からの輸入代金の支払いに人民元を用いる比率は14年の9%から17年は15%に上昇。ロシア中央銀行は18年9月時点で、外貨準備に占める人民元の比率を14%と、17年9月の1%から大幅に高めた。ドル比率は46%から23%に低下した。

米国から経済制裁が科されていたトルコも11行が加わる。18年11月には複数のイランの銀行がSWIFTへの接続を遮断された。イランの銀行はまだCIPSに参加していないが、英運用会社チャールズ・スタンレーのゲイリー・ホワイト氏は「米国にドルの利用を制限されると迂回手段を探す必要がでてくる」と指摘する。CIPSがその受け皿としての機能を一段と発揮するとの見立てだ。

もうひとつ顕著なのは、インフラ事業や資源開発で中国が影響力を強める国々だ。南アフリカやケニアなどアフリカ諸国からは北米よりも多い31行が接続する。中国が提唱する広域経済圏構想「一帯一路」に参画する国が増えるほど、人民元決済の需要は高まる。

もっとも人民元の基軸通貨への道のりは遠い。SWIFTの資金決済額に占める人民元のシェアは19年3月時点で1.89%と、ドル、ユーロ、英ポンド、円に次ぐ5位。1日に3千万件以上の電文をやり取りするSWIFTに比べ、CIPSの規模はなお小さい。

とはいえ、米国と対立する国々のドル離れは進んでいる。中国上海市場では18年3月に人民元建て原油先物取引が始まり、ニューヨークやロンドンから一部の取引を奪い始めている。

今後も経済制裁の影響を避けたり、米国に国際取引を把握されないようにするため、ドル以外の通貨で決済する手段を確保する動きは広がりそうだ。CIPSのネットワークは確実に広がっており、その潜在力はあなどれない。米国が威圧的な外交姿勢を強めれば、自らドルの基軸通貨としての絶対的地位を危うくする可能性がある。

==================以上引用===========

この記事自体は、トランプを批判するグローバリズムの立場から書かれている。そんなことより重要なのは、金貸し支配からの脱却へ向け、新しい決済システムが徐々にだか現実のものとして構築されてい来ていること。(トランプの対中強硬路線は、それが中国の決済システムの拡大→金貸し支配からの脱却につながると分かってやっているのかも?)

List    投稿者 nihon | 2019-05-21 | Posted in 03.アメリカの支配勢力と支配構造No Comments » 

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