2008年09月20日

FRBの救済策:新型証券融資、そして急激に資産が劣化

リーマン→メリル→AIG~金融破綻の連鎖が意味するものは?
>いずれ米財務省・FRBが本丸である米住宅公社への救済策を打ち出すことになるが、具体的にどういう救済策がありうるか? その仕組みの調査が必要。FRBの通常の役割だけでは不十分。異常事態に対してどこまでの裏業・禁じ手が打てるのか、想定しながら調べる必要がある。
まず、昨年からの金融不安に対してFRBがどのような手を打ってきたのかについて調べてみた。
FRB資産全体の半分近くを流動性対策に投入 2008年7月3日 (日経ビジネスオンラインより)
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  ※上表縦軸の単位は10億ドルです

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FRBの流動性対策の総額は、6月末近辺時点で4125億ドル(約43兆円)に達した。FRBの資産全体に対する比率は5割弱にもなる。凄まじい規模だ。金融システムに資金繰り上の巨大な「生命維持装置」を取り付けたような状態と言える。
 昨年6月末は、FRBの資産の9割以上を米国債が占めていた。しかし、現在は金融機関向け貸し出しが急増している。FRBが担保として受け入れているものの中には、信用度が劣り、市場で換金しにくいものも含まれている。

この表から分かるように、従来FRBの資産であった国債から、TAFやTSLFやPDCFに資産が変わってきている。この聞きなれない資産とは何なのだろうか?
『ドル崩壊』 三橋貴明氏より

実体経済が刻一刻と悪化していく中、アメリカの金融業界ではかって見られなかった奇妙な金融スキームが、幾つか実行に移されつつあった。
1つ目は、FRBの新型証券融資、すなわちTAF、TSLF、そしてPDCFの3つの新スキームの登場である。これは利下げやインターバンクへの資金供給に加えて、FRBが新たな流動性供給の枠組みを創設したものである。しかもこれまではアメリカ国内の商業銀行にしか認めていなかったFRBの窓口融資を、投資銀行に対しても認めたスキームも登場し、以前のFRBを思えば信じがたいほどドラスティックな政策といえる。
3つの新型証券融資はTAF(07年12月12日)、TSLF(08年3月11日)、PDCF(同月16日)の順番に導入されたが、内容が徐々にラディカルになっている。まるで流動性確保の努力を続けているにもかかわらず、信用収縮の拡大を食い止められないFRBの焦りを証明しているかのようでもある。
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FRBは莫大なドル供給や繰り返される利下げによっても、金融市場の信用収縮をなかなか止めることが出来ないでいた。苦境のFRBを救うべく、颯爽と登場した新型証券融資であるが、諸悪の根源であるRMBSなどのモーゲージ資産を銀行資産からFRBに移し、代わりに米国債を市場に供給することで流動性を確保するという、いわば究極のスキームなのである。
(中略)
要は、アメリカの金融業界は自分たち(市場)の力ではもはや問題を解決できなとFRBに判断され、連邦政府による直接的な救済が始まったのだ。
この極めて異例な流動性対策には、FRBのみならずECB(欧州中央銀行)やイングランド銀行など、各国の中央銀行も協力している。

驚いたことに、サブプライムローンの諸悪の根源であるRMBS(住宅ローン債権を証券化したもの)などのモーゲージ資産をFRBが引き取り、代わりに手持ちの米国債を発行している。どの程度の評価額で担保としているのかはっきりしないが、クズ同然の証券を金融機関が潰れない程度に評価するはずで、FRBの資産は今年に入って急激に劣化しているのは明らか。
しかも7月の段階で既にFRBの資産の半分を占めている。
そしてFRBの資産内で手を打つには既に限界が見えて、7月末段階で無制限発行できるように次の手を打ったのだろう。
(参照)「米住宅金融支援法」~FRBと財務省が無制限にドルと米国債を発行できる?
(by Hiroshi)

List    投稿者 ihiro | 2008-09-20 | Posted in 03.アメリカの支配勢力と支配構造11 Comments » 

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コメント11件

 kenshin | 2008.12.07 6:46

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素敵な洞察力ですね。
とても嬉しくなりました、光が見えます。

 匿名 | 2008.12.07 15:05

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 初めてコメント入れます。noriといいます。よろしく。
 現代日本の若い女性の関心について、非常に面白く読ませていただきました。
 また、コメントさせてください。
 

 nori | 2008.12.07 15:05

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 初めてコメント入れます。noriといいます。よろしく。
 現代日本の若い女性の関心について、非常に面白く読ませていただきました。
 また、コメントさせてください。
 

 nori | 2008.12.07 15:05

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 初めてコメント入れます。noriといいます。よろしく。
 現代日本の若い女性の関心について、非常に面白く読ませていただきました。
 また、コメントさせてください。
 

 本郷猛 | 2008.12.07 20:57

kenshinさん、コメントありがとうございます。
ホント、内田さんの観察と洞察は素敵ですね。
内田さんの記事では、↓もお薦めです。
「レッツ・ダウンサイジング~簡単なんだよ生活レベルを下げるなんて」http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=192623

 本郷猛 | 2008.12.07 21:03

noriさん、コメントありがとうございます。
社会というと政治や制度ばかりに目がいきますが、実は社会を構成している人々の意識が社会の基底部を成しています。だから人々の意識変化は、それが無意識であっても社会を変えていくと思っています。特に女性の意識は重要です。今後とも要注目ですね。
またコメントお願いします。楽しみにしています。

 ふしぶじゑ日記 | 2008.12.07 21:32

とりあえず良かったのでは。「与党、郵政見直し法案採決へ」

 できれば郵便と郵貯・簡保を再一体化させるのが一番いいんでしょうけど、とりあえず下記良いニュースなのでは。株式上場時に取次ぎを行うGS等外資にお金がたんま…

  | 2008.12.09 20:43

女性の目線が、自分(お金)からみんな(社会)に向いたという状況認識はすばらしいと思います。
いずれ、男達も追随するのでしょうが、やっぱり社会は女から変るのだと思いました。
それと、女性は状況認識に素直(現実的?)であると思います。

 匿名 | 2009.01.10 22:13

私もその通りだと思います。同感です。
誰もが心の底ではそう感じているのだと思います。
しかしここでの女子学生の意識の変化と
(hongouさんの表現では>充足可能性に導かれた女たちの転換)と
マスコミや政治家などが言っていることの乖離は益々大きくなっているようですね。

 壮年 | 2009.01.10 22:23

>若い女性の「窮乏シフト」の徴候は、私が面談した50人弱の中に「消費行動」を研究テーマに挙げた学生が一人もいなかったことからも知られる。<
若い女性の、変化の早さに驚くとともに
hongou氏の
>市場社会の終焉を直感した女たちが次代の共認社会への可能性を直観し、行動を開始したと見るべきである。<
の分析に納得。

 hermes handbags shop | 2014.02.02 13:39

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