2009年08月09日

日本支配の構造33 岩倉使節団6 本当の目的?

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大浦天主堂 画像はこちらからお借りしました。
 
岩倉使節団を巡って、開国したばかりの日本を西欧がどうしようとしていたか、使節団は何を感じ取ったのかを検証しています。今回は、使節団の目的を少し違った側面(=日本人の使節団を受け入れた欧米側の意図)から考えてみたいと思います。

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■日本キリスト教史
 
当時の日本におけるキリスト教の有り様をWikipediaより引用します。
 

『1637年に肥前島原と天草で百姓身分の者たち(農民やかつてキリシタン大名の家臣であった元武士たちなどから構成)3万人が蜂起した事件は幕府に衝撃を与えた。これが島原の乱である。(略)
この事件を重く見た幕府は1639年に寛永の鎖国令を発して(略)キリスト教の禁止は幕藩体制の根幹に組み込まれていく。
(略)
アメリカ合衆国からの要求をきっかけに日本は西洋諸国に門戸を開くようになった。1858年には日米修好通商条約や日仏修好通商条約などが結ばれたことで、外交使節や貿易商と共に多くの宣教師たちが来日した。
(略)
鎖国期を通じて教皇庁は日本への再宣教の方策を模索していた(略)
1858年に日仏修好通商条約が結ばれたことで、日本入国が可能になった。
(略)
1864年になってフューレは長崎に土地を購入(略)1865年に教会堂を建てた。これが大浦天主堂である。一か月後、教会を訪れた婦人たちが自分たちは禁教下で信仰を守り続けた潜伏信徒であることを告白、神父は驚愕した。これを長崎の信徒発見という。しかし、信仰を表明して司祭の指導を受けるようになった信徒たちは幕府の指示でとらえられた。彼らの身柄を受けついだ明治政府はキリスト教禁止の踏襲を表明、信徒たちを各地へ流罪とした。(略)明治政府の予想に反して、キリスト教禁止と信徒への弾圧は諸外国の激しい抗議と反発を引き起こした。後に岩倉使節団が欧米諸国を視察した際、キリスト教の禁止が条約改正の最大のネックになっていることに気づいたため、1873年にキリスト教禁止令は解かれたが、弾圧への補償はとくにしなかった。
カトリック教会は復興当初から宣教のみならず、教育と社会福祉事業に力を注いでいた。雙葉学園(略)後の信愛女学院(略)白百合学園(略)上智大学を開いている。
(略)
プロテスタントの宣教師として(略)「ヘボン」とよばれた長老派教会の医師(略)グイド・フルベッキ(略)サミュエル・ブラウン(略)「ブラウン塾」が発足。生徒の中には(略)青山学院の院長となる本多庸一や、明治学院創設メンバーである井深梶之助、植村正久(略)ブラウンと共に1869年に来日したメアリー・キダー(略)後のフェリス女学院(略)(新島襄が1875年に開いた)同志社英学校』

 
だそうです。開国を機に様々な宣教師がやってきては教育、福祉に尽力したようです。
■岩倉使節団とキリスト教 発端はフルベッキ
 
続いて、肝心の岩倉使節団とキリスト教について見てみます。★岩倉使節団御一行より引用しますが、発端は先ほど登場したフルベッキという宣教師が関っているようです。

『大隈にフルベッキは陽暦千八百六十九年六月十一日、つまり明治二年五月二日付で一通の意見書を送った。(略)日本から欧米への視察団派遣をすすめたものであった。
(略)
「およそ考えられるかぎりの統治形態、あらゆる種類の法律、国家財政の総て可能な管理方法、教育のあらゆる仕組みが数百年にわたって実験されてきており、今日、ヨーロッパやアメリカに現存する国家体系は、これら実験の結果である。こうした多種多様を極めている中に、認識されて避けられるべき欠陥のみならず、又研究し模倣さるべき、秀れたものもあるのである」という観点から「天皇および国民が、その知性、活動力、高い人格に充分の信頼が置ける人物」を、その使節代表として送り出すことの重要性が強調され、その場合、予測される外国側からの要求をはじめ、使節の目的・組織・人員・調査方法・旅程などが具体的に述べられていた。
(略)
大隈はこの意見書を得たものの、使節派遣は諸般の事情からなお時期尚早として(略)岩倉は、フルベッキに九月十三日に会い、二年前に意見書の内容の教示を頼み、十六日にはフルベッキから「ブリーフ・スケッチ」を受け取っている。』

 
宣教師に過ぎないフルベッキが何故視察団派遣を具申するのでしょうか?
 
■使節団の資金源はロスチャイルド?
岩倉使節団の出発は明治4年(1871年)です。当時の日本には国産の銀行はまだ無く、民間発の銀行第一国立銀行が明治6年、横浜正金銀行が明治12年であるのに対して、開港した横浜には明治の初めから様々な外国銀行や貿易商が進出していました。既に幕末には、ジャーディンマセソン商会の日本代理店であるグラバー商会が長崎に出店し、1866年(慶応元年)にHSBC横浜支店が開業しています。これらの外国企業はそのどれもが東インド会社から分岐したイギリス資本の商人、銀行家たちで、その大本はロスチャイルドです。
又明治政府は、幕末の動乱で各藩や幕府がイギリスやフランスなどから武器を購入する為に行なった借金の肩代わりをしている状態で、当然ですが使節団を派遣する資金は有りません。更にはまともに通用する自国通貨さえ無いのですから、当然欧米資本の資金提供や物財供与を受けなければ、「海外旅行」など行ける訳が有りません。使節団に先駆けて薩摩、長州の藩士たちを英国へ密航させたロスチャイルド資本がここでも暗躍しているのは想像に難く無いでしょう。
■何の為に?
使節団の目的は、①欧米諸国への謁見②不平等条約の改正③欧米の制度と文化の研究、と良く言われますが、本当にそれだけでしょうか?
今回見てきたように、当時の使節団の周辺には西欧資本家やキリスト教会勢力が纏わり付いています。使節団を計画したフルベッキはカトリックの宣教師で、その大本はバチカン(教皇庁)だそうです。又当時の日本国内には先に見てきたようにカトリック、プロテスタントがそれぞれ入り込んで私塾を営み、後の総理大臣や財閥総帥を教育しています(これら私塾はその後有名私立大学となって今も日本の教育に深くかかわっています)。
「金(資本)」と「宗教」をもって入り込み、政治や社会制度、教育をも支配していく。こうした西欧資本家の壮大な戦略が見えてくるのは気のせいでしょうか?当時の日本は、鎖国時代から継承したキリスト教禁止令を保持していました。その様な日本に対してキリスト教化が何より重要だと考えていたとしたら・・・。
その様に考えた場合、岩倉使節団の条約改正交渉が、日本国内のキリスト教禁止を理由に棚上げされたなどと未だに吹聴されること、使節団帰国の明治6年にキリスト教が解禁されること、なども支配戦略の一環であるように思えます。
岩倉使節団には43人の幼き留学生が随行していました。このうち当時6歳の津田梅子は後に津田塾大を創設し、当時11際だった山川捨松は鹿鳴館で活躍した後日本赤十字社に勤め、学習院大学女子部の設立に関ります。又通訳として途中から参加した同志社大学創設者の新島襄は、当時既に洗礼を済ませたキリスト教信者であったそうです。
宗教や教育を背景に政府要人を欧米諸国へ引き回すことの意図することは、日本の西洋化=洗脳に他ならないと思うのですが如何でしょうか?

List    投稿者 saito | 2009-08-09 | Posted in 04.日本の政治構造14 Comments » 

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コメント14件

 (´・ω・`) | 2009.12.03 16:50

http://bogusne.ws/article/132826913.html
さすがにないって…お里が知れますよ

 田舎から | 2009.12.03 21:14

事業仕分けについて、私の評価は0点です。
そもそも今年度総予算が110兆円なのに、来年度概算要求95兆円を92兆円に圧縮することが前提になっていることからして狂っています。
この不況下で、政府が何もせずに民間支出が来年度20兆円も増やせると思ってるとしたら、頭が変だと言うほか有りません。
もし、真剣に事業の内容を検討するなら、95兆円の概算要求額を100円規模に拡大するように更なる事業の充実を促すことになるはずです。
それなのに、小泉・竹中のシンパや外国人が仕分け人だ?
そんな連中はぶん殴って蹴っ飛ばして東京湾に捨てるのが一番良い。
代わりに私が仕分け人をやれば良かったと思います。

 G線上のアリア | 2009.12.03 22:10

既得権益の極一部とは言え、必要か否かの土俵に上げられたことはある程度評価できると思います。
ただし、仕分け後の成果確認、現在未着手となっている対象の切開を経て、本当に必要だけれども、現在はない新しい仕事にお金を供給していくフェイズまで進むことが大事だと思います。

 匿名希望☆ | 2009.12.03 22:42

がんばって事業仕分けして削減し、
次の瞬間、税収が46兆の予定が37兆になりましたとの報道、、、。
民主党の予算の見通しのガタガタさに、愕然としました。

 watasin | 2009.12.03 23:00

>「事業仕分け」は予算案を決める手前の「パフォーマンス」に過ぎない。
まさにそうですね!
頑張った挙句の成果のオーダーも全体予算に比較すれば極めて低いとのこと・・・。
予算の確保、無駄使いの削減はいいのですが、そもそもどうする?の可能性へ向った実現方針がだされていない状態・・。
これでは、いつまでも変わらないような気がしますね。

 匿名 | 2009.12.04 10:05

コメントを入力してください
科学技術に関して言うと
中小企業への支援というのは
彼らにより高度の技術開発の機会を与えるのも重要と考えます
そう言う意味ではロケットもスパコンも無意味ではない
科学技術関係の中にも利権はありますから
今回批判されてもしかたのない面はあるでしょう
しかし考えなければいけないのは
仕分けは今回が最後では無いと言う事です
お金がかかるから、意義が良く分からないから
という理由で科学関連を仕分けするなら
日本のか科学プロジェクトはほとんど全て仕分けされます
じゃあ、逆に聞きますが日本は今後
お金のかかるプロジェクトは何一つやってはいけないんですね
意義が説明出来ればいいと言うかもしれませんが
宇宙開発、南極観測、地球科学、その他の科学プロジェクト
これらの経済効果とか国民への意義とかはスパコン同様
説明は難しいでしょう
興味の無い人からみれば只の道楽です
プロジェクトをやめても国民の生活に影響はありません
しかしそれでいいんでしょうか?
今回の仕分けの理屈で科学技術を縮減したら
確実に十年後には日本には如何なる科学プロジェクトも存在しなくなるでしょう
それでいいんですか?

 ごんた | 2009.12.04 18:28

>宇宙開発、南極観測、地球科学、その他の科学プロジェクト
これらの経済効果とか国民への意義とかはスパコン同様
説明は難しいでしょう
興味の無い人からみれば只の道楽です。
しかしそれでいいんでしょうか?
いいかどうかを国民が中心となって決めていくということになると思います。
そのためには、そもそも日本という国をどうしていくのか(経済、制度、外交など)、という大きな方針を定めていく必要があります。
それに基づいて、どの分野にどのくらいの成果(や予算)を期待するのかが決まります。
これからは、お金がかかるかどうかに関わらず、必要か否かを一つ一つ判断していく土俵(仕組み)を考えていく必要があるように思います。

 しのぶ | 2009.12.04 22:42

「事業仕分け」って、何をどうやって仕分けてるの~??と思っていたので、まず事例のところだけでも、すっごく助かりました(^▽^)
コメント欄のやり取りがまさに示していると思いますが、こうやって『必要か否か』『成果はあるのか』をみんなで考えられるようになったことが、まず何より大きな一歩ですね♪(「事業仕分けについて、私の評価は0点です。」と言う意見も含めて。笑)

 goen | 2009.12.05 5:21

国の予算を国民の目の届く場にした行為は正しいです。
 自民党の党利党略と官僚の利権確保の政治では不可能、その意義は計り知れません。20世紀の予算編成を21世紀の新しい予算作成を試みた今回の民主党政策には新しさがはっきりと判ります。仕分け人を色々な立場で評価していますが大切なのは今までの行いをもう一度改める事です。目的は「無駄」をもう一度確認する事。60年間続いた政治の「垢」とゴミを払い落とす勇気です。
 それは決して自民党には出来なかった事です。
 米国の占領政策から脱皮する気構えと勇気が大切です。

 にほん民族解放戦線^o^ | 2009.12.05 21:38

農水省のムダは“事業仕分け”程度で何とかなるのか

第一次「事業仕分け」がようやく終了した。結局1.7兆円削減できただけに終わったが、公開で行うことで世論の関心を高めた事だけは評価できる。
その中で農水省…

 kirin | 2009.12.05 21:51

みなさんのコメントを読ませていただいて、一つ、大きな可能性に気づきました。
>代わりに私が仕分け人をやれば良かったと思います。
>民主党の予算の見通しのガタガタさに、愕然としました。
>これでは、いつまでも変わらないような気がしますね。
今回の事業仕分けの一番の評価ポイントは、「公開された」というところですが、それは、ここで行われている議論をより良くしていくためではなく、その結果必然的に『統合階級は無能だ』という共認が確立されることこそが、実は最大の可能性なのかもしれないということです。
今までの批判とは違い、『無能』ということになれば、そこから先は、「自分たちがやるしかない」という意識になるのもそう時間はかからないでしょうから。

 kirin | 2009.12.05 22:06

成果はともかく、公開されただけで、これだけの“考えるべき視点”が様々な方から出てくるというのは、やはり大きな意味があったと評価できると思います。
>本当に必要だけれども、現在はない新しい仕事にお金を供給していくフェイズまで進むことが大事
>科学技術に関して言うと・・・
>そのためには、そもそも日本という国をどうしていくのか(経済、制度、外交など)、という大きな方針を定めていく必要があります。
>米国の占領政策から脱皮する気構えと勇気が大切です。
右左ブログでも、今後は、原因分析にとどまらず、より具体的な個別の政策(?)を詰めていきたいと考えています。
これからも様々な切り口etcのコメントよろしくお願いします。

 kirin | 2009.12.08 1:44

(´・ω・`)さん、ご指摘ありがとうございます。
しのぶさんのように初心者の方もいらっしゃるので、取り上げる内容(事例)も気をつけていきたいと思います。
こうやってみんなの手で精査していけるのが、ネットの可能性ですね。
これからもよろしくお願いします。

 hermes essen | 2014.03.28 16:54

buy cheap tote bags 日本を守るのに右も左もない | 「事業仕分け」:国家の予算が『必要か否か』の土俵に登場してきた

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