2009年07月13日

日本支配の構造32~岩倉使節団:その概要(ルートと目的)

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米欧亜回覧の会「岩倉使節団」のサイトに記載があります。
◆まずはじめに
・過去から鎖国の江戸時代まで、色濃く残す協働意識=共同体意識をもった日本人が、欧米各国の市場化、工業化、自由化、金融化という私権社会の現実を目の当たりにする旅と考えています。その私権社会=掠奪社会=光と闇をつぶさに視察しており、明治憲法や当時の教育制度、富国強兵、殖産興業などの国家の育成に生かしています。
 この使節団を見ると、近代日本の国家がどのような舵取りをしたかが、理解できると思いますので、これから、いくつかの記事でその具体的な内容を見ていきたいと思います。
・参考までに、あるサイトから借用した当時の年表を添付しておきます。ここには当時彼らの寄港先での概略の出来事と当時の日本の状況が書かれています。【岩倉使節団年表】
この続きは、下記に記載しています。
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◆使節団のルート【訪問都市と時期】
・イギリス(英吉利)・フランス(仏蘭西)・ベルギー(白耳義)・オランダ(阿蘭陀)・ドイツ(独逸)・ロシア(露西亜)・デンマーク(丁抹)・スウェーデン(瑞典・オーストリア(墺太利)・イタリア(伊太利亜)・スイス(瑞西)・アメリカ(亜米利加)の12カ国の下記の都市を見聞しています。
米国:サンフランシスコ・ソルトレークシティ・シカゴ・ワシントン・フィラデルフィア・ニューヨーク・ボストン
英国:ロンドン・リバプール・マンチェスター・グラスゴー・エジンバラ・ニューカッスル・シェフィールド・バーミンガム・チェスター
欧州:パリ・ブラッセル・ハーグ・エッセン・ベルリン・サンクトペテルスブルグ・コペンハーゲン・ストックフォルム・ハンブルグ・フランクフルト
ミュンヘン・ローマ・ナポリ・ヴェネチア・ウイーン・ベルン・ルツェルン・ジュネーブ・リヨン・マルセーユ
寄港地:ポートサイド・アデン・ゴール・シンガポール・サイゴン・香港・上海

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米欧亜回覧の会「岩倉使節団」から借用しました。
彼らは各国を1年半、632日をかけて視察しました。1871年12月に横浜港を出発し、帰国したのは約1年10ケ月後の1873年9月。日本(横浜港)→サンフランシスコ→ワシントン→ロンドン→フランス→ベルギー→ドイツ→ヨーロッパ諸国→スエズ運河→インド洋→日本という経路で世界一周しました。
◆使節団の目的
・1871(明治4)年、明治新政府首脳は、日本が幕末に通商修好条約を締結した諸国を歴訪する、大規模な使節団の派遣を計画した。その最大の目的は以下の3つである。
1】明治新政府を諸外国に承認させること
2】不平等条約改正交渉の開始
3】西欧文明及び産業の視察

第一が、条約締盟国を歴訪して各国の元首に国書を捧呈し、聘問の礼をとること。
第二は、条約改正の暫定延期を含めて改正打診の予備交渉をすること。
第三は欧米先進諸国の制度・文物を調査研究することである。
・この時点は、まだ国内では政府大官の暗殺、脱藩浮浪の徒の横行、農民一揆の頻発等、重層的に内的矛盾が噴出しつつある時であった。にも拘らず、岩倉使節団が米欧各国に歴訪に十ヶ月半という予定(実際は一年十ヶ月となる)で日本をあとにしたのは、すでに見た政治的意図とともに、このくらいの期間ならば「留守政府」は、西郷・板垣らで処理できると思ったこともさりながら、いまや、米英各国の実情をこの目で見、国際社会の現実を潜り抜けることを通して、万国対峙の近代国家の基礎固めをすることが、至上の課題として意識されていたからである。
・この国家的課題と使命を制するものこそが、形成途上の近代天皇制の主役足り得る資格を持つことができた。まさにその意味で、岩倉使節団の発遣は近代日本史上のエポックをなしている。
・こうした職掌よりなる使節団の構成メンバには次のような特徴がある。
その第一は、大使・副使に、岩倉、木戸、大久保ら当時の明治政府の実力者が名を連ねていることである。しかも、大久保と木戸は薩長の代表的人物であり、理事官にはその息のかかった者が多い。つまり、岩倉使節団の首脳は、岩倉のもと明治政府の薩長実力者を中心に、その派閥(藩閥)的色彩で彩られているといえよう。
・だがそのことと対照的に際立った次の特色が第二の特徴となる。すなわち、書記官には、田辺太一や塩田篤信(三郎)、あるいは福地源一郎や川路寛堂のように旧幕臣が多く、また、彼らを含めて随行の一部には、幕末期に遣外使節団の一員あるいは留学生として外国の地を踏んだ経験者や外国の事情に詳しいものが選ばれているのである。
いうなれば、岩倉使節団は、明治政府の薩長藩閥実力者をトップにして、幕末以来の国際的な経験や西欧の文化の蓄積を持つ旧幕臣をはじめ有能・多彩な人材によって構成されている、ということになる。

List    投稿者 tennsi21 | 2009-07-13 | Posted in 04.日本の政治構造9 Comments » 

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コメント9件

 kentaro | 2009.10.03 23:19

市場社会により、集団を超えた社会理論の必要性が高まっていく中で登場した、「百科全書派」などは、ある意味では、世界にはキリスト教以外の宗教があることや、絶対王政意外の様々な政治形態があることや、多様な価値観や社会統合形態が存在することなど、単一集団では伏せられていた事実などを明るみにしていく点では、客観的であり、それまでの観念や思想の歴史上、大きな進化だったのかもしれません。
ただし、その観念を使う我々の意識は私権に収束しているわけで、その中で得られた事実や知識も、私権闘争の場「市場社会」のなかでは、他者否定や自己正当化の道具として使われていってしまったのだ。ということなのでしょうか?

 スズムシ | 2009.10.04 0:21

>kentaroさん
私権に収束していない観念ももしかしたら登場していたかもしれませんが、それを論理的に説明するには、サルや人類史にまで遡って社会構造を明らかにする必要があります。その意味では、事実追求が不足していたということも原因としては大きいと思います。
現代は否定すべき貧困も克服し、十分なサル・人類史などの事実構造も明らかになり、新しい時代認識を創っていけるような時代になったのは可能性だと思います。

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