ベーシックインカムは、金貸し支配からの脱却につながるか
昨年は、官民問わず「働き方改革」が叫ばれた年でした。
労働者の権利や余暇と消費の促進などに光を当てた論調もありましたが、その本質は、
今までの経済活動最優先、私権獲得最優先の時代が名実共にお終わり、人々がこれからの働き方、そして生き方を模索し始めた、その大転換期が始まったことを意味します。
その動きのひとつが、今話題となっている「ベーシックインカム」です。
「ベーシックインカム」は、働いていなくても最低限の生活が送れるお金が支給される制度で、市場拡大の行き詰まりと、労働疎外の回避の両面の効果が期待されています。
またこれは、歪んだ市場社会での労働観を一変させる可能性があります。
その基礎構造は、税金を国家が集めて国家が個人に支給するもので、財源が足りなくなった時は国家紙幣の発行が想定されており、これまでの中央銀行一方やりのよるお金のコントロールに、国家が直接介入する事になります。
これをもって従来の金融工学から逸脱する暴挙と危険視する人もいますが、これはむしろ、市場による金貸しの支配が行き詰って、国家による市場と国民の直接支配へ切り替えが意図されているものと思われます。
すなわち「経済権力支配」から「政治権力支配」へのパラダイムシフトという見解です。
「ryuubufanのジオログ」さんから、以下の記事を紹介します。 (こちら)
ベーシックインカムは完全なパラダイムシフトである。1%支配即ち経済権力支配を政治権力支配即ち99%支配にする事によって、ベーシックインカムは完全に確立定着する。経済権力は産業革命と科学技術の大発展による巨大な生産力を自らの利益にする事で、人類の99%を貧困に落とし込んだ。本来99%は今より遥かに経済的に恵まれていなければならない。実に巨大な損害を蒙っているのが真実である。ベーシックインカムはその損害を幾ばくか補填しようというものである。根本的には経済権力を完全に放逐し政治権力を確立する事で、巨大な資金がベーシックインカムの原資となる。経済権力が奪い取っていた巨大な富を人類全体で平等に分配する。実に単純な話である。本来国民投票にかけるような類いの問題ではない。
ベーシックインカムは文明国の国民に対する最大の義務である。義務と言うより根本的前提と言った方がいい。主権者である国民に国家の収入の最も大きな部分を割り当てるのは当然の事である。国民が国家や政府を上に見て自らを下に見る事がこの当然を当然と思えない理由である。国民意識が主権者国民を当然と見ていない。国民の内なる民主主義が成り立っていない。成り立てばベーシックインカムなど当たり前なのである。
以上
引用終わり
この記事からも、ベーシックインカムが現在の歪んだ経済システムからの脱却と転換の可能性を秘めていることが分ります。
さらに、世界では導入に向けて具体的に動き出している国家もあります。最後に、ベーシックインカムを取り巻く最新の状況について紹介したいと思います。
以下、「杉並から発信情報です」さんの記事を抜粋して紹介します。 (こちら)
【フィンランド、国民全員に800ユーロ(約11万円)のベーシックインカムを支給へ】
フィンランドが国民全員に非課税で1カ月800ユーロ(約11万円)のベーシックインカムを支給する方向で最終調整作業に入ったことが判った。
西欧諸国の間では、オランダもベーシックインカム制度導入のための試験制度を来年から導入することを既に、決定している。
【スイス、ベーシックインカム導入可否で国民投票を実施へ】
ベーシックインカムの導入が決まった場合、国民は働かなくても日々の生活に必要が現金を得ることができるため、働くことを辞め、これによって結果 的に、税収も減少することで、ベーシックインカムの支給そのものが困難になる恐れもあるが、スイス政府が事前に実施した国民を対象としたアンケー ト調査からは、ベーシックインカムが導入されれば、仕事は辞めると答えた人は全体の8%にとどまっており、政府では制度を維持することは可能と考えている。
【カナダのオンタリオ州政府、ベーシックインカムの試験的支給で準備入り】
カナダのオンタリオ州政府が州民に対して一律の給付金を支給するベーシックインカム制度の導入で法案の提出準備入りしたことが同州が発表した 2016年度の州予算案により明らかとなった。
この法案が議会を通過した場合、州民全員に対して、家賃、食費など(用途には制約はなし)に利用することができる小切手が支給されることになる予定となる。
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