若者世代の可能性 現代の若者は【共創時代の申し子】
過去の記事でも若者世代の可能性を追求してきました。
今回は、若者たちが育ってきた教育環境や社会環境がどのようなものであったか。
それによって、どのような可能性を育んできたのか考えてみたいと思います。
現在の10代後半から20代前半の世代がどのような時代の中で生きてきたか、教育環境の変化から押さえてみます。
●大学全入時代
2007年ごろから大学全入時代と言われます。2024年入試時までに日本の大学への入学希望者総数が入学定員総数を下回る状況を迎えるとされる状況です。当時、幼少期であった若者世代の大半は、かつての強烈な受験戦争とは無縁であり、同年代との競争意識は相当に希薄になっていきました。
●対話型授業への移行期
2012年ごろには、アクティブラーニング、対話型授業が提言され、グループや学級全体で話し合ったり、意見交換や討論をしたりする授業スタイルが日常に浸透していきました。
皆の意見を重ねていく場や一緒に考える場が、学校生活の中にも増えていき、仲間と一緒に考えていくという意識的な土台が根付いていきました。
●主体性、協調性という評価軸
教育の評価軸としても、指導要綱の中で、学びや人間関係に対する主体性、協調性・協働性を高めることが目標とされ、成績だけではない評価軸が多様な価値観をも受け入れる環境となっていきました。
また、社会現象の観点からみると、幼少期に東日本大震災、原発問題など大きな社会の揺らぎを肌で感じてきた世代でもあります。また、ネットが普及していたことから、ネット情報で社会の動きや最新情報にリアルタイムで触れ、社会問題の不整合に対する感度も高いと考えられます。
つまり、若者世代は、常に世の中の不整合に触れ、答えのない問題に対しどうしていけばよいのか無意識の次元で考えてきたと言えます。
そして、教育環境によって、評価軸は決して成績だけではなく、多様な価値観を受け入れ、個人競争をするよりも誰かと一緒に何かをすることが最大の活力源となる土台を育んできています。
今、経産省の未来人材ビジョンでは、これからの社会に求められる力として、「自ら考え、他者と協働し0から1を生み出す力」を掲げています。
これは、現代の若者たちが幼少期に育んできた意識を土台とし、多様な関係性の中で誰かと一緒に何か社会に役立つことを生み出していける可能性が大きく開けているのではないでしょうか。現代の若者たちはまさに「共創時代の申し子」なのです。
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