2011年05月29日

原発問題から見える特権階級・近代科学の問題性5 ~法律や基準は誰を守るためものか~

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画像は放射線医学総合研究所資料よりお借りしました。
 
福島原発での事故によって、大量の放射性物質が大気・土壌・海中へと放出されています。
このような状況で、人々が最も懸念することのひとつが健康への影響であり、健康への影響を判断する上で決定的に重要となるのが被曝する放射線量(累積値)です。
 
しかし、今回の事故後における東電・政府・学者・マスコミからの発信は、その情報を受け取った人たちが正確に状況を認識して判断することを妨げる極めて犯罪的なものであったと言えます。

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政府とマスコミがごまかしを始めた。これはどうしてもすぐ多くの人が気がついて理解しておかなければならない。
それは「1時間あたりの放射線」と「そこに住んでいる子供が受ける放射線」の問題だ。実に危険なごまかしを始めた。
放射線の強さを「シーベルト」で示すが、これには「年間にあびるシーベルト」、「1時間あたりのシーベルト」、「白血病になるシーベルト」、「瞬時にあびるシーベルト」と4つある.
この複雑なことを利用して、昨日から政府とマスコミは歩調を合わせてごまかし始めた。子供をもつ親はその責任から、絶対に次のことを理解して欲しい。(今、私は計算中)
・・・・・・・・・
まず、法律で決められた「普通の人は一年に1ミリシーベルトまで(自然放射線を除く)」というのは、「1年間」だ。
政府発表やテレビで報道しているシーベルトは「1時間あたりのシーベルト」だから、1ヶ月少し(42日)住んでいるところの場合、それを1000倍する必要がある。
白血病になるシーベルトは約400ミリシーベルトで、これは1時間でも1年でもなく、そのままである。だから1時間400マイクロシーベルトのところに1時間いても大丈夫だが、1ヶ月あまり住んでいると白血病になる.
レントゲンを受けると「一度に600マイクロシーベルト」の放射線を受けるが、これは瞬時である.
・・・・・・・・・どのぐらいで何が起こるか・・・・・・
4シーベルト       死ぬ
400ミリシーベルト   白血病
1ミリシーベルト(1年) 法律で定められた限界
・・・・・・・・・・・・
1)福島原発2号炉から放射線が漏れたときに枝野官房長官が発表した数値は1時間に400ミリシーベルト。
(もし、その場所に1ヶ月少し住んだら、400シーベルトになり死亡.その100分の1で死亡するから1日いたら死亡する)
2)文部科学省が3月16日に発表した福島原発から20キロの地点(福島県浪江町周辺)の放射線は1時間330マイクロシーベルトであった(1時間あたりと思う)。
(そこに1ヶ月少し住んだら330ミリシーベルトになり、白血病になる数値・・・これをテレビでは「安全な放射線」と言っていた。)
3)3月15日頃の東京の高い値は1マイクロシーベルトぐらいだった。
(東京に1ヶ月少し住むと、1ミリシーベルトで、1年ぐらい住むと子供はかなり危険。胃のレントゲンが1回で600マイクロシーベルトだから、1ヶ月で2回のレントゲンを受けることになる。)
・・・・・・・・・
【政府のトリック】
政府やマスコミは「福島原発から20キロのところの放射線は、330マイクロシーベルトだから、胃のレントゲンの2分の1」という言い方をしている。だから安全という.
しかしそれは「そこに1時間しかいない人」の事であり、住んでいる人ではない。だから、1ヶ月あまり住む人は330ミリシーベルトを浴びることになり、子供も親も白血病になるだろう.
すぐ待避しなければならない。決して「安全な放射線」ではないのだ。
・・・・・・・・・
後略
原発 緊急情報(10) 政府・マスコミ、ごまかし。危ない?!
武田邦彦 (中部大学)

福島原発での事故発生は急であったかもしれませんが、放射線被曝の危険性判断は、累積値で行うべきであることは過去の原発事故等の事例からもわかっていたことです。
 
次元(単位)の違う対象(ex.レントゲン撮影による被曝)を比較に挙げてまで、安全を強調したのは、国民の混乱(に対応できない自分たち)を恐れてなのか、本当に捉え違いをしていたのか、はたまた別の理由があるのかは確定できませんが、国民の安全を第一に考えていない姿勢が如実に表れていたと言えます。
 
また、報道の度に繰り返されたあのフレーズが、答えを出していく意志と能力がないことを人々に知らしめたのは記憶に新しいです。

(ある読者からのご提案を受けて)
「(放射線が基準以上でも )直ちに健康に影響はありません」
「(タバコを吸っても   )直ちに健康に影響はありません」
「(発がん性食品を食べても)直ちに健康に影響はありません」
・・・直ちに影響がなければOK??
「(法律で1ミリと決まっていますが?)それは単なる目安です」
「(法律で制限速度が50キロですが?)それは単なる目安です」
「(法律で20才未満は禁煙ですが ?)それは単なる目安です」
・・・法律の数字は目安?
トリックがわかりやすいですね。それでも、主要メディアと専門家は同じ事を繰り返しています.詭弁にめげず、私たちは自分たちで守りましょう。
原発 真面目な話です  わかりやすいので
武田邦彦 (中部大学)

原発事故以降、次々と規制値・基準値が緩和されています。
しかし、たとえ農作物に含まれる放射性物質の規制値を緩和しても、安全性が高まるわけではなく、人々の不信が高まるだけで、生産者を助けることにもなりません。
 
こんなに都合よく解釈できるのであれば、法律や基準は国民生活の安全を守るためではなく、特権階級が己の立場を守るために制定しているものということになります。
 
 
今回のような緊急事態における政・官・産(東電)・学・マスコミなどの特権階級の対応を見ていると、彼らにとって大事なのは、国民の期待に応えることよりも、自己保身であることを痛感させられます。
 
ただし、すでに自ら放射線量計測・被曝対策に動き出す人々や、勉強会を開催して今後のエネルギーの使い方を真剣に考えようとする人々が増え始めています。
 
今回の事故を契機に、特権階級の無能(自己中)ぶりは、確実に社会共認となっていくでしょう。それと並行して、特権階級に任せるのではなく、自分たちで社会課題に対する答えを出していこうとする動きが一気に加速していくように思います。
 
 
最後まで読んでくれてありがとうございます。
応援よろしくお願いします。

List    投稿者 lived104 | 2011-05-29 | Posted in 10.日本の時事問題1 Comment » 

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コメント1件

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