自給期待と日本の近未来16 ~金貸し支配=騙しという状況認識から事実追求・新理論の追求へ~
前回、追求力の時代→金貸し支配は崩壊過程に入っていることを扱いました。リンク
☆ これまで見てきた大きな流れを見てみたいと思います。
1970年の貧困の消滅から私権が吸引力を失い、本源回帰の大潮流から、自給期待が生起。
参照:『自給期待と日本の近未来5 ~自給期待の共認圧力が生起した~』
一方で3.11と不正選挙以降、お上の暴走と秩序崩壊の危機感から、追求力の時代へ
参照:『自給期待と日本の近未来10 秩序崩壊の危機感⇒追求力の時代へ』
☆これらの大きな潮流、特に大本の本源回帰の大潮流は、追求力の時代と相まってどこに向かうのでしょうか?何を実現させようとしているのでしょうか?日々の仕事?農や自給の地域ネットワーク?企業の共同体化?それとも社会統合?
●自給期待、追求力期待の行く先
これまで、人々は比較的自分の力で実現可能な健康や食・医療に可能性収束してきました。節約志向(もったいない)の意識や、自然食・小食・医者・薬に頼らずに病気を治す意識etcが急速に拡がりました。農業や地域ネットワーク作り、共同体化なども先端的な動きとして見られます。
具体的には次のABCという段階(経路)を経て、実現してゆくと考えられます。
A.節約/健康・食・医療の実現(態)。新情報を吸収して即実現できる。
⇒それなりの工夫・追求で可能。
B.農/地域ネットワーク/企業の共同体化
C.本源社会(社会統合)の実現(態)⇒ここにはお上支配・観念支配という強固な壁がある。その実現は、脱お上の自考期待⇒社会統合期待を土壌とする共認形成にかかっています。
ほとんどの企業が生き残るために活性化(→共同体化)や追求力育成に取り組んでいます。
一方、農業・地域ネットワークへの取り組みも始まっていますが、ほとんどの試みが現行の旧法制下では苦戦しています(ex.採算が取れない)。しかし逆に言えば、農も地域ネットワークも企業の共同体化も、新しい社会を建設し法制度を変えさえすれば急拡大してゆくでしょう。やはり本命は、社会統合課題とそれを実現するための新理論です。
●社会統合、それを実現するための新理論の必要性
☆なぜ社会統合のために新理論が必要なのでしょうか?
周りの期待に応えて現業課題を突破するためには、より鋭い切り口が求められるが、そのためには、より深い状況認識が必要になる。そして究極的には、歴史的に塗り重ねられてきた人類の意識の実現構造と社会の実現構造の認識=史的実現論が、最強の武器となる。とりわけ、社会統合課題を実現するためには、この意識と社会の実現構造の認識=史的実現論が不可欠となる。
・・・・そのためには、現実世界を動かす実現の構造を発掘できるまで、徹底して人類史を(必要ならサル社会や生物史まで)遡って、歴史事実を収集し、それを法則化=構造化する必要がある。
※近代観念(自由・平等・個人)や古代宗教は事実に基づかない架空観念でした。そしてその架空観念に導かれた過去の運動は、ことごとく架空観念(価値観念、美化観念)であるが故に、現実を変えることができず、何も実現できなかったのです。
参照:自給期待と日本の近未来3 ~否定から実現へのパラダイム転換~
今では、殆どの人は近代観念(自由・平等・個人)などは意識していませんが、「民主主義」→選挙制度などは社会を統合する観念として強固に残っています。
また、社会統合の場にいる人々(政治家・マスコミ・官僚・専門家など)は社会統合の必要から何らかの観念が必要であり、一般的に近代観念を用いています。彼らはそれがメシのタネでもあるからですが、その結果が、行き詰まった、答えのない社会です。(ex福祉や平等の観念→莫大な国家支出。個人→活力の喪失や孤独死。etc)
一方で普通の人々は、
・ 「役に立ちたい」という周りの期待=課題に応えようとする課題収束の潮流があり、
・ 一方で統合階級の暴走→どうなるか分からない、秩序崩壊の危機。切羽詰まった統合期待の中で蓄積されていく答え欠乏の蓄積と追求期待・自考期待が生起。
⇒追求力の時代、人々がこの社会期待に応える答え追求(=理論追求・社会構造追求)に向かうのは必然です。事実追求そして、その先に実現基盤を提示してくれる新理論の探索へと先端収束して行くでしょう。
●「金貸し支配=騙し」という状況認識から、事実追求・理論追求へ
理論追求には旧観念(近代観念)の壁があります、お上の暴走⇒脱お上の自給志向は旧観念(近代観念)の壁に大きな風穴を空けることになります。∵人間は観念統合の動物です。従って、その観念が無効or誤りだと自覚(ex選挙制度=民主主義の欺瞞性)すれば、新理論に収束するからです。
・ とりわけ「金貸し支配」(⇒騙し)という認識は、社会派にとって近代思想を見直す大きな契機となります。近代思想自体が、金貸しがルネッサンス以降、支配・騙しのために流布した観念にすぎないからです。
・ 原発やTPP・秘密保全法の実害が広がってゆくにつれ、近代科学や市場主義に対する根本的な疑念を生み出しています。
・大衆の脱お上の自給志向⇒追求気運が上昇してゆくこと。
・お上の暴走(とりわけ不正選挙)によって金貸し支配(騙し)の認識が広がってゆくこと。
・・・これらの潮流(大衆の意識転換)を受けて、社会派の5割は近代観念から脱却し追求(⇒新理論)に向かうでしょう。
一方、大衆(非社会派)も、原発・TPPetcの実害を契機に、あるいは健・食・医の認識を通じて、あるいは脱お上の自給志向が上昇することによって、金貸し支配(騙し)を知り、最終的には数割が社会派に脱皮してゆくでしょう。この新社会派は、旧観念に染まっていない分、ストレートに新理論(社会構造認識)に向かっていく。
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お上の暴走 →原発・TPP・秘密法による実害の拡大(反対7割)
∥ ∥ ∥ ∥
∨ ∨ ∨ ∥
脱お上の 健・食・医の 金貸し支配 ∨
自給志向⇒ 共認拡大⇒ (騙し)の共認 ⇒事実追求・社会構造の追求
∧ ∧ ∥ ↑
∥ ∥ ∨ ↓
不正選挙→民主主義(中核観念)が揺ぐ⇒近代観念の否定
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● 社会統合の共認勢力の登場
A「健・食・医」の共認は今後も広がってゆく。
B「農/地域ネットワーク/企業の共同体化」も拡がっていくだろう。
C そして、「本源社会(社会統合)の実現」への動きも、今後進んでいくはずです。
・・・それらの実現態(特にB・C)が、現在なにかしか存在しているはずです。もしくは、その前駆体である事実追求⇒社会構造・新理論追求が何か存在しているはずです。次回のシリーズで、その概況を含めて調査してみたいと思います。
(このシリーズは、今回まで16回に渡って続けてきましたが、次回最終回です。)
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