マイナス金利導入で最も打撃を受けたのは日銀
先日、日銀がマイナス金利の導入に踏み切りました。
マイナス金利はすでにヨーロッパ(ECB)でも導入されていますが、デフレ脱出を目的としておきながら、その結果は逆にデフレを深刻化させている様相です。
ヨーロッパと同様、日本がこれに踏み切ったのは、デフレが深刻化しているということを日銀が認めたに他なりません。
今回のマイナス金利導入で株は一時的に回復基調を見せている様に見えますが、果たしていつまで続くのか非常に危ういものです。
そして今回のマイナス金利で最も打撃が大きかったのは誰なのか。それについてブログBLOBAL EYEより引用します。
今回のマイナス金利導入で一番打撃の大きいのは実は日銀(政府)であるというのは殆ど語られていません。
マイナス金利は今後金融機関が日銀に国債を売却しその売却代金を日銀に預けた場合にその預け金にマイナス金利を適用するという形になっているからです。
では金融機関がそのまま国債を保有し続けた場合はどうなるでしょうか?
マイナス金利はありません。
現在、金融機関は日銀に246兆円も預けており、それには年利0.1%が払われているのです。これは以前にも指摘しましたが、日銀からの補助金であり、これを廃止し残高にマイナス金利を適用するのなら分かりますが、そうではなく新たに金融機関が国債を日銀に売却しそのまま日銀に預けた場合にはマイナス金利とするとなっており、ならば誰が損をするような国債売却をするでしょうか?
今後、日銀が国債買入を発表しましても金融機関は無視をする可能性すら出てきます。
即ち、札割れです。
この札割れが起これば、金融調節が不調に陥ったと市場は判断することになり、政府 ・日銀の政策的な(意図的な)円安ではなく、本格的な日本売りが始まる可能性が出てくるのです。
今やマネタリーベースは346兆円となり、日銀当座預金は246兆円となっており、この246兆円の内の238兆円に0.1%が払われています。
日銀は年間80兆円の国債を買い入れており、このままいけば16年末には日銀の国債保有比率は37%、17年末には45%にも達すると想定されていますが、誰も国債を売らなければ日銀は金融緩和ができなくなるのです。
昨年一年間で日銀は90兆円の政府借金(国債等)を買い入れ、民間は反対に56兆円減らしており、次第に民間が売るべ国債がなくなりつつある中、今回のマイナス金利で益々売らなくなればどうなるでしょうか?
金融緩和が出来ない事態に陥ることになり、ならばとして日銀は金融機関に報復処置として現在払っている0.1%を廃止することもあり得ます。
年間2400億円近い補助金が金融機関に日銀から払われていますが、これが廃止されれば、金融機関はかなりの打撃を受けることになります。
護送船団方式で国債を日銀に売ることになるのか、それとも売れないものは売れないとして、日銀・政府に楯突くのか?
いずれにしましても市場と喧嘩することになる訳であり、その喧嘩を利用してヘッジファンドが動けば市場は大混乱します。
ヘッジファンドが徹底的な円売りを仕掛けてきた場合、1週間もすれば外貨準備高は消滅してしまい、あとは円はフリーフォール状態になります。
日銀・政府が市場に負ける事態は直ぐそこに来ているかも知れません。
日銀がマイナス金利に踏み切った、いや踏み切らされたと言ってよいと考えられますが、よりマクロの視点で見れば、金融政策や経済の動向と高下は、金貸しの意図によって、そのように演出されているに過ぎません。世界がロシアを中心とする新勢力へと次第にシフトしている中、今も変わらずアメリカ追従を続けているのが日本なのですが、このままでは文字通り喰いものにされてしまう可能性も否定できません。
また、これに限らず現在の世界規模の金融不安は、過去同様にバブル崩壊へと直結している訳であり、いずれにせよ、破局という事態を想定しておかなければならないことは間違いありません。ただし、その仕掛け人がこれまでとは違うらしいことが分かってきています。その仕掛け人の真意を引き続き探索していかなければなりません。
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