2022年03月30日
【世界の力を読み解く】~ウクライナ情勢で加速する実物経済主義~
ロシア・ウクライナの停戦協議など、マスメディア的には進捗があるように見られますが、
原油などのエネルギー関係、鉱石など資源関係の供給停滞で世界的な影響が出ています。
(私の仕事は建設関係ですが、資材価格への影響が出始めています)
一方で、なかなかメディアには出てこないですが、もう一つ重要な視点があります。
それは、『食』に関する状況です。
実はロシアとウクライナは、エネルギー・資源大国でありつつ、食料大国でもあります。
(画像:社会実情データ図禄)
◆ロシアとウクライナは世界有数の穀物輸出国です*1。
世界貿易の中では、ロシアとウクライナの2カ国だけで、
小麦の30%以上
大麦の32%以上
トウモロコシの17%以上
ヒマワリ油・種子・粕の50%以上*2
を占めています。
世界で取引される食料をカロリー換算すると、少なくとも12%をこの地域が生産しています*3。黒海周辺のこの地域は、肥沃な黒土として有名なチェルノゼムが広がっていることでも知られ、現在の世界の食料システムにとって不可欠な地域なのです。
(GREENPEACEより引用) (さらに…)
【世界の力を読み解く】ウクライナ情勢。欧米の露エネルギー依存は解消できるのか
欧州のエネルギー政策の見通し、ロシア依存をどう解消しようとしているか、今回の戦局を見通すだけではなく、これからの世界パワーバランスを見ていくため、この間の露エネルギーへの各国動向を紹介します。
ロシアからの天然ガス調達を回避する動きが広がれば、世界の天然ガス輸出量はどの程度縮小するであろうか。2020年のロシアの天然ガス輸出の内訳を見ると、欧州向けが77.0%と圧倒的に大きい。欧州向けのうち、パイプライン経由が90.6%を占める(輸出量全体に対する比率は70.4%)。石油と同様、CIS、中国、インド以外がロシアからの天然ガス調達を回避すると仮定すれば、ロシアは輸出量の84%程度を失うことになる。世界全体の輸出量との対比では約21%に相当する、年換算2000億m3の供給が消失する可能性がある。天然ガス市場ではロシアの供給者としての役割が大きいこともあり、原油市場と比べて需給へのインパクトは大きい。ただし、現実問題としては、パイプライン経由の依存度が大きい分、ロシアからの調達を完全に回避することができるかは疑問だ。欧州は天然ガス輸入の79.6%をパイプライン経由で賄っており、うち37.5%(全体の輸入量に対する比率では29.8%)をロシアから調達している。天然ガスの供給に際しては、パイプライン網が一定の圧力を維持する必要があるが、例えば、事前通告なしにロシアからの供給が遮断されれば、安定供給に支障が生じ得る。仮にLNGによって代替調達できても、パイプライン網の圧力をうまく調整できるか否か不透明だ。すなわち、石油と異なり、天然ガスについては、ロシアからの調達を回避したくとも、難しいのではないか。言い換えれば、天然ガス輸出はロシアにとって欧州に対する交渉材料となり、事態を複雑にする。元来、欧州にとって天然ガスのロシア依存はエネルギー安全保障上の問題とされてきたが、現実のリスクとなっている。
【日本の活力を再生する】“就活”をつくりなおす企業1~人間関係に固執するZ世代たち~
こんにちは!
以前紹介した面白法人カヤックさんの全員人事部の記事を覚えていますでしょうか?
(【日本の活力を再生する】“働く”をつくりなおす企業4~まずは、なんでもやってみる~ – 日本を守るのに右も左もない (nihon-syakai.net))
この記事をきっかけに、“就活”について改めて考える機会があったので、今回ブログ記事として書いていきます。
【Z世代を取り巻く企業選びの傾向~多様性を許容してくれる企業選び~】
就職活動をする学生の意識について、まず就活における傾向から押さえていきます。
≪ビジョンやパーパスを意識し、一緒に働く社員との相性や社風やカルチャーを重視した企業選びをするなど、就職活動でも他者との良好な関係を重視する、Z世代の特徴的な価値観が表れた。≫(企業選びで学生が重視することhttps://www.itmedia.co.jp/business/articles/2112/24/news091.html)
わたし自身、新卒採用の課題を担うこともあり、いわゆるZ世代の学生さんと接する機会も多いですが、彼ら彼女らの価値感というものは以前の就活学生たちのそれとは変化しつつあると感じます。
・大企業ブランドへは惹かれない→バリバリ働く、稼いでやる意識ではない。(セールス/売り付けのような買う買わせる→ノルマといった仕事もしたくはない)
・一方、公務員≒安定思考というわけでもなくベンチャー企業/スタートアップへ新卒時から就職する学生も多い。
上記した就活傾向から見えるのは「生活感覚と仕事感覚が混ざり合い始めている」ことかと思います。公私をパッキリと区別するのではなく、生活(や遊び)の延長に仕事があり、仕事の先に生活がある。公私が相互に作用しあう“多様性”を受け入れるし、逆にそれを受け入れなさそうな企業へは惹かれにくい(大企業のように規則/ルールが多い企業)。
多様性を許容してくれる企業選び。
こういった傾向に至る背景には、どのような価値観/意識が眠っているのでしょうか。
(さらに…)
ウクライナ情勢をどう見るか?(視点)
ウクライナ情勢が日々メディアで伝えられています。
当ブログのスタンスは、どちらかの陣営に与することではなく、「世界の力学はどうなるか?」、様々な情報を読み解き、仮説を立案検証し、冷静に事実を見極めることです。
考えるべき視点として、「軍事」(ウクライナ局地戦、長期化、核および科学技術の問題)、「経済」(経済制裁の効力、ロシア国民経済は?)、「メディアと世論」(情報戦、プロパガンダ、反プーチン機運は?)等々ありますが、、、
私自身は、ウクライナ局地戦の行く末はいくつかのシナリオが考えられるものの、主戦場は「局地戦の先を見据えた戦略」であり、【ドル基軸通貨体制】【エネルギー・資源・食糧】が焦点になると考えています。
なお日本にとっても、ドルの問題→円の問題(http://blog.nihon-syakai.net/blog/2022/01/13152.html)、および資源の問題は、国民経済を左右する極めて重要な事項となります。
現在、日本を含む西側の報道の多くは、「正義」(感情)を盾にしたプロパガンダを企図したものとなっています。これを鵜呑みにすることは、思考停止に他なりません。「正義」は立場によって180度異なるし、現代のメディア報道は(特定の権力および金融資本の意向に基づく)「情報戦」であることに自覚的になるべきです。
何が事実なのか、どうなるのか、誰も確たる正解を持っていない問題ですから、思考のスタンスとして、まずは正義・感情論を排して「各国の立場に同化して考えてみる」、「歴史をさかのぼって、なぜこのような対立に至っているのか、構造化する」ことが大事ではないかと思う次第です。
いくつかの情報を紹介します。
■「ロシアの論理」で読み解くウクライナ危機【豊島晋作のテレ東ワールドポリティクス】(2022年2月9日)https://www.youtube.com/watch?v=9j_-bJnp3Z8 ※この動画は開戦前に収録されたもの。なぜロシアはここまで強硬なのか。あえて「ロシアの論理」や「言い分」に立って、ウクライナ危機を解説。
↑ロシア(プーチン)にとっては第一次・第二次世界大戦も戦後冷戦も、いまだ終わっていない出来事であることがよくわかります。
■『ウクライナ危機は2014年から始まる”ネオコン”対プーチンの闘いだ!』ゲスト:元ウクライナ大使 馬渕睦夫氏 https://www.youtube.com/watch?v=Cmnpn93FS9Q&t=1s
■ロシアとウクライナが「こじれた」複雑すぎる経緯 https://toyokeizai.net/articles/-/514936
■ウクライナ危機の世界史的意義 ―ロシア・ウクライナ関係史の視点から― https://ippjapan.org/archives/4697
■ウクライナの歴史年表 https://europa-japan.com/cate_history/ukraine.html
by Yusuke
【世界の力を読み解く】ロシアに対する世界の主要諸国のスタンスは?
日本のメディアでは相変わらずロシアを悪にするような報道ばかりで、世界の中で完全にロシアは孤立しているかのように感じさせられていますが、実際のところはどうなのでしょうか?
客観的事実からは以下のような構成になっている事が予測されます。
〇国連は中立の姿勢を表明
まず国単体ではありませんが国連事務局は、ウクライナの事態を「戦争」とか「侵攻」と呼ぶことを禁止し、公平性を保つために「紛争」とか「軍事攻撃」と呼ぶよう求めていることが3月8日に報じられました。
国連が中立の姿勢を取っていることが明確になった段階でメディアから受ける印象から不整合感を受けるのが普通の感覚ではないでしょうか?
国連以外ではサウジアラビアが主導するアラブ連盟(UAEやエジプトやヨルダンなど)も2月28日に中立宣言の決議を出しています。
元々アラブ連盟は米国の属国がほとんどでしたが、それらの諸国が一体となって中立を示していることは完全に脱米国に舵を切っていることがわかります。おそらくアラブ連盟は中立を示していますが実質は中露側だと考えられます。これまで米国に好き勝手やられてきたことを簡単に許すことはなく、米国には自業自得といった状況。
【日本の活力を再生する】新たな集団関係(2) ~同類闘争のパラダイム~
前回より、『新たな集団関係』というシリーズで、「贈与ネットワーク」が現実社会で市場原理を止揚し統合していく可能性を追求し始めました。
前回記事では、「契約と贈与」の違いを紐解きました。信頼・信用のおけない他者との「利益の相互約束」が「契約」関係であることに対し、信頼と信用が基盤となる贈与こそが、答えのない未知だらけの時代において、挑戦する仲間・同志をつなぐ追求関係を構築する可能性ではないかと検証しました。
今回も引き続き、「贈与ネットワークで勝っていけるのか?」をテーマに、本源時代の市場競争=集団間の同類闘争に照準をあてて追求します。
【世界の力を読み解く】ウクライナ情勢に見る、世界経済の行方
ウクライナ情勢の中で、西側諸国がロシアに対する経済制裁を強めている。
果たしてそれが、どれほどロシア経済に打撃を与えるのだろうか。
西側諸国に対して、中国やインド・ブラジルなど、経済制裁を拒否・ないしは慎重な姿勢を示す大国も。
世界的なインフレが留まることを知らない中で、世界全体の経済はどうなっていくのか。
今回はウクライナ情勢を、世界経済の視点から見るために、いくつかの記事を紹介します。
やはり、ドルの影響力が弱まり、世界経済の形が大きく変わろうとしていいるように思えます。
【忍び寄る巨大経済圏:中国】JBpress より引用
>一連の動きを整理すると、世界は欧州、中国(ロシア)、米国という3大ブロック体制にシフトしており、ウクライナ侵攻は結果的にその動きを加速させる作用をもたらしている。そうなると今後の世界経済において、その行動が注目されるのは中国ということになる。
中国は今のところウクライナ問題に対しては静観の構えだが、少なくともロシアを批判する側には回っておらず、「ロシアと正常な貿易取引を進める」としており、むしろ間接的な支援を行っていると解釈できる。ロシアと中国の協調は、政治的な部分ではなく、見えにくい形で経済面から進んでいくだろう。今後、中国がロシアとどのような取引を行い、金融システムでの連携をどう進めていくのかをチェックしていけば、今後の中露関係についてある程度の見通しを立てることができるはずだ。
現時点において、基軸通貨であるドルの地位は圧倒的であり、為替取引全体の44%がドルとなっており、2位のユーロは16%しかない。だが貿易や送金など実需に限定すると、ドルは40%程度のシェアを持っているのは同じだが、ユーロもほぼ同じシェアを確保しておりドルは絶対的な存在ではない。しかも中国は2030年前後に米国を抜いて、世界最大の経済大国になる可能性が濃厚である。貿易など実需取引に絞れば人民元はもはや無視できない存在となっている。
これまでドルの地位が絶対的だったのは、経済のグローバル化によって、全世界が単一の金融市場として機能していたからである。投機を目的とした為替取引の規模は、貿易実需をはるかに上回っており、これがドルの地位を揺るぎないものにしてきた。だが金融システムも分断された場合、世界は単一市場ではなくなるので、ドルの影響力は額面以上に低下する可能性もある。通貨の影響力に貿易が占める割合が増加すれば、人民元の地位は今よりもずっと高くなるだろう。
少なくとも国際金融市場の世界では、こうした経済システムや金融システムのブロック化、つまり分断が進むとの予想が大半であり、一部の投資家は今後のポートフォリオ戦略について具体的な検討に入っている。
筆者はこのコラムですでに何度か指摘しているが、中国の人民元決済ネットワークには邦銀も多数参加しており、日本経済は見えないところですでに中国経済圏に取り込まれつつある。世界経済や政治体制のブロック化が進んだ場合、日本は中国やロシアと米国の板挟みになり、踏み絵を迫られる可能性は否定できない。ウクライナ問題というのは、そのままアジア太平洋地域の問題であるとの認識が必要だ。
==引用終わり==
(さらに…)
【世界の力を読み解く】ロシアとウクライナの軍事進攻状況
ウクライナ騒動は日々状況が変化しています。しかしメディアで報じているのは相変わらずロシアが悪であることを印象付けるためのものばかりです。ロシアが無差別に激しく攻撃しているように見える映像を多く公開しているように思います。
今回軍事に関する状況についてはまとめて行きます。
【日本の活力を再生する】“働く”をつくりなおす企業4~まずは、なんでもやってみる~
前回は江戸時代の百姓と現代の副業とを比較しながら紹介しました。(前回リンク)
今回は、現代において百姓的に働くとはどういうことか?どのようなものがあるのか?を紹介します。
【共同体的精神=多様な役割を見つけ出し担い合う】
もともと百姓は、農業を仕事としながら、その地域のなかで足りないもの・役割を見つけ出し、担い合い、“兼業”していました。
地域をどうする?どう良くしていく?を持ちながら、何でもやってしまう。そんな共同体的精神があり、それが当たり前でした。
この「地域」を「企業」に置き換えてみると、現代における百姓的働き方のヒントが見えてきます。 (さらに…)
【世界の力を読み解く】コロナ騒動や中東問題と類似しているウクライナ侵攻問題
【世界の力を読み解く】ウクライナ侵攻は欧米諸国の衰退が世界中に知れ渡る結果に(リンク)
前回記事では客観的事実からウクライナ騒動を通して、欧米諸国やメディアの衰退が世界中に知れ渡ったことが見えてきました。
それを踏まえてコロナ騒動やアフガニスタンでの事象と比較をしてみました。
〇コロナ騒動と比較してみるとどう見えるか?
最近の大きな騒動と言えばコロナ騒動だと思います。まずはこの構造に当てはめて考えてみます。
コロナ騒動でははじめに中国を悪としたい勢力が武漢発でのウイルスという事を報道。中国には大きな打撃を与えるという事から始まりましたが、結果としては中国は早々に騒動から抜けて、欧米諸国が最後まで影響を引張り経済的にも大きなダメージを残した状態になっています。この時ももっとも騒ぎ立てて中国を批判していたのは米国でした。
ウクライナ騒動でも欧米諸国がウクライナの西側の勢力を煽ることから始まっています。そこからロシアを悪として、ロシアにダメージを与えることを想定していたのかもしれませんが、結果的には前回記事にも書いたように返り討ちにあって次に打つ手がなく、欧米に巻き込まれたドイツなどは寒いにも関わらずエネルギーが断たれるといった被害を受けています。
〇中央アジア統合を前進させる騒動
コロナ騒動に限らずもう一つ類似した事象がこれまでにも起こっています。例えばアフガニスタンの米軍撤退は記憶に新しいと思いますが、中東諸国においても、米国が過剰報道、過剰干渉を行った結果各国は混乱、それを鎮静化させる正義のふりをしてさらに干渉して混乱を起こしつつ支配権を取ろうとしてきたというのがこれまでのやり方でした。今回のウクライナの件についてもほぼ同様なことを行っているだけです。
イラクのフセイン討伐の時代くらいまでは、戦争をすることに米国内の世論も後押しする方向であったと思いますが、既に数年前からは自国民からさせ見放されている状況にあります。
米国とロシア(中国)との力関係に大きな変化がないのであれば、行きつく先は同じでロシアが鎮静化に入ることで騒動は収束し、ウクライナも最終的には中露が中心となって統合に入っている中央アジア諸国の一つになっていくのでしょう。(リンク)
ウクライナまで北上してきたとことはさすがに同様の手段を使って支配する国がなくなってきていることが見えます。