『社会問題は何が問題?』3 ~少子高齢化って何が問題なの?~
『社会問題は何が問題?』シリーズ3
シリーズ2マスコミが社会を閉塞させている?以来、少し間があきましたが、今回は少子高齢化って何が問題なの?がテーマです。
では早速、少子高齢化の実態を把握するところから始めましょう
以下グラフはこちらを参照
グラフ1【出生数及び合計特殊出生率の推移】
1年間に生まれる子供の数は1970年前半の200万人から、2002年には半分近く減って115万人に。わずか30年で半減!
出生率は2003年に1.29まで減少。長期的な人口維持に必要とされる2.07を大きく下回り、人口減少、高齢化が促進されています。
グラフ2【我が国の総人口の見通し】
日本の総人口は2000年時点で1億2693万人。その後2006年をピークに減少に転じ、2050年に1億人、2100年には6400まで減少すると予想されています。
グラフ3【50年後の日本人口】
西暦2000年と2050年の人口構成比を世代別に比較すると
2000年→2050年
子供人口(15歳未満) 15%→11%
働き盛り人口(15歳~64歳) 68%→54%
高齢人口(65歳以上) 17%→36%
2000年には5.7人に1人が65歳以上
2050年には2.8人に1人が65歳以上
以上が予測も含めた実態です。
ではなんでこんな事になってしまったのでしょうか?
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少子化の直接的原因は親が子供を産まなくなった事ですが、なぜ子供を産まなくなったのか?さらにはその先には結婚しないあるは、晩婚化に見られるように結婚という制度の問題。もっと根本的には男女間の性の衰弱にあるとも言えそうです。
では性はどのように衰弱したのでしょうか?
哺乳類は性闘争と縄張り闘争が一体となって機能しています。
つまり性闘争の勝者が縄張りも確保出来るという構造です。逆に言えば縄張りを確保しないと性も手に入らない。
これは人類も例外でなく、縄張りを私権と読みかえれば成立します。
人類の場合は、女が性を出し惜しみする事で性幻想を肥大させ、その性的商品価値を高めたという点が特徴的。性の衰弱は縄張りつまり私権圧力の大きさと関係しています。
るいネット 潮流6:’95年、私権原理の崩壊と目先の秩序収束
バブルは必ず崩壊する。案の定、’90年、日本のバブルは崩壊した(その後、’08年、米欧をはじめ世界バブルも崩壊する)。
そして、’95年、バブル崩壊の5年後、相次ぐ金融機関の破綻を目の当たりにして、私権の崩壊が意識(予感)され始める。
半顕在意識に生起したこの私権崩壊の認識(予感)は、私権追求の欠乏を一気に衰弱させ、急速に私権圧力を衰弱させていった。
私権欠乏→私権圧力が衰弱したことによって、私権欠乏発の不満や怒りや要求も衰弱して無意味化してゆく。つまり、「否定」意識が空中分解してゆく。こうして、’95年以降、「否定と要求」の社会党は一気に凋落していった。
そして、「否定」が空中分解したことによって、’70年以来の充足志向→実現志向の潮流が次第にはっきりと顕在化してくる。
それだけではない。私権が衰弱したことによって、「否定」意識と同じく私権欠乏発の「自由(自由追求の欠乏)」も衰弱して無意味化し、空中分解してゆく。
それに伴って、明治以来、市場拡大の原動力となってきた性(自由な性=自我と私権に貫かれた性)の活力も一気に衰弱し、アッという間に女の性的商品価値が暴落すると同時に、男のセックスレスが蔓延してゆく。
草食男子がいい事例だと思います。
つまり物的豊かさが実現されて、それほど私権獲得の必要がなくなると、セットで機能していた性闘争の活力も同時に衰弱していくということだと思います。
では、次に結婚しても子供を生まないケースはどうなのでしょうか?
子供を産まなない最も大きな原因は「経済的負担が大きいから」と言われています。
そしてその経済的負担の最大は教育費です。
しかし、よく考えて下さい。
今や大学(短大や専門学校含めた高等教育)進学率は7割以上に昇っていますが、そこまで高い教育費をかけて勉強して、それって現実の役に立っていると言えるのでしょうか?
るいネット 潮流7:暴走する社会(特権階級の暴走と下層階級の暴走)
私権原理が崩壊し、社会が統合軸を失うと、歯止めを失って社会は暴走してゆく。無差別殺人やモンスターペアレンツの登場もその一例であるが、最も恐ろしいのは、社会を統合する役割を担っている特権階級の暴走である。
経済危機が生み出す危機感は、現体制の上位の者≒特権階級ほど切実であり、強い。従って、目先の制度収束は、上位≒特権階級主導で形成されたと見るべきだろう。
実際、授業や試験に収束しているのは、上位の子供たちである。何よりも、特権を維持するために自分たちに有利な制度を作って格差を拡大し、身分を固定させてきたのは、専ら特権階級の仕業である。
大多数の私権意識が薄れていく陰で、ひとり権力喪失の危機感を募らせた特権階級は、その飼い主たる金貸しや国際企業を含む自分たちの特権を維持するために、優遇税制をはじめ様々な特権制度を強化し、その結果ますます格差を拡大させ、身分を固定化させてきた。
とりわけ、団塊世代以降の特権階級は、貧困を知らず、本当の私権圧力を知らない。従って、彼らは、肉体的欠乏に発する本当の目的意識を持ち合わせていない。彼らは、単に試験制度発の「合格」という無機的な目的意識を植え付けられてひたすら試験勉強に励み、「特権」を手に入れた連中である。しかも彼らの大半は、試験制度という与えられた枠組みの中でひたすら「合格」を目指してきたので、その前提を成す枠組みそのものを疑うという発想が極めて貧弱である。
従って、彼らは社会に出てからも、ひたすら既存の枠組みの中で走り続けることになるが、もはやそこでは、既存制度によって与えられた特権の維持と行使という目的以外の目的意識など生まれようがない。
かくして、団塊世代が幹部に就いた’00年以降、彼ら特権階級はひたすら与えられた特権を行使し、次第に「社会を動かし」「世論を動かし」ているという支配の快感に溺れてゆくようになって終った。
それだけではない。危機に脅えた特権階級は、アメリカの力に拠り縋り(その結果、アメリカの言い成りになって)中立公正も何もない露骨な偏向・煽動報道によって小泉フィーバー、郵政選挙を演出し、更には検察とマスコミが一体となって、鈴木宗男、佐藤優、植草一秀、小沢秘書etcの政敵を失脚させてきた。
これは、麻薬中毒よりももっと恐ろしい、権力の自家中毒である。
一生懸命勉強した結果、それが役に立つどころか、恐ろしいことになっていますね。
勉強そのものは必要なのですが、現在の試験を前提にした教育はとんでもない結末に向かう構造を孕んでいます。
これは何も特権階級だけの問題ではありません。試験制度の枠組みの中でしかもの考えられず、その枠組みを疑うことを知らない思考停止状態の人間を大量生産しているという問題でもあります。
今の親たちは結局何の役にも立たない所にお金かけようとしている。そしてそれが負担だと言っているのですが、意味がないならお金もかける必要がないので、子供を作ればいいわけで、必要だと思っているということでしょう。
教育費の負担を子供を作らない口実であって、本当はもっと別の理由があるではないでしょうか。
るいネット 子どもと若者の、生産主体から消費主体への転換
豊かさを実現した先進国では、例外なく少子化が進むのはなぜか?
貧困の圧力が強い発展途上国では、豊かさを希求し続けており、子どもにも豊かな生活を実現する上での「生産者」としての期待が掛かっている。最低限の生活の中で「生活」の一部を担い、その過程で主体性を確立して行く。この状況下では、少しでも豊かな生活を実現するために、子どもを生む。
豊かな生活を実現した先進国では、子どもは(むしろ、子どもを包摂する家庭は)「消費者」として機能しており、生産的な役割を担っていない。この状況の下では、現在の豊かな生活レベルを維持するためには、「消費者」は少ない方がよい。子どもへの期待が薄まっていることも相まって、子どもを生まなくなって行く。
で、そもそも少子高齢化は何が問題なのでしょう?
一般的に言われている「問題」は、
①少子化高齢化によって、社会保障の給付が増える一方で、労働力人口が減るので現役世代の負担が増えるというもの。
②人口減少によって市場が縮小し、所得も減少すると考えられています。
しかし②は市場は拡大し続けなければならないという市場拡大派から見れば問題ですが、市場はそもそも縮小過程に入ってるという前提ならば、別に打つ手はあったはずです。(参考:潮流5:失われた40年)
従って①を検証してみることにします。
ここでよく考えてみてください。
社会保障(厚生年金)は65歳から年金給付されます。今時の65歳は、まだまだお元気な方が多い。現役世代と全く同じは無理かも知しませんが十分働ける年齢です。しかし65歳になったら年金がもらえるので働かない。働いて所得が増えるともらえる年金額が減るので、働かない。
まだまた働けるお年寄りを、働かせないようにしておいて、社会保障が増えて大変とうのは変ですね。
労働人口がへ減るのは、人口が減るだけでなく高齢者に働かせないようにしている社会保障制度に問題があるように思います。そして働かないという事は社会での役割を失うという事でもあります。
元来お年寄りの面倒を見るのは地域共同体が担っていました。
しかし共同体の解体によって、個人がバラバラに解体されて、根無し草となってしまったから社会保障(年金)に頼らなければならなくなったのです。
まとめ【少子化って何が問題?】図解
貧困の消滅
↓
私権の衰弱
↓
性の衰弱
↓
┏→少子化→高齢化→現役世代の負担増→→→┓
↑ ↓ ↑ ↓
↑ 労働力人口の減少→→┻→→→→→→→活力喪失
↑ ↑ ↑ ↑
↑ 社会保障(年金)→働かない→役割喪失→→→┛
↑ ↑↑
↑ 個人は根無し草
↑ ↑
↑ 共同体解体→→消費と生産の場の分離
↑ ↑ ↓
↑ 個人の自由 家庭(子供)は消費のみ
↑ ↑ ↓
↑ 近代思想 子供が少ない方が豊かさ維持
↑ ↓
┗←←←←←←←←┛
★少子高齢化は結局何が問題なの?
お年寄りは働かないことを奨励する社会保障制度によって役割を失い、若者はその面倒を見るのにあくせくし、社会全体は働く人が減っていく。
こうして社会全体が活力を失っていくということではないでしょうか?
★突破口は?
図解から見て取れる通り
「性と共同体の再生」が課題だと考えられます。
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