2021年11月29日

【世界の力を読み解く】~民族自決路線で共闘していくアジア中央部と中露/確実に統合されていくアジア諸国~

これまで3回に亘って中央アジアの動向や歴史について考察してきました。

【世界の力を読み解く】~なぜ大国はアジアを掌握しようとするのか~
【世界の力を読み解く】~覇権争いの土俵にある中央アジアのいま~
【世界の力を読み解く】~なぜ世界の重心はアジアから欧州へ移ったのか~

近年は欧州⇒米国と世界の支配勢力がアジア中央部を支配してきた流れがあります。

支配をされても民族性が変わらないという特徴がアジア中央部の多くの民族には見られます。日本人は支配層までを受け入れてしまう民族ですが、そこと比較すると大きく民族性が異なっていることがわかります。

自然外圧が高いだけではなく、各民族の領域が連続していることから民族間の闘争圧力も高く常に戦闘に明け暮れてきた民族であることから、支配層に染まらない民族性が育まれたことは容易に想像がつきます。

そのアジア中央部民族は世界の主導権を握りつつある中露のことをどのように見ているのか?欧米に代わってアジア中央部に進出している中露ですが今後アジア中央部とはどのような関係になっているのか?


今回は今後の世界の動きを読み解くうえでも重要となってくるアジア中央部諸国と中露の関係を考察していきます。

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〇時代が変わっても貫いてきた民族自決路線

現在の中露は世界を脱グローバリズム→民族自決路線への転換を進めています。アジア中央部の民族は歴史的に見ていくともともと民族自決を貫いてきたことがわかります。そんな自国としての意識が強すぎたことが災いして、国の大きさこそが最大の武器となる、産業革命以降の資力支配(=戦争)の時代では分が悪く、欧米諸国に支配されることになってしまいました。

しかし、何千年にも亘って培われた民族性は数百年程度の支配で塗り替わるようなものではありません。このように民族性を強く残してきたアジア中央部の民にとって中露の目指す民族自決路線は、これまでの生き方そのものであり肯定すべき事象であることが見えてきます。

〇アジア中央部諸国の力になる中露

すでに中露とアジア中央部諸国の結び付きが強くなっていることが見える事象がいくつかあるので具体的な事象をいくつか見ていきたいと思います。

中国の『一帯一路構想』やロシアのプーチンが公言した「大ユーラシア・パートナーシップ」だと示唆した『ユーラシア経済連合(EAEU)』といった戦略を通して中露はアジア全域を確実に統合していっています

イランの「上海協力機構(SCO)」正式加盟、カザフスタンの地域マクロ経済の発展(脱米ドル)、シリア内戦へのロシア支援、レバノンへのパイプラインを修復、これまで従米だったアフガニスタンに対するSCO加盟国の積極的な支援といった動きからも分かるように、中露は主に中東諸国に対して支配という形ではなく現実的な課題を通して共闘関係を作っています。それはお互いにとってメリットのある関係であることが分かります。

〇民族自決路線で共闘している中露とアジア中央部諸国

歴史的に見ても元々アジア中央部の民族は互いの利益を過度に害さない限りは協力関係になり関係が良好な地帯だったのですが、欧米の浸食により争いを強いられていたに過ぎません。メディアの情報から、特に中東付近はテロや内戦が尽きない好戦的な民族であると誤解している人は多いと思います。しかし、実際にはそのような事はありません。

牽制はするものの実害の生じるような攻撃はしないというのが暗黙のルールとしてあり、困ったときには持ちつもたれるの関係でうまくやっていたのかもしれません。そのルールに適応する形で上手く中露もアジア中央部の各国と一体的な関係を構築していっています。

中露の思想としては支配という過度な浸食をする事はなく、敵対することがない限りは干渉しない世界観でいると思われます。それはアジア中央部の民族が歴史的に培ってきた世界観とも似ています。このことに気づきにくくなっているのも、中露は独裁政権(=悪)であるとメディアにより刷り込まれていることに原因があります。世界統合も支配から共存の流れに大きく移行しています。

今回の考察を通して中露とアジア中央部の関係が深まっていることは確実であり、関係を深める上で欧米のアジア中央部からの撤退はきっかけに過ぎずもともとの思想が一致していることが共鳴してより関係が近づいていったと考える事が妥当であることがみえてきました。また、お互いに私利私欲を満たすためではなく、基本的な生活をなすためのつながりが生まれていることからも、今後も良好な関係が続いていく事が予想されます。

★これは武力や資力による支配が終焉したことを象徴しているでしょう。

一方で日本のマスコミの報道を見る限りでは欧米優位の偏見報道が続いています。(リンク

日本では既にコロナは収束過程に入っているにも関わらずいまだに収束の様子が見えない米国。バイデン勢力に対してここにきて反撃を見せているトランプ勢力と勢力争いにも動きが出てきています。

実際のところ米国内の勢力はどうなっているのかを次回以降は考察していきたいと思います。

by Satoshi

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