安倍内閣の背後にある日本会議とその精神的支柱3
先回日本会議の源流には、日本を守る会があり、その背景には明治以来の国家神道の復活を望む旧保守派の存在が見えるという所まで扱った。
今回は、安倍政権を支えるブレーンの思想の源流に触れて見たい。
国家神道を復活。その精神的支柱に、「成長の家」の創始者・谷口雅春(写真)が説いた思想が有る。(現在「生長の家」は、左傾化ともいわれる路線変更ののち、政治や社会運動との関わりを一切絶っている。)
安倍政権の中枢をなす閣僚が参加する日本会議だが、その事務局は日本会議の前身である「日本を守る会」と「日本を守る国民会議」の事務局をつとめてきた「日本青年協議会」という右翼団体にあるり、この「日本青年協議会」は70年安保のころに誕生した民族派学生運動に源流を持ち、これら民族派学生運動の担い手は、新興宗教・生長の家の学生信者たちだという。
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成長の家は内部資料として「神国への構想」という小冊子を見出している。そこには「憲法改正ではなく、反憲法的解釈改憲」を基本戦略として運動を展開していくべきであるという「反憲テーゼ」が謳われている。
この奇矯な「反憲テーゼ」の根拠となっているのが、生長の家の創始者・谷口雅春が提唱していた、従来の国粋主義や右翼思想とは毛色の違う、「宗教的愛国主義」ともいうべき独特の政治観だ。
宗教法人としての生長の家教団は、1983年に「生長の家政治連合」(生政連)の活動を停止して以降、政治活動から撤退し、その後は完全に社会運動との関わりを絶っている。
しかし、日本会議の事務局を担う日本青年協議会のように、現在も谷口雅春が唱導した「宗教的愛国主義」を奉じ、路線変更前の「生長の家」の主義主張を原理主義的に堅持し続けている人々が存在する。
安倍政権の特徴は、日本会議・日本青年協議会のみならず、安倍政権をプロモートしていると言われる日本政策研究センター代表の伊藤哲夫氏など、この「生長の家原理主義者たち」が政権の内外に多数存在する点にある。
次回は、成長の家の思想背景に触れて見たい。
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