2007年05月03日

朝日新聞に見る典型的な外国の専門家の利用法

 ネットを検索していて興味深い記事を見つけました、朝日新聞の記事「日本の歴史問題、米国専門家も懸念 アジア戦略と対立」を見て、内容に疑問を感じた、日本人留学生がその専門家に、直接問い合せた顛末の記録です。ブログ
(問題の記事は、やや古いため朝日新聞ののサイトではもう閲覧できませんが、ぼやくくっくりさんのブログでコピーが読めます。)

 あれ、これはひょっとして「中国や韓国だけじゃなくて(多分一番影響力のある)アメリカも反対している」という記事を書きたい決め打ち型ではなかろうか、という疑念が浮かび、彼の最近の論文を読んだ上で現在学生という特権で突撃メール取材をしてみました。

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 当地のオープンないいところで、昨晩遅く質問(論文と新聞記事が一致していないように思える)を送ったら今朝早くあっという間に返事がかえってきまして(!)、一応ファン風な学生からの私信にお答えいただいたということなのでお返事の英文そのまま貼り付けることは差し控えますが、訳すと以下のようなことでした。

 私は、特に現職や過去政府の経験がある外国人が国内問題に入るべきでないと強く思っているが、朝日新聞は私を、不適切に、私がそう思っている国内問題に非常に近づけてしまった(the Asahi Shimbun pulled me inappropriately very close to a domestic matter)。
 既に朝日新聞にはインタビューの翻訳ミスについて抗議したところ。インタビューは***の自宅で数週間前にあったもの。インタビューの長文記事は5月4日に掲載される予定で、私の国内問題に立ち入らない決意をもう少し繊細に扱っていてほしいものだ。*(私の意図を明確にするため)*、明朝インタビューをした***論説委員と会う予定だ。

溜め息 決め打ち取材はこちらが何を言おうと都合のいい部分しか取り上げてくれませんが、Kent Calder氏のような学者にまでその弊害が、しかも一番不本意な形で及ぶとは。しかしこの記事よく見ると、よく工夫された味わい深い記事になっていて、「(形容詞節)靖国神社が示す歴史観は先の戦争を正当化するもので」
というリード文と、Kent Calder氏のコメントの「戦争を正当化する~」
ってよ~く読めば無関係な二つの文を並べただけで、ウソじゃない記事になっていますね。う~ん、もう芸術の域です

 普通の人には確認のしようのない、外国の学者の意見を、自分の意見と巧妙に組み合わせて、その意図に反した目的で利用する。確かに断片的な言葉をとれば捏造ではないが、その真意は完全にねじ曲げられている。
 また、 猫だぬきさんのプログ では、国内での、もっと露骨な誘導尋問の体験談が掲載されています。
  
 どうも、「事実を集めてそれを伝える」のではなくて、「書きたいことがあって、それに都合のいい材料を集める」という姿勢はマスコミでは当たり前になっているようです。
 予想以上にマスコミの堕落ぶりは進んでいるようで、調べれば調べるほどうんざりします。

List    投稿者 tama | 2007-05-03 | Posted in 01.どうする?マスコミ支配2 Comments » 

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コメント2件

 匿名希望 | 2007.06.20 13:12

私は30代です。この記事を読む前の率直な感想は、自分達世代は年金が本当に貰えるのだろうか・・・後、数年後から年金生活に入る親の生活は成り立っていくのだろうか・・・という目先の利益追求のレベルでした。
このように、狭い範囲だけでしか物事が考えられないようになってしまっているのも世論に不安だけを仰ぐマスコミ報道の在り方に問題があったのだと気づきました。
「すでに制度は破綻している」この現実を国民にしっかりと知らせ、対策をたてない限りこれからの日本の将来は無いと実感してます。

 shop hermes | 2014.02.01 6:25

hermes book.fr 日本を守るのに右も左もない | 年金問題、各紙社説を比較する

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