【世界の力を読み解く】~大国ロシア その力の基盤は何か?①~
前回の記事(リンク)でコロナへの対応・ワクチンをめぐる世界の動きを紹介しました。
その中でも独自の動きを見せているのが、『ロシア』と『中国』です。今回は大国ロシアの力の基盤に迫ります。
みなさんは「ロシア」という国にどんなイメージがあるでしょうか?
中国の習近平と並ぶプーチンによる独裁的な国、資源大国・軍事力という印象は誰もが持っているでしょう。さらに、「ソ連」のイメージが強く、今は先進国ではない。日本の方が進んでいる。
など、マスコミの報道の仕方もあり、良いイメージが少ないように感じます。
しかし、世界の勢力を正確に読み解くためには、良し悪しの価値観ではなく、「どういう力を持っているのか」ということを事実として見ることが大切です!
今回の記事をきっかけに、みなさんが「事実に目を向けていく」きっかけになればと思います。
それでは本題へ。
世界では今、「ロシア」と「中国」が覇権をめぐる戦いをしています。(実はそのさらに裏にいる勢力もいますが。それはまた今度)
そしてロシアの武器になっているのが、「科学力」と「諜報力」それらに裏付けされた「軍事力」です。
なぜロシアはこれほどまでに科学力があるのか。欧米諸国のいわゆる西側とは何が違うのか。
その歴史はなんと1700年代にまで遡ります。
国を挙げて科学追求を重ねてきた歴史
ロシアの科学追求の始まりは、1754年、時のピョートル大帝が設立したサンクトペテルブルク帝国科学芸術アカデミーから始まります。これは東西諸国との領土争いをせざるを得ない地政学的な外圧によるもの。他国に勝つために、科学に人材を投入していくのです。
これは世界でも珍しく、国を挙げての科学追求機関が常に先端を追求。大学は単なる教育機関でしかありませんでした。
人材育成についても西洋のそれとは異なる路線を引いています。
ご存知のように、西洋そして日本の学校は、軍隊教育のため=命令に従順に従う若者を育てるためにつくられました。
一方ロシアでは、とにかく優秀な科学技術者の育成を国家命題として制度がつくられます。
帝政ロシア時代に始まり、教育機関のない地方の子どもたちの育成のために、寄宿制の中等学校を設立します。
入学後の授業は大学レベルで行われ、自由研究やクラブ活動を通して創造性を育んでいるとのこと。
さらにソ連解体後も、旧ソ連諸国からも人材を集めていたとのことなので、その本気度がみて取れます。
(第二次世界大戦後も、ドイツの優秀な人材:科学者・諜報員をアメリカと取り合ったりもしています)
また「ロシアン・メソッド」と呼ばれる、教育と実践を組み合わせた仕組みも特徴の一つ。
大学の学科を企業と共同で設立するというもの。
例えばモスクワ国立工科大学の航空宇宙学科は、大学が軍事産業企業「マシノストロイェニア」と協力して、1985年に設立されました。
とことん実力主義の国
大陸の中央に位置し、欧州諸国との闘いを繰り返してきた歴史。
その闘いに勝つために人材の力を「科学追求」に振り切ってきた結果、欧米諸国に比べて「追求する者が上に上がる」という、
とことん実力主義・実現主義の国となっていきました。
その結果、常に現実を直視して追求・判断するロシアは、コロナへの対応という点でも、
思考停止して(金貸しの言いなりとなり)右往左往する諸国とは違う路線を敷くことができたのでしょう。
これが、近代観念に蝕まれている国家にはない強さにつながっています。
世界の先端をつくる「スミルノフ物理学」もその成果の一つ(リンク:これからは探求の時代)。
次回は、そんなロシアの“諜報力”そして、“マスコミは発信しない直近の動き”を探索します。お楽しみに!
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