脱「枠組」の新たな胎動
画像はhttp://www.asia2020.jp/inform2/hugo_chavez.htmより拝借
ikeyukiさんの記事
「⇒自分達で仕組みを作り出そうという動きが出てくる。」
をうけて、昨今の目立った動きを追ってみます。
その前に、応援お願いいたします。
ikeyukiさんの記事にもあるように、この間の金融破綻を通じて、より深く感じているのは、表立った政治や特定の企業の悪事というものではなく、「市場原理」そのものがおかしいのではないかというところが核心です。大きく、3つの軸で捉えてみました
■生存に不可欠なものを取り戻せ
食糧や水は言うに及ばず、生活の基盤としての資源エネルギーは不可欠なものとして存在すべきです。現時点では、貧困国がその権利を主張していると捉えがちですが、権利や義務という概念を超越すべきものであります。
昨年(2008年)9月に南米、エクアドルで新憲法が成立した。別掲のように同国の憲法では「食糧主権」の項目を設け「食糧主権は個人、コミュニティ、国家、民族の文化にあった安全な食糧自給を永続的に保証する国家の戦略及び義務である」と規定した。
(中略)
この1月(2009年)にはボリビアで新憲法案の国民投票が行われるが、そこではもっとも基本的な人権として「すべての人は水と食糧摂取に対する権利を有する」と規定し、国が安全な食糧を保証することは義務であるとし、食糧を国内生産で守ることをうたっている。
さらに国家間の協定についても、その原則はこうした食糧安保や食糧主権を原則にして交渉が行われなければならないとしており、経済政策についても「国民の食糧主権達成を促進する」と規定している。
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=204016より引用
そして、ベネズエラのチャベス大統領の動きです。http://www.asia2020.jp/inform2/hugo_chavez.htm
より引用させていただくと、
カーギルの精米所接収
2009年3月4日、チャベス大統領は、アメリカ穀物メジャー「カーギル」の精米所の接収を命じた。
カラカス・テヘラン協力
2007年7月2日、イランを訪問中のチャベス大統領はアハマディネジャド大統領とともに、同国南部のアサルエで両国合弁メタノール・プラントの定礎式を行った。メタノール・プラントの生産能力は年間165万トンで、4年後の操業開始を目指している。チャベス大統領は、「カラカスとテヘランは協力して多極化した新しい世界を創る」と語った。
チャベス大統領とアハマディネジャド大統領/AFP(時事)
石油を安値供給
2007年4月29日、チャベス大統領は「米州ボリバル代替統合構想」(ALBA)締結国のキューバ、ボリビア、ニカラグア3カ国とハイチに対し、石油を半額で供給すると語った。
エクソンモービル、石油開発事業を譲渡
ロイターの報道によると、エクソンモービルはオリノコ地域の石油資源開発の国有化期限である5月1日までに、数十億ドル規模の石油開発事業をベネズエラ政府に譲渡する。
米AES系電力を国有化
2007年2月9日、ベネズエラ政府はアメリカの発電大手AESが所有するカラカス電力の株式(82.14%相当)を7億3900万ドルで買い取ることで合意した。
オリノコ川流域の超重質油開発事業国有化へ
2007年2月1日、ベネズエラ政府は、シェブロンやエクソンモービルなどの石油メジャーが進めているオリノコ川流域の超重質油開発事業について、5月1日までに同事業の国有化に同意しなければ、事業を接収すると表明した。
日本でも、目だってはいませんが水面下では脱米、脱穀物メジャーに動いています。
もはや国益 安定調達
ブラジルで農場を経営するマルチグレインに130億円を追加出資した。リスク覚悟で同国最大級の農場経営に本格的に乗り出すことを決め、大豆などを海外から安定調達する手を打った。人も土地も豊富なブラジルで、「世界の安定供給に加え、広い意味で日本の自給率アップを目指す」(三井物産の塚原慶一穀物油脂部大豆・菜種室長)とし、日本への輸出増も念頭に置く。
穀物輸入で業界トップの丸紅もここ数年、川上の産地対策を強化してきた。2005年に穀物メジャーの米ADMと包括提携し、ADMが米国などで集荷した穀物をアジアや欧州で販売している。昨年8月には、ノースダコタ州をはじめ、米国各地で貯蔵庫と大型乾燥機を持つカントリーエレベーターなどの集荷施設8基を買収した。農家との直接取引を増やし「穀物メジャーを通さずに買える態勢を整備する」(丸紅の桑原道夫副社長)のが狙いだ。
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090511/biz0905111325006-n1.htmより引用
一方、中国やロシアのスタンスはむしろ旧い枠組みかも知れませんが、脱米という意味では、新たな動きです。今後、彼らが脱市場勢力にとって敵対することとなるのかもしれません。
上海協力機構首脳会議
中華人民共和国政府にとっては、ソ連一国と長大な国境線を持っていたものの、ソ連崩壊により多くの国と国境を接することになった。これらの分離独立した新興国の内情は、独立国家共同体(CIS)の影響力不足もあって非常に不安定であり、国家統制の及ばない武装勢力から中央アジアとの国境を共同で管理したい中国の思惑があったと見られ、国防上の要求もあり発足させた軍事同盟的な側面も持つ。またこれらの国に一定の影響力を持つことで、ロシアと対等な立場を保って、長期的な安全保障を確立したいものと見られる。またエネルギー問題に関しても、消費国である中華人民共和国としては、石油・天然ガス産出国である中央アジアの関係を強化したいものと考えられる。
wikipedia勢力地図ありhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8A%E6%B5%B7%E5%8D%94%E5%8A%9B%E6%A9%9F%E6%A7%8B
■われわれの世論形成を操るマスコミを追い出せ
そのムーブメントの源泉となる世論形成を操ってきたマスコミに対しても当然、白眼視が強まっていきそうです。
おなじくチャベス大統領はすでに相当な動きをしています。いかに世論形成が重要であるか、彼は身にしみて理解しているからこれらの布石を打っているのでしょう。だからこそ、単なる価値論ではなく事実認識であるかどうかが問われてくるのです。チャベスとはいえこの視点をはずすと支持を失うことにもなりかねません。
ベネズエラ、同国初の通信衛星を打ち上げ 2008年10月30日、ベネズエラは、同国初となる通信衛星「シモン・ボリバル」を、中国・四川省の西昌衛星発射センターから打ち上げた。
CNNを起訴
2007年5月28日、ベネズエラ政府は、チャベス大統領とアルカイダの関係を連想させるような映像を流したとしてCNNテレビを起訴した。
RCTV、閉鎖へ
2007年5月27日、放送免許更新を拒否されていたベネズエラ最大の民放テレビ局RCTVが、実質的に閉鎖された。免許更新拒否の理由について、チャベス大統領は「低俗な番組によって青少年を危機に陥れた」と説明している。
アメリカの盗聴が理由と説明
2007年1月19日、ブラジル訪問中のチャベス大統領は、電話通信会社CANTVの国有化について、「アメリカ資本が支配しており、ベネズエラ大統領の会話録音に利用している」と語った。
通信・電力も国有化
2007年1月8日、チャベス大統領は、新閣僚の就任式で演説し、1991年に民営化された同国最大の電話通信会社CANTVや、電力会社の国有化などをすすめる法案を国会に提出すると述べた。また、シェブロンやエクソンモービルなどの石油メジャーが進めているオリノコ川流域の超重質油開発を国家資産とすべきだと語った。
■もはや市場の住人=金融勢力はいらない
むしろ、ポスト市場社会をどうするかに意識が向いている以上、彼らの狡い思惑は耐え難い。
そんな彼らに対して、一撃を与えたチャベス大統領の動きです。
金鉱山も国有化へ
2008年12月27日、チャベス大統領は、外国資本の金採掘鉱山を接収、国有化する方針を明らかにした。
アメリカ大使を追放
2008年9月11日、ベネズエラ大統領は、同国駐在のダディ米大使に国外退去を命じるとともに、アルバレス駐米大使の召還を決めた。
鉄鋼大手「SIDOR」を国有化
2008年4月30日、チャベス大統領は、同国最大の鉄鋼会社「SIDOR」を国有化する大統領令に署名したことを明らかにした。
アメリカ系金融機関からの資金引き揚げを要請
2008年1月26日、チャベス大統領は「米州ボリバル代替統合構想」(ALBA)首脳会議で、加盟各国に対しアメリカ系金融機関からの資金の引き揚げを求めた。
IMFと世銀から脱退
2007年4月30日、チャベス大統領は、国際通貨基金(IMF)と世界銀行から脱退する意向を示した。
過渡的には、反米というキーワードですが、核心の脱市場原理主義こそが今後の世界の趨勢となるように思います。
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コメント6件
unimaro | 2009.09.10 23:09
お邪魔いたします。
>だいたいこれまでも、誰が総理大臣になっても1年間持たずに入れ替わるような情けない政党だったわけで、
仰る通りの、ここが最も気になるところです。
なぜそんな自民になってしまったのでしょうか。
自民が自らを瓦解させるような政策を長い時間をかけて取ってきたのはなぜなのでしょうか?
ここ10年程度のものではないですね。もっともっと以前からな様子に思えます。
にほん民族解放戦線^o^ | 2009.09.12 1:19
民主の「メディア改革」には触れたくないマスコミ
選挙前は、ラリぴーのりピーやインフルエンザばかりを報道し、小泉郵政選挙の時のような自民マンセー報道はほとんどしなかったマスコミ。
下の件もあり、癒着して…
ななし | 2009.09.12 2:05
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自民は米国の圧力でそう言う政策を取らざるを得なかったんだと思います。
田中角栄がああなった後は米国に逆らえる政治家が居なくなったとも言われてますしね。
あれ(ロッキード事件)が米国の陰謀であるかどうかはこの際抜きにしましょうw
自民党の中ではそう見てる政治家が多かったそうですが。
逆に考えるとプラザ合意以降米国の言いなりになる政権は大体が長続きしていますね。
中曽根しかり、小泉しかり。
日本をぶっ壊す、旧田中派をぶっ壊すのも米国の冷戦後の意思だと思います。
日本をぶっ壊すような輩が力を持つ為には日本より大きなものが後ろ盾にないと出来ません。
対日年次改革要望書や日米投資イニチアチブの中味を忠実に実行してるだけなんですから。
匿名 | 2009.09.15 21:17
顔ぶれを見ると明らかに世襲によって組織が老人化して無能になっています。
若いやる気のある人は自民党に集まらず、民主党に集まっている。
40代の議員を見比べると、違いは明らかです。
france hermes bags | 2014.02.03 5:08
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