サウジアラビアのクーデター。王族の金塊を没収か
サウジアラビアでのクーデター続報。
この結果、逮捕された王族とその側近は政治の表舞台から姿を消すことになりますが、ここに来てこれは単なる政争ではなく、その真の狙いはサウジ王族が持っている莫大な金塊にある、という情報があります。
実態がどの程度の規模なのかは分りませんが、ここに来て現物である「金」を押さえるという事は、今後、国際暴落も視野に入れた金融市場の大変動が引き起こされる、その伏線の可能性が大きいと思われます。
以下、これに関連する2つの記事を紹介します
【サウジの王族ら、財産放棄条件とする釈放に大半が同意】
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171124-00000062-reut-asia(ロイター11/24)
【サウジの異変、金塊も没収か】
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23677740Q7A121C1000000/(日本経済新聞11/20)
【サウジの王族ら、財産放棄条件とする釈放に大半が同意】
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171124-00000062-reut-asia(ロイター11/24)
サウジアラビア当局が汚職容疑で拘束したおよそ200人の王族や実業家について、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子は財産放棄と引き換えに釈放することに大半が同意していると明らかにした。
ムハンマド氏は米ニューヨーク・タイムズ紙のインタビューで「われわれが保有するファイルを見せたとたんに約95%が(現金や企業の株式を国庫に納めることに)応じる」と語った。
不正に蓄えられた財産のうち、最終的に1000億ドル前後がこうした取引により回収されるとの見通しを改めて示した。また「約1%は潔白であることを証明し訴えが取り下げられ、4%程度が汚職を否認し法廷で争う意向を示している」と明らかにした。捜査の過程で国内で2000超の銀行口座が凍結され、経済に悪影響が及びかねないとの懸念が出ているが、ムハンマド氏は専門家を起用し企業破綻が生じないよう注意を払っていると説明した。
ムハンマド氏は自らの権力を強める目的でに王族らを拘束したのではないかとの見方については、拘束されている有力者は以前から同氏と改革に対し忠誠を表明していると指摘し否定した。
【サウジの異変、金塊も没収か】
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23677740Q7A121C1000000/(日本経済新聞11/20)
中東は文化的に金への選好度が高い地域だ。サウジアラビアも例外ではない。王子たちは欧米で金を扱う銀行の「優良顧客」になっている。筆者が担当した王子もなまりがない英語をしゃべり、所作もウォール街の人物かと見間違えるほどだった。
それゆえ、今回の突然の腐敗弾圧の動きの中で、金市場では、拘束された王子たちが保有しているとみられる巨額の金塊の一部が没収されるのでは、との観測が飛び交う。
特に政府側が、王子の保有資産の一部供出を条件に解放するとの「取引」情報に懸念を抱いている。政治リスクが強まると与信限度枠も縮小される。先物で売買している事例もあるので、「強制手じまい」などのカウンターパーティーリスクも考慮せざるを得ない。
サウジ当局が王子たちへ自国への投資を優先させ、国外資産のレパトリ(本国還流)を促しているとの「サウジ・ファースト」の動きも気になるところだ。金塊の多くは世界の金現物取引の中心地であるロンドン市場の大手銀行カストディアン(保管機関)に預託されているケースが多いからだ。
サウジアラビア通貨庁(SAMA)が相当量の金を「隠れ外準」として国際通貨基金(IMF)に申告せずに保有しているとの観測も以前から根強い。一般論として公的保有金のかなりの部分はイングランド銀行やニューヨーク(NY)連銀などの金庫に保管されている。最近では、ドイツがNY連銀に預託している公的金保有の一部を「現物監査」のためフランクフルトに戻す措置を取った事例もある。
総じて一連の強権政治の流れは、腐敗撲滅の習近平(シー・ジンピン)政権を、自国第一主義の動きはトランプ政権を想起させる。
株式市場ではアラムコ上場の行方、そして、著名投資家アルワリード・ビンタラール王子が保有するアップル、シティーグループ、ツイッタ―株への影響が注目されるところだ。
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