2007年03月11日

世界第一位の鉄鋼業 ミタルスチール

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ここ数年建築の主要資材である鉄や銅、ステンレスが高騰を続けている。そのため建物の建設コストを試算することが困難になっており、高止まりした建設コストが事業全体に大きな影響を与えることが多くなってきた。
その直接的な原因は、中国の建設ラッシュというのが業界で言われる定番の理由である。2008年に北京オリンピック、2010年には万博の開催が予定されている中国の影響は多大であるのは事実だろう。
しかし本当にそれだけ(需要の増加)が理由なのだろうか?

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ところで現在、鉄鋼業世界第一位の企業はミタル・スチールというオランダに本社を置く企業である。
そしてこのミタル・スチールの成長過程を調べて見ると、鉄鋼業界がおかれた知られざる一面を知ることができる。
ミタルスチール
ミタルは、ラクシュミ=ミタルというインド人が父親がやっていたインドの鉄のスクラップ事業を引き継いだ会社が始まり。76年にインドネシアに進出したのを皮切りに、次々と製鉄会社を買収し成長を続けた。
社歴
1989 トリニダード・トバゴのアイアン・アンド・スチールを買収
1992 メキシコのシバルサを、メキシコでの鉄鋼業民営化に伴いメキシコ政府から買収
1994 カナダのシドベック・ドスコを買収
1995 ドイツのハンブルガー・シュタルヴェルケを買収。イスパット・インターナショナルを設立。カザフスタンのカルメトを買収
1997 イスパット・インターナショナル、ニューヨークとアムステルダムで株式公開。
1998 アメリカのインランド・スチールを買収
1999 フランスのユニメタルを買収
2001 アルジェリアのアルファシドを買収。ルーマニアのシデックスを買収。
2002 南アフリカ政府との協定により、イスコルの経営権を取得。
2003 チェコのノヴァ・フットを買収。
2004 ポーランドのポルスキー・フティ・スタリを買収。ボスニア・ヘルツェゴビナのBHスチールを買収。バルカン・スチールからマケドニア国内の設備を買収。LNMホールディングスとイスパット・インターナショナルが合併、さらにインターナショナル・スチール・グループ(旧ベスレヘム・スチール、リパブリック・スチール、LTVスチールが合併したもの)を買収し、ミッタル・スチールが誕生。
2005 ウクライナのクリボリシスタリを買収。
2005 インドのジャールカンド州に対して、9億ドルの投資を表明
2006 アルセロール(世界第2位の鉄鋼企業)の買収に成功し、鉄鋼業世界第一位の座を不動のものとした。

かつて「鉄は国家なり」という言葉に象徴されるように鉄と国家は密接な関係にあった。国家による産業保護の代表が鉄鋼であり、各国を代表する製鉄会社が各々存在していた。
鉄とは工業製品の基礎となる製品であり、軍事・産業を通じて幅広く使用された。よって安全や品質がなにより重視されがゆえに、国家に認められた企業が生産を担ってきたのだろう。
ところがこのミタル・スチールは市場(M&Aを中心とする金融市場)の申し子ともいうべき存在である。
金融市場における価値は、実体経済によって必ずしも裏打ちされていなくてもよい。はやい話がバクチ市場であり、様々な情報によって価格はいくらでも変動する。つまり中国特需の実態がどうであろうと、鉄の需要は続くという情報が共有されてしまえば、鉄の価格は上昇→企業価値が上昇→資金の集中を繰り返し、その資金をもとにM&Aで拡大→寡占化→市場価格を完全制御が成立する。これが高止まりを招いた原因ではないだろうか?
しかし価格の高騰以上に恐ろしいのは、品質の保証である。かつての鉄鋼業といえば確かな技術力に裏打ちされたまじめな企業の代表だった。ところがミタル・スチールは、製造業というよりも完全なのっとり専門企業である。このような企業に鉄という安全性の基礎となるような商品の保証ができるのだろうか?
技術や安全性の劣化が見えないところで進行し始めているとしたら、このことこそ一番の問題である。
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List    投稿者 chai-nom | 2007-03-11 | Posted in 03.アメリカの支配勢力と支配構造3 Comments » 

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コメント3件

 tanvool | 2007.04.28 5:40

週刊誌で捏造記事が頻発する構造的背景(記者の独白:「“決め撃ち”が日々行なわれている」)

昨年、なんでや露店をやっていたら、大手週刊誌S社の若手記者が立ち寄ってくれて、いろいろ話しをする機会があった。記者である彼自身の口から、週刊誌の内情につい…

 たく | 2007.04.28 10:11

このひどい発言を聞くと、まだ視聴率至上主義の方がましかもと感じる。しかし、筑紫氏の後釜にみのもんた氏が取りざたされているとも聞く。
どっちもいやだ!

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