2007年06月11日

朝日がアメリカべったりに転換したのは、なぜか?

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朝日がかつての左翼路線から、アメリカべったりに転換したのはなぜなのか?
以下は、『新聞の時代錯誤~朽ちる第四権力』(大塚将司著 東洋経済新報社)からの引用。
朝日新聞の田中県知事発言虚偽メモ事件を挙げて、大塚氏は「それにしても、ジャーナリズムの雄を自他ともに認める『朝日新聞』がなぜ、ここまで堕ちてしまったのか」と問う。

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■クォリティ・ペーパー『朝日』が真似た『日経』の「宮廷政治」

朝日新聞にとって、ソ連崩壊による東西対立の終焉は不幸なことだったのかもしれない。『朝日新聞』はリベラルが信条であり、戦後、『朝日新聞』の理念なり、思想なりになったものは、オールド左翼、旧社会党の理念に近いものだたと、私は考えている。それが『朝日』のクォリティ・ペーパーとしてのレーゾンデートル(存在理由)だった。
東西対立の終焉した今、旧社会党、現在の社民党が国会での存在感がほとんどなくなったことが如実に示すように、それに拠っていては商業ジャーナリズムとして衰退するほかないことも確かである。だからと言って、理念なり、思想なりを捨てて、世論迎合の新聞にしてしまっても、行き着く先は同じであろう。

『朝日新聞』はこの十数年、「リベラルとは何か」と自問し続け、新たな理念を構築すべく模索しなければならなかった。(中略)にもかかわらず、『朝日新聞』は違う道を選んだ。それは「編集の論理」を押さえ込み、「経営の論理」を優先させるという道である。この「経営の論理」を優先させたのが99年2月9日に社長に就任した箱島信一氏である。ある『朝日新聞』OBは「箱島社長により『朝日新聞』の収益力や財務体質は相当よくなったが、編集局はめちゃくちゃになってしまった」と言う。
箱島氏は経済部出身なだけに、オールド左翼から抜け出せずに彷徨する「編集の論理」を「経営の論理」で変えようとしたのかもしれない。そこまではいいとして、箱島氏はあろうことか、その手本を日経新聞社の”宮廷政治”に求めてしまったのだ。企業における”宮廷政治”とは秘書室(宮廷)に自分の意のままになる事務処理能力の高い人材を集め、それを主要な部署のトップに送り出す組織である。トップの側近たちで主要ポストを固め、その共同体で大組織を意のままに動かす側近政治と言ってもいいだろう。

”宮廷政治”がはびこると、一般の大企業だって堕落し、深刻な問題を起こす。まして、言論報道機関で”宮廷政治”がはびこれば、それを正し、信用回復を図るのは並たいていのことではない。
日経新聞社の鶴田卓彦前社長とは違って、箱島社長が会社を私物化したという話は聞かない。実際、そんなことはなかったのだろうが、箱島社長の時代になって秘書を重用する人事が横行するようになったのは間違いない。虚偽メモ事件で更迭された編集局長も秘書出身者だった。
箱島氏は2005年6月24日に秋山常務に社長ポストを譲り、取締役相談役に退いたが、その6年余りの社長時代は不祥事の連続だった。止めを刺したのが虚偽メモ事件だったわけだが、その背景に”宮廷政治”があったのは間違いない。

朝日が日経の体制を真似たということだが、それはなぜなのか?
1970年貧困の消滅以降、抑圧された人々がどんどん減っていく。マスコミ、とりわけ朝日にとっては飯の種である批判対象がなくなる危機に直面する。その中で、批判対象を捏造したのが1989年朝日珊瑚礁捏造事件。
さらに止めをさしたのが、1990年ソ連の崩壊と社共の凋落。社会主義の敗北と市場原理の勝利がアメリカを中心に喧伝される。それが朝日の左翼路線からアメリカべったりへの転換を促した背景であることは間違いない。
一方で、勢いを増していたのが日経新聞。日経は市場原理に立ち、規制緩和や市場開放などアメリカの要求圧力を拠り所にして日本の国家や企業批判を展開する。
アメリカの圧力を拠り所にすれば国家や企業を批判することができる。もともと批判することで飯を食ってきた朝日は、そこに活路を見出した。それが朝日がアメリカべったりに転換した理由ではないだろうか。大塚将司氏の言う「経営の論理」優先とは、「アメリカと市場原理」優先と捉えることができる。その路線に同調する側近で主要ポストを固めたのが、”宮廷政治”と呼ばれる体制転換なのだろう。
しかし、それは朝日(と日経)が、日本の民意や国益(=「編集の論理」)を捨象したに等しい。民意を捨象した権力は必ず腐敗する。朝日(と日経)が腐敗した理由も、そこにあるのではないだろうか。
(本郷)

List    投稿者 hongou | 2007-06-11 | Posted in 01.どうする?マスコミ支配3 Comments » 

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コメント3件

 imaima | 2007.07.11 13:40

はじめまして☆この記事を読んでびっくりしたimaimaです。ふと、るいネットで前に読んだ学校給食のパンについての話を思い出しました。あれはアメリカの小麦戦略だったと・・・大人になって初めて知りました!!(>-<)!!
私は25歳ですが、このようなアメリカの心理戦は少なくとも私の周りの友人誰も気付いてないですよ!!!
なんで事実を追求することが大事なのかが分かりました~☆☆気付きいっぱい!!!その追求力に感動しました!

 kichom | 2007.07.11 23:05

imaimaさんコメントありがとうございます。
私もこの内容を知ったときは、衝撃を受けました。「染脳」とはいうもののその具体的手法が明らかにされる事で、テレビや新聞等を通じて、自らも知らぬうちに染脳されているのではとった、心当たりが多数あることに気づきました。
一緒に追求していきましょう!

 blue hermes handbags | 2014.02.03 2:57

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